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今日会いに行きたい!気になる土偶#044東京国立博物館

4月も早くも三分の一が過ぎました。
桜満開のふわふわした華やかさや
「新年度」の緊張感も少しほぐれ、
いつもの日常が戻ってきように感じます。

今日の土偶はお馴染みの「ハート形土偶」
今まで何度となく見てきた「ハート形土偶」ですが、
ちょっと背伸びして真正面から覗いたら、
いつもよりずっとユニークな顔がありました。

あら、こんな顔だったかしら?
もしかしたらハートの文字に惑わされ、
勝手にラブリーなイメージを抱いていたのかも⁉

このハート形土偶は、
縄文時代後期(今から約4,400~3,200年前)の高さ30.3㎝の大型土偶です。第二次世界大戦中の1,941年に、群馬県吾妻郡で国鉄の建設工事に伴う調査で墓と思われる中から見つかりました。

東京国立博物館

よく見ると
かなり個性的な顔だち。

「ハート」の顔はすり鉢状で、大きな目と高い鼻。
前から見ると鼻の穴が目立つのは、
顔がやや上向きになっているためです。

この土偶は「ハート形土偶」の代表格、
この土偶のようなきれいなハートの顔もあれば、
楕円形の顔の「ハート形土偶」も存在します。

ハート形土偶は見る角度によって、
ガラっと印象が変わります。

横から見てみると…
顔は上向きにつき、
斜め上を一心に見つめているみたいですね。
頭の後ろは支えられているようです。

ウエストの細さもかなり際立っています。
小さな乳房と正中線は、女性を表しているのでしょうか。

体のあちらこちらにグルグルの渦巻文様があり、
それらは線文様で繋がっているような、
グルグルからなにかが放たれているような…。

かなり足を踏ん張っているみたいです。
立つことがこの土偶の〝使命〟であるかのように。

顎の先の穴は何?

見慣れた土偶も、
いつもとは違う角度から見ると
実に新鮮!そして新しい発見があります。
何度でも会いに行きたくなるのは
そこにあるのかもしれませんね。

新年度、新たな気持ちと共に、
ちょっと違う視点を持って廻りを見てみると、
ふっと力が抜けて、
今までと違う景色が見えるかも⁈

*参考資料
縄文土偶ガイドブック 三上徹也 新泉社
日本の土偶 江崎輝弥 講談社

最後までお読みいただき有難うございました☆彡

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