【映画】監督デヴィッド・リンチと『イレイザーヘッド』
映画監督で芸術家である、デヴィッド・リンチの、
youtubeチャンネルを発見し、すぐさま登録しました。
映像作品などアップしていますが、
L.A.の「今の天気」をお伝えしてくれる数10秒の動画とかもあって…
たまらんな〜この人。
*
実は常々、リンチ氏のことを、
失礼ながら勝手に以下のようなに思っていました。
「あーこの人、表現者になってくれてよかった。
じゃなきゃ、他者もしくは自身に、
狂気が向いて取り返しつかなくなってそう」
(どちらかというと、映画よりは絵画作品の方に、
そんなことを思ってしまうのですが)
そんなリンチ氏の、初長編監督作が『イレイザーヘッド』。
これがまあ、原点でしょうね〜という作品です。
内容は、
主人公の青年が、彼女の妊娠をきっかけに結婚しますが、
生まれた子供は不気味な形状で、日々悩まされ…。
まぁあまり、ストーリー云々という映画ではありません。
一見、意味不明でシュール、かつ不気味な映像が続きますが、
彼なりの意味づけや、過去映画へのオマージュもあるそうです。
また、若くて貧しい中、親になってしまう戸惑いや、
将来への不安など、リンチ氏自身の経験も背景にある。
確かに、命を授かる喜び、という観点はなく、
赤ちゃんがとにかくグロテスクな存在に描かれていて、
恐れや抵抗の象徴、からの現実逃避、という風にみえます。
良くも悪くも、当時のリンチ氏の心の投影、なんでしょう。
それを、何年もかけて映画に昇華して、世に投下し、
公開から40年以上経っても、こうして語る人間がいる。
好き嫌い超越して、未だに引力は健在です。
*
そんな『イレイザーヘッド』は、
リンチ氏がまだ無名時代、大手スタジオなど何にも束縛されず、
自由につくった作品、その思い入れの強さが伝わります。
また、昨今もその頃のように、大資本などと距離を保ちながら、
自分の思う通りに表現することを最優先に、
ほぼ自主制作のような形で、作品をつくっている模様。
そこを突き詰めて制作ができる喜び、絶大だと思います。
彼の作品のほとんどは、万人には理解されない世界観ですが、
だからこそか、根強いファンが確実にいます。
やりたいことをやって、そういった人たちから支持されて、
変な忖度もなくて清々しそう。
きっとアフターコロナの時代は、
今までのマーケティングセオリーや、
曖昧で広く浅い「好感度」のようなムードを頼りにするより、
リンチ氏のように、その人独自の魅力やストーリーがあって、
そこに価値を見出してくれる確固たるファンがいて、
仕事や発信をできる人が、生き残りそうです。
少なくとも、youtubeで自分のヘンな作品を解説してるリンチ氏は、
全然ストレスなさそうですし。
飄々と、奇妙な創作を続けてくれていることに、
本当にありがとうと言いたいです(?)
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