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掌編小説

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#魚眼ノ箱庭

魚眼ノ箱庭

魚眼ノ箱庭

 満足な環境であった。

 水質は澄み、酸素は潤沢に湧いた。

 適度な水草がそよぎ、戯れる岩礁も据えられている。

 空腹を覚え始めた頃には水面から餌は降ってくるのだから、此処へと移り棲んでからは飢えた覚えも無い。

 日々の糞尿で少しばかり水質が濁りを生じたとしても、不思議と朝には新たな快適と再生するのだから気にする事でもなかった。些か警戒を覚えるとすれば、その予兆には大きな地震が起こる点だが

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