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第166号(2022年2月28日) ついに始まってしまったウクライナ侵攻

第166号(2022年2月28日) ついに始まってしまったウクライナ侵攻

【インサイト】ついに始まってしまったウクライナ侵攻あまりにも怪しげな「大義」

 すでに広く報じられているとおり、2月24日にロシアのウクライナ侵攻が始まりました。しかも、一部で言われていたようなドンバス地方での限定攻勢ではなく、北部(ロシア及びベラルーシからキーウ・ハルキウへの攻勢)、東部(ドンバス方面への攻勢)、南部(クリミアからヘルソン方面への攻勢)という極めて大規模なものです。
 これはも

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日本が核抑止力を備える条件(小川和久)

認めたくないことだが、核兵器の使用も辞さないとするプーチン・ロシア大統領の恫喝を前に、ウクライナ情勢へのNATO(北大西洋条約機構)側の姿勢も慎重さを強いられている。それに加えて、金与正・朝鮮労働党副部長の「韓国の先制攻撃に対しては核兵器で反撃する」との発言は、核抑止力に関する日本の議論を加速させるきっかけとなる気配だ。

といっても、これまで叫ばれてきた日本の核武装論は、戦略的視点、軍事的合理性

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・「台湾封鎖」に踊らされるな 静岡県立大学特任教授 軍事アナリスト 小川和久

米国のペロシ下院議長の台湾訪問に反発した中国が台湾周辺で軍事演習を始め、マスコミには「台湾封鎖」という大見出しが躍っています。しかし、マスコミが大きく取り上げるのは致し方ないにしても、専門的には整理する必要があります。騒いでいるだけでは、中国の掌の上で操られ、本当に必要な防衛力整備の目が曇ることになりかねないからです。

確かに中国はあたかも台湾を海上封鎖するかのように台湾本島周辺に演習区域を設定

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