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徒然なるビート

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自分の人生を振り返って大切なものを考えたり考えなかったりするブログです。
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2023年11月の記事一覧

肩書きと資本

[1]肩書き
 小学生の頃は「先生」が人の道とは何たるやを教える存在だと思っていたし、最初に勤めた組織の「部長」はドラマで出てくるような真っ黒な意志を腹に抱えた人で、格下の人をずっと視界に入れないようにしながら経済新聞を細く折りたたんで読んでいた。肩書きというものは、周りの見る目を縛ったり、本人の在り方も縛ったりする。
 人は心に沢山の隙があるので、気がつけば権力や肩書きの衣を身に纏って偉そうにし

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離れるを考える

[1]
 過去に囚われてはいけないけれど、気がつけば離れていった数々の人やものに対して「どうして離れていったのか」という理由はその都度考える必要がある。離れていった理由や意味が明確なものは良いけれど、大抵のものはその理由や意味が語らないまま離れていく。
 それは当然そうで、例えば自分が「この人ちょっと苦手かも…」と思った人に対して、わざわざ「ちょっとあなたが椅子に座る時、周りを気にせずドカッて大き

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偏屈とアルコール

[1]偏屈
 少し前に職場に入ってきたどう考えても偏屈なおじさんに何故か気に入られ、難波の街で飲んでいました。どう考えてもそのおじさんは偏屈でとっつきにくいのに、直接業務に関わらない距離感のおかげで愛想良くしているうちに気に入られてしまった。半分興味本位で、こう言う人はどういう価値観で生きているのか気になって誘いに乗って飲みにいくことにした。
 偏屈なおじさんは飲み屋でも偏屈で、戦闘機の話や地方の

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多相交流

[1]単相
 ほぼ二日半ぶりに帰ってきた家は変わらないのに、心の状況と周囲の状況は大きく変わっていました。良くも悪くも家の中が変わらないというのは、ある意味頼りになるというか、心の拠り所になるというか。
 ガストバーナーのお疲れ様旅行も、ZOOZが出させてもらったボロフェスタも、心がひたすら良い方向に揺れるほど楽しくて、バンドから放射状に拡がっていく関わりのある様々な人達に向けて、感謝が湧いてくる

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病気になりたい

[1]吐き気の正体
 20代の話。初めて正社員になってしばらく働いていると、心に異変が顕れた。初めは職場の最寄駅に着くと小気味良い吐き気に襲われるようになった。毎日毎日、胃に軽いジャブを打たれているような、職場のデスクに着くまで小気味良い吐き気は続いた。
 もう少し経つと家の玄関扉を開けることが困難になった。もうこの辺りからあまり記憶がないが、朝起きてスーツに着替え、毎日家を出る時間ギリギリまで横

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人の気持ち

[1]謝らない人
 「人の気持ちを考えること」に囚われ続けている。仕事の良いところを一つだけ挙げるとするなら「絶対に関わりたくない人と絶対に関わらなくちゃいけない」ところだと思う。それは通常は悪いところなんだろうけど、今の僕には必要な経験だと信じている。
 そういう関わりたくない人の中に「絶対に謝らない人」がいる。謝ったらあなたは死んでしまうのかと思うほど謝らない人がいる。謝らないように物事を完璧

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