535○ つまらなさ
「つまらなさ」
炊き上がる光の反射に
互いをぶつけ合って踊る様は
神秘的だが普遍でもある
吐き出した息の中にも
小競り合って争う拳の重なりにも
愛が敗れた日にも
必ずそこに佇んでいる
私たちは目新しさを追うあまり
可能性を随分と見逃してきた
楽しい時間がずっと抱きしめてくれているのに
どうしてつまならさを探して
目の前を蔑ろにするのか
生まれてこのかた
騒がし過ぎる世界の中
そのような空虚というのは
永遠に走り続けることが出来ない私たちの
本能の停車駅なのか
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NAKAJI
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