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自分の身体を大切に〜カウンセリング編①〜


 カウンセリングを受けようと思ったきっかけは、雪華さんからいただきました。「バトン」のように。雪華さんは、自分らしく、生き生きと、短歌を詠まれています。雪華さん、ありがとうございます♪

 雪華さんは、うみのちえさんからいただいたとのこと。うみのちえさん、ありがとうございます♪

 どなたかが、次の「バトン」を受け取ってくださいますように。



 今回は、カウンセリング初日の話です。

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 2023年、6月半ばの月曜日。13時。快晴。

 気温は30度を超えた。わたしは、とある大学の中庭にいる。カウンセリングを受けるためだ。

 漢方治療をスタートしたばかりだったが、同じタイミングで、心のケアもしたくなった。不安定になりやすい自分を、なんとかしたい。身体と心、両方を大切にしたい。

 臨床心理を学ぶ、大学院生の方がカウンセリングを担当してくださる。若い方の広い視点でのアプローチがほしいし、わたしの経験、無駄にしたくない。自分のためだけじゃなく、誰かのためになるなら、とてもうれしい。

 この臨床心理相談室は、息子が中学のときのスクールカウンセラーの先生から、ご紹介いただいたもの。いつか、息子に必要かもしれないし、息子が大学を知るのにもいいですよって。ふと、それを思い出し、わたしが通うことにした。息子に、大学の雰囲気をきかれたら、話してもいいな。

 カウンセリングを受けるための審査で、前にも一度、ここに来ている。そのときは、大学の先生と大学院生の方、おふたりで、対応してくださった。話していたら、幼いころの満たされない気持ちを引きずっていることに、気がついた。そんな自分に、びっくりした。

 ぼんやりしながら、うちに帰り、そんな40年くらい前のことに、未だ囚われていることが、悔しくて、腹ただしくて、悲しくて、さみしくて、なんだか、ごちゃごちゃになってしまい、涙が止まらなくなった。この日は、夫も息子も旅行中でいなかった。

詳しくは以下に



 審査を無事に通過したが、こんなことがあり、カウンセリングを受けることが怖くなっていた。この日から、担当の先生が決まり、本格的にスタートする。今日は、第1回目。

 まだ、カウンセリングには1時間ほど時間がある。来るのが、早過ぎてしまった。どこかに寄ろうと思ったが、やめた。気持ちが落ち着かない。また、前のように不安定になったら、どうしよう。

 念のため、夕飯はほぼ作ってきた。今日は、夫も息子もうちにいる。うちに帰れさえすれば、なんとかなる。でも、怖い。

 ふと、中庭のどこかに水が流れていると気づく。サーという、水音がしている。周りには、さまざまな植物があり、テーブルと椅子もある。コンサートをしても良さそうな空間だ。

 ぽつり、ぽつりと、この大学の生徒さんらしき人がいる。大学生の娘を思い出す。今ごろ、授業を受けているころだろうか。会いたいなぁ。

 深呼吸する。気持ちがいい。

 初めてのこと、とても苦手だ。知らないこと、知らない場所、本当は怖い。でも、やりたい。やりたい気持ちが、怖いに、少しでも勝れば、わたしはやれる。

 怖いは怖いままで、まぁいいか。怖いを怖くないにするためには、慣れが必要だから。そこそこ、がんばろう。でも、がんばりすぎないでおこう。

 後、30分ある。

 大学内を散策してみようか。歩いていた方が、落ち着く気がする。木々が生い茂る下を通り、空を見上げた。暑いなぁ。

 時間になり、カウンセリングルームへ行く。受付で、熱を測り、待合室で待つ。お子さん用にだろうか、本棚には絵本が並ぶ。本棚の上には、カレンダーがある。柔らかな優しいタッチで、お花が描かれている。

 大丈夫、大丈夫。
 わたしは、わたしに言う。

 カウンセリングが始まった。初めてお会いした先生は、笑顔が素敵な方だった。一緒にいると、つられて、自然に笑顔になっちゃうような。柔らかであたたかな感じ。わたしは、すごく安心した。

 まずは難聴のことを話し、マスクなしで、話してほしいことを伝える。コロナ対策のため、部屋の換気しながら、透明なビニールシート越しで、話すことになった。

 きかれるまま、話した。

 自分の半生を振り返ったみたいだった。特に、幼いころのこと。甘えが許されず、厳しく育てられ、いつもさみしかったこと。がんばっても、褒められず、できるのが当たり前、できないと叱られること。病気になっても、自己管理がなっていないと、あたたかく看病してはもらえなかったこと、泣いてはダメなこと…わたしの中に溜まっていた、愚痴や文句みたいなものがあふれてきた。

 今、こんな自分なのが、悔しくて悔しくて、ただ悔しかった。だから、この経験を無駄にしたくないし、そんなことで、もう揺たくないし、それは終わりにして、前へ前へと進んでいきたい。そう、締めくくった。

 今までのことを、感情を抑えることなく、誰かに話したことは初めて。途中、感情があふれて、それで胸がいっぱいになり、つられて涙も出てきて、声が出にくくなるほどだった。

 先生は、ただただ聴いてくれた。

 気がついたら、終わりの時間。そして、今回のカウンセリングの感想を書くという、宿題が出て、次の予約を入れ、終了。カウンセリングは50分間だったが、あっという間だった。料金をお支払いするのを、うっかり忘れそうにもなった。わたしらしい。

 無事に終わった。疲れた。うん。がんばった。今日はもう、何もせずに、休もう。

 翌日、感想に「疲れ果てた」「悲しさやさみしさよりも悔しさがある」「なんとかしようとパワーが湧いてくる」「心が乱れなくてよかった」などと書いた。

 前回の審査のときと、今回のカウンセリングで先生方に、否定も肯定もされず、そのままを、ただ聴いてもらえたことで、わたしはかなり落ち着いた。わたしの中の何かが満たされて、気が済んだのだと思う。



※一年ほど前の話です。カウンセリングを卒業し、ようやく書こうと思いました。しばらく続く予定です。けれど、書くのに気力がいるので、のんびりになりそうです。また、カウセリングの内容にも触れますが、あくまでわたしの場合です。参考程度になさってください。よろしくお願いします。


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