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耳雨 (じう)


 『音のことのは WORDS of SOUNDS』という本を、図書館で借りて、読んでいる。

 音、言葉の響きを世界のあちこちの風景と共に、楽しむことができる。その中で、ふと、目に止まった言葉があった。

 「耳雨」と書いて、「じう」と読む。

 耳の中の雨。経験された方もみえるだろう。耳鳴りのことだ。

 耳鳴りと言うよりも、素敵に感じる。耳鳴りに困った人が、昔にもいて、こんな言葉を生み出したのかなって、考える。そのセンスに痺れる。

 わたしは、一時期、耳鳴りに悩んだことがある。耳鳴りばかり、きこえるような気がして。

 わたしの耳鳴りの対処法は、耳鳴りをきかないこと。おしゃべりしたり、音楽をきいたりして、それに注意を向けない。そうすると、楽になる。要は、気にしないのがいいのだ。

 それでも、耳鳴りが気になるときもある。わたしは眠る前がそうだ。そういうときに、思い出そう。

 「耳雨」

 耳の中で雨が降る。たまには、その音色を楽しんだらいいわけだ。音色だけでなく、雨の降る様子を想像しながら…

 いろんな雨を降らせられそう。
 うん。そして、よく眠れそうだ。



『音のことのは WORDS of SOUNDS』
構成・文 ネイチャー・プロ編集室
幻冬舎




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