見出し画像

去年試しで作ったら好評だったミニチュア精霊馬を作りました。minneで販売しています。いっぱい作って騎馬戦のように飾るとかわいい。助っ人の赤べこもいい感じで馴染んでいる。

精霊馬(しょうりょううま)は、お盆に飾られるご先祖様の乗り物。

 夏野菜の「キュウリ」と「ナス」で作られていて、「キュウリの馬に乗って行きは早く来てね。帰りはナスの牛に乗ってお土産をもってゆっくり帰ってね。」という意味が込められている。なんて、可愛い文化なんだろうといつも思う。

たまに、おばあちゃん(以下、たんばば)の家の精霊馬(本物)にそうめんが1本でろんと張り付いていて汚いな~誰だよ…どうせたんばばの仕業だなと思っていたが、それも伝統だった。

そうめんが細長い糸のような形から「幸せや喜びが細く長く続く」という願いを込めて乗せているらしい。

あと、お盆は8月13日から8月15日だと思っていたら、関東ではお盆は7月13日からというのを上京して初めて知った。新暦が8月で旧暦が7月らしい。

お盆、調べてみると地域ごとに特色があることに気付いたのでまとめることにした。まずは、諏訪地方のお盆について。

諏訪地方の独特な「迎え火と送り火」

有名な行事は京都(8月16日)の「五山の送り火」。これは新幹線から見たことがある。さて、一般家庭では、迎え火・送り火しているんだろか?

私はたんばばの家以外で見たことがない。周りに話してみても「そんなのあるんだ!」と言われることが多い。

検索すると一般的には芋殻(おがら)を燃やしているらしい。
え?白樺じゃないの?たんばば、白樺を当たり前のように使ってたけど、あれはオリジナルなの?

ここでもまたたんばばの勝手なオリジナル行事と思ってしまったがそうではなかった。検索すると「長野など一部の地域では白樺(または白樺の皮)も使います。」とあった。オリジナルではなかった。そして自分が幼い頃から当たり前だと思っていた白樺による迎え火送り火は全国的にマイナーだったのだ。

長野県の諏訪地方に住むたんばばは、白樺の皮を燃やして8/13に先祖を迎える迎え火、8/15に送り出す送り火をする。やたら大切にしている行事で、「家族みんなでやるもんだ!」と強制的に、毎年しているが、送り火をすっかり忘れてることが多く、ご先祖様は1年滞在したり(翌年の迎え火でやっと帰れる)、帰れたと思ったらすぐ呼ばれたり…

画像25

長野県の諏訪のお盆はお祭り三昧

次に白樺燃やしという独特の文化がある諏訪地方のお盆の盛り上がりについて語りたい。お盆=お祭りが多いのは全国共通なのか、それにしても気合の入っているお祭りが多い気がする諏訪地方。

8/13~8/14「岡谷太鼓祭り」
8/15 「諏訪花火大会」
8/16 「灯篭流し」

1.太鼓祭り
http://okaya-taiko.jp/

太鼓祭りは20年ぐらい前から会場が変わり、いろんな意味で今風になってしまい、個人的にはイマイチになってしまったが、昔はすごかった。大雨でも雷でも100人ぐらいで打ち較べしていた。

太鼓の音が凄すぎで小さい頃はドキドキが止まらず苦手な祭りだった。会場から離れた後も脳の中に振動や音感が残り一晩中太鼓を聞いている気分になる2日間…けっこう辛い。でも屋台があるので必ず行っていた。

2.諏訪花火大会
https://suwako-hanabi.com/

太鼓祭りが終わると諏訪花火大会。指定席をとること自体がデスマッチというか、取れない。いつからこんな人気になったのか。朝早くに並んだり、升席は抽選だったり大変らしい。いつも運よく何かしら席を確保して観れるのが幸せ。諏訪花火大会が凄すぎてどうも他の花火大会はしょぼく見える。

曲に合わせて花火が上がる演目があり、数年前の宇宙戦艦ヤマトはド迫力だった。めっちゃイメージも合っていた。その年はたしかLemonも流れていて、隣の人が泣いていた。それぐらい感情が高まる花火大会なのだ、

感情を揺さぶる原因としてやまびこがある。四方山に囲まれた盆地なので、ドーンという音がこだまする。

初めて見た人の感想は「銃撃戦が始まったかと思った…」
わかる。本当にそんな感じ。

この花火のドーン、ドーン、やまびこのドーンドーンが心臓にくる。ドキドキする。これが気持ちにも影響しているんじゃないかと思っている。太鼓祭り2日間と諏訪花火大会で計3日間の心臓への負担は計り知れない。

諏訪花火大会の難点は、毎年、帰宅が困難となる。湖畔のホテル宿泊は何年も前から予約埋まっているし、1泊何十万レベルらしいので不可能。最後の演目水上スターマインまで見ていると電車に乗るまでに行列で2、3時間待つことになる。

ちなみに母は「水中スターマイン」と昔から言い間違えている。水中じゃ、見えないでしょう。というか、花火だよ。水上だよ。

もともと電車が少なく、渋滞もない地方に、この日だけで人口の数百倍の観光客がくるのだ。メキシコ人団体まで来ている。電車(2,3両しかない)も道路も激混み。花火大会後は、いつも2時間ぐらい歩いて帰宅するのが毎年恒例になっている。

道路の激混みもすごい。小さい頃、家族で車で行ったとき、交通整理の人もいない狭い道なので車と歩行者で何が何だかわからない感じに入り乱れていた。なかなか右折できず困っていたら、叫びながら交通整理を始める泥だらけのおじさんが登場。よく見たら泣いていた。顔も泥だらけ。絶対、正規の交通整理スタッフではない。

「今だ―――今だよ!!!」

この命がけで誘導してくれた泥だらけのおじさん、未だに何者だったのか気になる。お祭りには必ずよくわからないテンションの人が現れるものだと学んだ。

画像2

3.灯篭流し(岡谷)
https://www.city.okaya.lg.jp/bunka_sports/event_matsuri/9445.html

お盆の終わりを告げるこの行事。岡谷の釜口水門周辺で行われる。諏訪花火大会とちがって地元密着型の静かな行事。灯篭流しはしんみりした気分になる。しかし…

お盆の風物詩としてまた、夏の終わりを飾る行事として諏訪湖畔で行われる。先祖の供養にと流されるとうろうは、その数1000以上。湖面には無数の光の帯が流れ、空では盛大に打ち上げられる花火が彩りを添える。
(岡谷市HPより)

灯篭流しでも花火は上がる。
諏訪地方、どれだけ花火好きなんだろうか。

子供の時、本気で死んだ後もお盆だけは帰ってこれると信じていた。その想像の中で帰りは灯篭に乗って帰るんだと思っていた。帰りたくないからこんなしんみりお盆が終わるんだと。

岸に引っ掛かっていて流れていかない灯篭が気になり、お母さんかお父さんに聞いたことがある。

「そこで止まっている灯篭たちは、どうなるの?」
「明日の午前中、ボランティアのおっさんがボートで回収するんだよ。」

超現実的な答えに、え、どういうこと!?と思いながらも、そうだよなと納得する子供心。こうして思考は大人になってゆくのか。

今では、1,000個の灯篭を回収するおっさんたちへ心から「おつかれさま」と思う。



この記事が参加している募集

#夏の思い出

26,566件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?