マガジンのカバー画像

週刊web川柳  別冊・非情城市

川柳を作っています。 「世界からサランラップが剥がせない」 などなど。奇妙な世界を基本、週一回お届けします。句集『スロー・リバー』、『リバー・ワールド』の人間です。
川柳をほぼ毎日作っています。無料記事では読めなかった句、ここでしか読めない句を取り揃えております。…
¥500 / 月
運営しているクリエイター

2023年1月の記事一覧

雪國(スノウ・クラッシュ)  川柳70句

雪國(スノウ・クラッシュ)  川柳70句

A : カウント・ベイシーの帰国(instrumental)

水道が凍りメンタルヘルスの日

萩本が私財なげうつA列車

針すなおからイチジクの葉の匂い

地下室の皇太后の螺子外す

にくしみの焼豚丼という写生

エディプスのひとり欠かさず堀を埋め

仏陀へとわたす模型の狸汁

カプセルに組織を容れる狂言師

天皇にnの数だけルビを振る

ボン・ジョヴィの草鞋に今日も詩を書いた

太陽と太陽でな

もっとみる
中島らもは棚橋弘至のエアギターの初夢を見ない〜川柳ノート

中島らもは棚橋弘至のエアギターの初夢を見ない〜川柳ノート

 およそ人生を懸けて作品を作る、という意味において「作家」と呼ぶべき存在に相応しかった最後の作家、中島らもが「川柳」について触れた短文がある。といって「中島らも」がどの世代まで届くかわからないのだが、ひとつだけ解説を加えるなら、こちらの魂をずぶずぶに漬けてくる漬物桶のような、ひとりでひとつのジャンルだった。つまり唯一無二、ということだ。
 くだんの文章、「パンクとタンク」(『固いおとうふ』双葉社所

もっとみる