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今日会いに行きたい!気になる土偶#053御所野縄文博物館

夏が来る前に夏バテしそうな暑さ、の毎日。
〝1日を普段どおり無事に終える〟
もうそれだけで十分頑張った!と
自分をほめてあげたくなってしまうこの頃です。

このちっちゃな土偶さんも、
「うんうん、頑張ったね、お疲れ様~」
と言ってくれているみたい!

縄文時代晩期 / 山井やまい遺跡
御所野縄文博物館

身長3.5㎝、
手を後ろに組みながら、しっかり2本の足で立っています。
どこか好々爺のような、穏やかで優しい雰囲気ですね。
○○土偶の系統であるとか、男性or女性とも関係なく、思うままに作られ土偶のように思えます。

今から約3000年前の岩手県一戸いちのへ町のから出土しました。
この場所は世界遺産・御所野遺跡のすぐ近く、時代は御所野遺跡で壮大な文化が営まれた約1200年後頃にあたります。

この地域では北から伝わってきた「遮光器土偶」が作られていました。この辺りでも大きいものから小さいものまで、緻密な装飾で溢れている〝遮光器土偶〟が見られます。

一戸町出土 / 御所野縄文博物館


「遮光器土偶」独特の形を踏襲しながらも、それとは全く違った今日の土偶のようなモノも作られたのは、時代と共に土偶の持つ意味や祈りの形が変わっていったことによると考えられるようです。

ただこの地域やこの時代に関わらず、このように小さく、形式に当てはまらない土偶が各地にあることを考えると、「土偶は祈りの道具」と一言で表さられるものではなかった、と思えてきます。

今の私たちと同じように、一人ひとり違う個人が家族を作り、ムラを営み、文化を育くみ、縄文時代を生きていた…そのように考えていると、このような小さな土偶は、だれかの大切なお人形であったり、祖先の姿であったり、お守りであったかもしれないと、当時の人々がそれぞれに土偶を愛でる姿が色々と思い浮かんできます。

ゆったりと穏やかな生活の中で作られた…この土偶を見ていると、そんな情景も浮かんできます。
何か特別な願いや切実な祈りをこめた土偶ではなく、見ているだけでカワイイ、癒される~などと、そんな存在であったのではないかしら、と思ってしまいます。

ほっと心穏やかにしてくれる小さな土偶、
何でもない日に会いたい、そんな存在です。

最後までお読みくださり有難うございました☆彡

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