人生で忘れられない夜はいくつありますか？②

次に15日の夜のことを。地元で唯一今でも連絡を取り合う男友達がいて、2人で飲みに行く予定だったんですけど、彼が声をかけて集めてくれて、小学校時代の友達4人で飲むことになりました。
僕以外に3人いて登場人物が分かりにくくなるので、彼らのイニシャルで呼びますね。ずっと連絡を取り合っていて、今回の飲みをまとめてくれた奴がＫ君、あと2人はＳ君とＴ君です。
S君とT君と僕は小学校時代のサッカーのチームメイトです(Ｋ君はソフトボール部)。Ｓ君とは2年ぶり、Ｔ君とは6年ぶりの再会でした。Ｋ君と僕は大学生、Ｓ君は高校卒業後大手自動車メーカーに就き、今は転職して公務員として区役所で働き、Ｔ君はフリーターで僕の地元の中華料理屋で働いていました。3人がどんな奴だったか話すと、Ｋ君は元気有り余る奴(今もそう)、S君は心優しくて気遣いができる奴、T君はやんちゃでいじめっ子、って感じです。

K君もS君もあんまり変わっていなかったんですけど、T君は変わってましたね。すごく優しくて、できた奴になってたんです。サッカーのチームメイトだったので昔から僕に対しては優しかったですけど、かつて小学校で喧嘩ばっかしてた奴とは思えなかったですね。試合でイラついた相手にキックをかましてイエローカードをもらった奴とも思えなかったですね(これぐらいにしておこう)。両腕にびっしりとタトゥーの入った彼は一見怖そうなんですけど、成長してて、本当にできた奴でした。

店員さんへの態度だったり、僕らへの気遣いが本当にできてて、感心しました。タバコもギャンブルも一切しないっていうのにも驚きましたね。「ギャンブルっていいけどさ、お金も時間ももったいないんよね」って彼が言ったときは、なんだか感動しましたね。僕がまだサッカーをがちで続けていることを話すと、「いやぁ、本気でやっていることにはマジで意味があるしかっこいいよ」って言ってくれるんです。すごくグッときました。ずっと黒板と逆の方向に席を向けて先生の話を一切聞かなかった彼は、確かに勉強ができなかったし、今でもできないでしょう。”どうやるか”よりも、”どう在るか”な気がします。やり方ばかりを気にして生きる就活生を見ることが最近多くなったので、彼の生き様だったり素直な姿勢には学ぶところがたくさんあるなと感じました。

その後も、小学校、中学校時代のアレコレを話して、大盛り上がりしました。
次の日ゴルフがあったのでＫ君は帰宅し、Ｙ君(彼もまた僕ら4人と小学校時代の同級生であり、元チームメイト)を呼び、僕らの小学校時代のサッカーチームの監督が営むスポーツバーに行こう！となったわけです。昔は怖い怖い鬼監督でした。怒られてしょっちゅう泣いてましたね。教え子として当時の監督さんが営むバーを訪れ、みんなでお酒を飲む。生きててこんな素晴らしいことってあるんだって思いましたね。4人のなかで今なおガチでサッカーを続けているのは僕だけで、「今大学のリーグ戦を闘っていると、とてつもない緊張をピッチで感じることがあるんですけど、小学校時代いっぱい怒られて鍛えてもらったのもこの瞬間のためかなって思ったりするんですよね」って話しました。監督が、「もっとやれたことはあるんやけどなぁ」って。自分のサッカー人生における原点ともなる場所に帰ってこれて、なにか大切なものを再確認、思い出せた気がします。

みんなで店を出て解散するときになりました。
T君が、「おい〇〇(僕の名字)、帰ってきたとき絶対誘えよ！！無視するなよ！！」って言うんです。彼は将来、彫り師さんになりたいみたいです。お互い夢に向かって頑張って、また帰省した際は何度でも飲みに出かけよう。

今でも僕をわくわくした気持ちにさせてくれて、旧友には感謝です。
僕の人生において他人よりいいと思うところがあるとするならば、友人のおもろさ、バラエティの豊富さでしょうね。

14日、15日の夜の、なんとも言えない幸せな感じを噛みしめながら、帰りの新幹線に乗りました。故郷は、いいもんです。

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