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近江高校による新時代の継投策[近江vs大阪桐蔭]

○2回戦 近江6-4大阪桐蔭

近畿の強豪同士の一戦は近江が逆転勝ちを収めた。

この試合の勝敗を分けたのは継投のタイミングではないだろうか。

大阪桐蔭の先発・竹中は7回を投げ4失点。
8回からは2年生の川原がリリーフしたが、2失点で勝負を決められた。

一方の近江は先発・山田が1.2回に失点したものの3回からは立ち直った。そして2番手・岩佐は7回から救援し、大阪桐蔭打線を1安打に封じ込めた。

この継投には面白い裏話があった。

継投のタイミングを選手が決めた近江 

この記事によると、
「4回、5回、この辺で岩佐にスイッチしようかと思ったんですが、山田が『調子が上がってきたので投げさせてほしい』と懇願してきまして。6回も良かったので、もう少し引っ張ろうかという思いもあったんですが、彼も『7回から岩佐さんで』ということで」(多賀監督)

というように、山田が自ら継投のタイミングを進言している。

これは非常に素晴らしいことだと思った。
なぜなら、ベンチから見ている監督よりも、グラウンドでプレーしている選手の方が自らの調子や状態を把握できているからである。

また、監督に意見をすることができる近江の雰囲気も素晴らしい。

これからの高校野球は、近江のように監督に意見を言えるチームが増えてほしいと個人的には思った。

大阪桐蔭の敗因

ここからは私の辛辣で偉そうな言葉が並ぶ。しかし私は大阪桐蔭のアンチではない。
2012年からの甲子園での大阪桐蔭の試合は全部観たし、大阪大会も見に行ったことがある(大阪府民ではないのに)大阪桐蔭ファンである。
大阪桐蔭の敗戦で動揺しているので辛辣で偉そうな言葉は許してほしい。


先発・竹中は中学時代に142キロを計測した剛腕だ。
しかし、チームメイトの松浦、関戸の150キロを超すストレートを見て、速球派ではなく、試合を作れる投手を目指していたのだろう。平均球速は136〜141だった。

この試合では、2回に145キロを1球だけ計測したが、142キロ以上の球はこの球のみだった。

また、6回以降は明らかに球威が落ち、球速は134〜138キロだった。この球速帯は、全国レベルの打者にとっては打ちごろなのだろう。近江の打者に捉えられはじめた。

球速が落ち始めたあたりが継投のタイミングだったのだろうが、西谷監督は竹中を7回まで投げさせ、同点を許した。

継投のタイミングについては結果論だが、私は7回表の頭から川原を投げさせるべきだったのではないかと思った。(松浦は次戦以降のために今日は投げさせたくなかったのだろう。) 
また、遅くとも7回のピンチの場面で継投すべきだった。

以前から一部では、大阪桐蔭に弱点があるとすれば、継投のタイミングが遅いことと言われていた。
今日の試合はその弱点がもろに出てしまった。

また、私は2012年から大阪桐蔭の甲子園での試合は全てみているが、西谷監督が回の途中で投手を交代させたのは、2015年センバツの敦賀気比戦のみである(多分)。(田中誠也が松本哲幣に2本目の満塁弾を打たれ降板)

名将・西谷監督に物申すのは大変おこがましいのだが、
今後は継投のタイミングを見直す必要があるのではないだろうか。

大阪桐蔭の敗因は継投のタイミングが遅れたからと書いてきたが、投手陣が期待よりも伸びなかったことも敗因だろう。今夏大阪大会から1度も登板のなかった関戸や、球速のわりに打たれる松浦、中学時代に142キロを計測したものの、こじんまりとしたピッチャーになった竹中や、鳴り物入りで入学したもののメンバーに入れなかった樋上など。

大阪桐蔭出身の野手はプロで活躍する選手が多いものの、投手で活躍する選手が少ないのは、大阪桐蔭の投手育成方法に問題があるからなのではないか。




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