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「腹を空かせた勇者ども」金原ひとみを読みました(ネタバレあり)

開いている本の、左側の厚みがとても薄くなったとき
もうすぐレナレナとお別れなんだ
と思ったら、なんだかさみしくなった。
本を読んでいて、このさみしさを感じたのはひさしぶりな気がする。

この本を読む前に、金原ひとみさんと町屋良平さんの対談に行っていたので、
レナレナのママは、子どもの責任者という立場からの発言だったり、でも自分は不倫をしているなど、ママのキャラクターが凄そう!という先入観ありきで読み始めた。

ママがしっかりと言葉で伝えようとするところ。レナレナにも、ちゃんとわかりやすく言葉での説明を求めるところ。
けれど自分は不倫をしているというところ。
でも何よりレナレナを大切に考えているところ。

家庭も仕事と一緒で、不倫していたとしてもそれでママが元気になってまた家庭で頑張れるなら、一概に悪いこと!だけで分別することは出来ないのかもしれない。

ママの場合は、こそこそ隠しているわけではないし、家庭のことや仕事もやっているしというところが大前提ではあるけれど。

そして、自分たちのことだけじゃなくて
ちゃんとレナレナに選択肢を与えているところ。パパと住みたいかママと住みたいか
高校卒業まではこのまま3人で住みたいか。

レナレナはママの子どもだけれど、責任者という立場でありつつちゃんと1人の人間としても接してくれていて、だからレナレナみたいにちゃんと考えたり話したり自分の想いを持っている、私からしたら大人だなあと感じる点もあって、なんだかめちゃくちゃ好きなんだよなあレナレナ。
自分が中学高校となんだか暗かった気もするから、陽キャなレナレナが眩しかったのもある。笑

ママの彼氏と会ってもきっと上手くやっていくと思うし、なんならめちゃくちゃ仲良くなっちゃうパターンな気がしている。

ママが文化祭にコピバンするバンドのロンTを着てきたこと。
ミナミがガールズバンドって感じのうちわを作ったこと。

自分の想いや考えを、ちゃんと言葉で説明したり伝えたりすることはもちろん大切なんだけれど、そういう言葉じゃないところで感じられる想いもとても好きだなあ。

レナレナ、頑張れ!
私も、頑張れ!

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