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45歳・教員の「越境学習」 ~日本財団での1年間~(20)

カンボジアの子どもたち

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 多くの課題を抱えるカンボジアの学校教育だが、それでも放課後の校庭には子どもたちの大きな声が響いていた。日本でも昭和の時代には、放課後の小学校の校庭で、子どもたちが自由に遊び回る姿が見られたものだ。しかし、塾通いや防犯上の理由などで、近年はそうした姿を見ることが珍しくなっている。
 木の棒と竹で作られたバレーボール用のネットは、この学校の自慢なのだそうだ。

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 市場にある駄菓子屋の前には、近所の子どもたちが集まっていた。手に小銭を握りしめ、品定めをしている子どもたちの姿は、やはり昭和の日本を思い出させてくれる。

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 ある小学校を訪れた際、夕方の校舎の前で、10歳ぐらいの少女が幼い弟と妹を連れて遊びに来ている姿を見かけた。通訳を介して尋ねたところ、日中は家の手伝いなどがあって学校に通えないことが多いのだが、夕方になるとこうやって遊びに来て、学校の雰囲気を感じているのだという。

 学校教育の在り方を含めて、カンボジアの未来はカンボジアの人たち自身が決めることだ。だが、この国の子どもたちのために、日本人である自分ができることも何かあるはずだ。
 モンドルキリ州で数日間を過ごしたことで、そんな思いが強くなっていった。

【カンボジア編・おわり】

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