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革ジャンLover

私は決してお洒落ではない。極端に物持ちが良い事もあるので、ファッションはオーソドックスなものを好むし、流行にも全く興味がない。だから、私に似合うかどうかでなく「流行ってますよ~」と服を勧めてくる店員さんは全く相手にしない。

そんな私でも10代の頃からバイクに乗っていたこともあってか、昔から革ジャンやブーツには縁があり興味があった。学生時代なんてお金がないから古着屋で安い革ジャンとジーパンを買って、靴は安全靴と言うスタイルがメイン。だから、自分にとって革ジャンやブーツはお洒落と言うより実用品扱いだった。

そんな自分がバイトして初めて新品で買った革ジャンは「Schott(ショット)」のシングル・ライダースジャケット641で、関東に住んでいた当時は上野にバイク街という通りがあり、何も知識がないまま飛び込みで入ったバイク店で購入した。もちろん革ジャンに対する知識もないから、頑丈そうでシンプルなデザインを基準に選んだので、最初の頃は「Schott」をスコットだと思っていたくらいだった。

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よくファッション的には革ジャンは暖かくないから、ライダースの革ジャンはタイトに着た方が格好良くて、大き目で着ると恥ずかしいと巷では言われている。でも、革の表面を風で冷やされてピタピタで着れば寒いのは当たり前で、インナーにトレーナーを着て手首からの風の侵入を阻止すれば、言うほど寒いとは思わない。

本来ライダースジャケットはバイク用のため、乗車時を想定して袖は長めに作られているが、私は背が低いうえに肩が張っているため、肩に合わせると身丈や袖丈が必要以上に大きくなってしまう。おまけに足も太くて短いので、バランスが良いサイズの服など滅多に無い。このライダースも中に着こむことを想定していたとは言え、新品でガチガチに硬い革だったこともありワンサイズ大きい36を選んでしまったのだが、結果的に所有して30年以上、途中10kgほど体重が変化し体型が変わった時期があっても、今までずっと着続ける事が出来ているので間違いではなかったと思っている。

長く使える良いものだと思っているからこそ、この他にも革ジャンは3着持っている。とは言え、タイトル写真で着ている襟付きの馬革のライダースは、革質が外れだったのか手入れが合わなかったのか、なぜか表皮が傷んでしまった。代わりに似たようなデザインの「VANSON(バンソン)」のENFというタイプを購入したのだがコレには苦労した。街でも着れるようにとタイト目の32サイズを最初に購入してみたものの、いかんせん肩がキツイ!

よく「革は伸びる」と言って服や靴などを勧めてくる人がいるが、縫製の糸は伸びないので、革が柔らくなり「馴染む」ことはあっても形自体が大きくなることは無いと思って良い。肩幅も広くなるなんてことは無く革が硬いこともあり、嘘みたいな話だが終いには肩を痛めてしまった。

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結局、32はオークションに出し中古で34を買い直すと言う二度手間をとってしまうのだが、悩ましいのは海外製の革ジャンと言うものは個体差が大きく、同じサイズでも時期や職人のロットが違えば縫い目の違いか微妙にサイズが違うので、運が良ければ自分に合ったサイズに出会えると言うこと。しかし、同じ32で大き目に作られている個体を博打で探し続けるほど道楽の余裕は無いので、袖丈と着丈が長く体型に対してバランス的にも大きいが、肩に合わせた34を今も使用している。

あとは完全な街着としてジャストサイズのラムレザー製シングルライダースもあるが、擦れやすくて耐久性は劣るものの柔らかく着やすいので意外と普段着で重宝している。結局は、ファッションで着るのか防寒着として実用的に着るのかで見方は変わるのかもしれない。個人的には一生モノとして手に入れるのなら、「流行」とは切り離して考えた方がずっと使えるのではないかと思っている。

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