553○ 荷はない
「荷はない」
忘れていく夏がある
本当は留めておきたいものでも
間もなく来る秋の気配に変わっていく
咄嗟の印象を添えて
高い砂山を作ったが
優しい波が罪悪感なく
徐々に削っていくのを見ていることしか
僕には出来ない
圧倒的な無力と
過信を積んできた非力さで
空を見上げることくらいしか
ただそれが成り行きに任せる
自然の中に入った瞬間である
何もなし得ずとも
怠惰だと悲観するのも
お前があるからこそだ
傍観の先にある
ゆらめく蝶を追え
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NAKAJI
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