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これは危険がアブナイ?(8)

 1月に開催された定期総会で「管理会社との委託契約更新」も「新年度事業計画&予算」も「新年度役員選任」も決議されてない可能性が高まったDマンション管理組合!
 今回は・・・定期総会議案書を拝見した感想文パート3です。
 

前回のブログはこちら・・・
  「これは危険がアブナイ?(1)
  「これは危険がアブナイ?(2)
  「これは危険がアブナイ?(3)
  「これは危険がアブナイ?(4)
  「これは危険がアブナイ?(5)
  「これは危険がアブナイ?(6)
  「これは危険がアブナイ?(7)

第4号議案「管理委託契約締結の件」

 管理委託契約(月額:約32万円・税込)については、法定(=「マンション管理適正化法」)で契約前に実施しなければならない重要事項説明の書面や管理委託契約書の管理仕様書を確認できていません。
 特に管理員さんの勤務時間によって委託費は大きく異なるので、断定はできませんが・・・第1号議案「事業報告」や第2号議案「決算報告」を見た印象からは「割高」というより、むしろ「割安」だと思いました。

(月額32万円の委託費の中に含まれている業務)
  ① 事務管理業務       (出納管理の事務)
  ② 管理員業務        (週○回?勤務時間?等々詳細不明)
  ③ 定期清掃業務       (年6回・仕様・清掃範囲:不明)
   ※ 日常清掃業務は管理員担当(兼任)だと思われる
  ④ 消防点検業務       (年2回・法定)
  ⑤ 貯水槽清掃業務&水質検査 (年1回・法定)
  ⑥ 雑排水管清掃業務     (年1回・たぶん各戸の清掃含む)

 ① 事務管理業務と(場合によっては)② 管理員業務は、W管理会社が自社の正社員や契約社員を派遣している場合もあると思いますが・・・
 上記の業務は、W管理会社が元請けとして下請けの協力会社に発注しているのだと思います。
 それにしても・・・やっぱり安いかも?と(無責任に)感じてしまいますね。(あくまでも印象だけです)

 でも、たぶん・・・Dマンション管理組合のW管理会社は、薄利多売(=フロント担当者が平均以上のマンションを担当する等)のスタンスで、かつ管理組合からの工事発注の期待値(目論見)を織り込んでマンション管理受託事業をされている管理会社さんかな?と思いました。

 今後、重要事項説明書を拝見する機会が訪れたら、その時に感じたことを色々とお話したいと思います。(第4号議案は、ここまで!)

第5&6号議案「事業計画案&予算案」

 さてさて、Dマンションの1月定期総会が散会に追い込まれた原因である「新年度の事業計画案と予算案を見ていきます。

 おお!盛りだくさん!!
 定型の日常管理業務に加え・・・主には5つの事業案が掲げられていました。

(5つの事業案の中身)
 ① 11月1日満期のマンション総合保険の更新
 ② エレベーター・リニューアル工事実施
 ③ 泡消火器の更新(液漏れが発生し結局更新することに)
 ④ 非居住組合員の(役員免除&通信経費見合いの)協力金の設定検討
 ⑤ 自転車置場の漏水調査検討(どうやら以前からの継続課題らしい)

 なお①と②と③は、予算案にも支出が記載されており・・・「理事会一任にて執行する」旨が記載されていました。

「幕の内弁当」じゃないんだから・・・

 これらの議案を見た時に思った言葉が「幕の内弁当」でした。

 ④と⑤は「検討を継続する」という内容で・・・「予算」も何も付いていないのでスルーしますが・・・①、②、③は、予算が付いてます。

 なお③「泡消火器設備の更新」は、(何も記載がないのですが)たぶん前年度に臨時総会が開催され可決承認されたようです。
 その手続きが適正ならば、たぶん問題は無いと思いますが・・・いきなり登場した①と②の事業は、手続き(=合意形成のプロセス)に問題があると思います。

 ①「マンション総合保険更新」と②「エレベーター更新」といった事業は、拠出する金額が大きいだけでなく、各々に理事会等で精査した仕様等の確認(承認)が絶対に必要だと思うからです。
 2つの事業共に・・・独立した議案として総会に上程し、審議すべきです。

手続き(プロセス)に問題がある理由

 つまり・・・①や②の実施に反対する人は、(①や②が織り込まれた)新年度の「事業計画」や「予算案」に(部分的に)反対したいはずです。

 でも・・・総会は、上程された議案に対して「YES(承認) or NO(廃案)」を決める場で、原則的に部分的な反対はできません。
 つまり・・・組合員は(新年度事業の執行ができなくなるリスクを鑑みると)部分的に承服し難い事業内容であっても賛成せざるを得ないのです。

 「幕の内弁当」的な事業計画案&予算案は、部分的に反対であっても反対が難しい・・・つまり、どんな(不誠実な)議案を出しても総会に上程さえすれば、承認されてしまうのです。

 こうしたロジックは、フロント担当者ならば容易に想像できる(というか当然に知っている)ことです。

 たぶん当人(=フロント担当者や管理会社の上席)に、こうした疑問をぶつけると・・・「議案を分けることが面倒だったから(シンプルな議案構成で良いと思って)」とか「これまでの慣例に習って」みたいな回答が返って来そうです。でも、これはホント言語道断!

 こうした「幕の内弁当議案作戦」を常用して、管理会社が主導的に総会議案書を作成して来たとしたら、それは悪質かもなあ・・・と思います。

 たぶん・・・ちなみにDマンションの1月定期総会が途中散会となった原因は、「幕の内弁当議案作戦」で総会議案が構成されていたからではないのでは?と思います。
 その真の原因は、そうした「幕の内弁当議案作戦」を常用してきた背景というか、根底にあるものというか・・・
 要するに・・・管理組合が管理会社のスタンスに対して不誠実と感じてきた説明&提案不足による不満が長年うっ積した結果では?と思います。

 今回は、ここまで!
 次回は、①「マンション総合保険更新」と②「エレベーター更新」の事業について感じたことをお話しします。  (つづく

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