「俺高卒だから…」

【フィリピン・マニラ滞在記 #007
年末年始久しぶりに日本に帰国をした。月日が流れても変わらないモノが沢山あることに気がついた。友達との待ち合わせのために、地元で有名な喫茶店にいた。コーヒーを飲んでいると小学校・中学校の同級生に遭遇した。田舎出身だと、ありがちな幼い頃からの知り合いという奴だ。


【26歳アルバイト】
昔からちょっと変わった奴だったけれど、悩んでいることはまさに同世代が直面していることだった。『最近どう?今、何してるの?』と聞くと、会社を辞めてバイトしてる。バイトしながら、新しい会社を探してるとボソボソと話す。

その友人は仕事で病んでしまって、職を2回辞めてバイトしながら、新しい職を探しているらしい。自分は何が向いているのかわからないと言っていた。同世代ならではの悩みだなぁと思う。沖縄で働くのはどうかと提案してみたが、地元には愛着があるから、離れたくないと言われた。

ただ、彼も地元の町でなく、隣の県で一人暮らしをしていたらしいので、離れてるじゃないかと突っ込んでしまった。住めば都とはよく言ったもので、その新しい場所にも慣れるし、愛着もわくようになる。飛び出してみたら、変わることもあるし、変わらないこともある。

自分の人生を省みると、岐阜→横浜→東京→セブ→マニラと転々とした。それぞれ滞在した期間は違うけれど、それぞれに思い出や愛着がある。そして、これからも転々とすると思う。友人と話していて改めて思ったのが、人はなかなか変わらないということ。ただし周りの環境が、人を変えることがある。

自分を変えることは、難しいけれど、環境を変えることってできる。住む場所を変えちゃうことだ。そうすると、環境が変わるから自然と意識も変わっていく。良くも悪くも変化する。僕は変化することが好きなんだと思う。

【運命=人生を変える】


意識が変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば人格が変わる
人格が変われば運命が変わる

という目にしたことがある言葉が浮かんできた。じゃあ、そもそも「意識」ってどう変えるんだと。変わらない毎日を送っていれば、当然何も変わらない。時間だけが無情に過ぎて行くだけだ。本を読んだり、人に出会ったり、見知らぬ土地に行ってみたり、毎日に新しいスパイスを加えることで意識に変化は起こる。もっと強制的に行うのであれば、自分の今いる環境をガラッと変えてしまうことじゃないかと思う。毎日接するモノが変わるので、当然意識も変わるはずだ。

初めて、親元を離れて、一人暮らしを始めた時は親の有り難みが身にしみた。洗濯ってこんなに面倒なのか。自分の食事を準備するのってこんなに大変なのか。その他諸々あったけれど、カヌーの中で確実に「意識」は変わったのだ。

東京に出た時に、ふとしたきっかけで初めて海外に行った。『ずっと日本で変わらずに生きていく。日本は強い国。』という僕の意識は180度変わってしまった。いつか東南アジアで働くんだという気持ちが僕の意識を色々と変えていった。

そして、セブへ語学留学のために3ヶ月滞在した。色々な人との出会いが、僕の意識をまた変えてくれた。

色々な環境の変化があって、マニラで働いている。自分の意思で環境を変えたこともあったし、思い通りにならず、予想していた環境が変わってしまったこともあった。行った先々の新しい環境が僕に影響を与えた。

【これからも転々と変化したい】
友人の「俺は高卒だから…。」「海外にある会社で高卒の俺をとってくれるわけない」という言葉が違う意味で響いた。学歴を気にしない場所に行けば、それは関係なくなるのだと思う。彼はそういう場所で生きたらいいのにと思った。

身近なところで考えてみると、美容師の人がどこの大学を出たか、どこの高校を出たのか、そんなことは全く関係ないと思う。技術があって、お客さんに価値を与えることができれば良いと思う。学歴が特段関係するようには思えない。

1時間ほど彼と話し込んだだろうか。「かぬーは、変わらないな。興味なさそうで冷たい。でも、色々と話していて気が楽になった。」と言われた。褒められたのはけなされたのかわからないけれど、少なくとも彼が踏み出す一歩の後押しができたのなら幸いだ。

これからも、かぬーは色々なところを転々として変化し続けるのではないかと思う。久しぶりの再会で、かぬー自身も色々と考えるきっかけになった。

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