これは危険がアブナイ?(2)
3月上旬に「エレベーターの更新」について相談に来られたN理事長・・・
でもNさんのお話を伺っていると・・・ビックリ!!
Nさんヤバイっす・・・「エレベーター更新のことを教えて!」レベルの話ではなく、1月に開催された定期総会で「管理会社との委託契約更新」も「新年度事業計画&予算」も「新年度役員選任」も決議されてないかも?
管理会社との委託契約も・・・切れてるかも!( ̄▽ ̄;)
本題の前に・・・
私の相談を受けるスタンス
相談をお受けする時は、相談者から話を伺うことが8~9割で・・・最後に一般的な(総論的な)アドバイスを行って終わるパターンがほとんどです。(相談者のお話を聴くだけで終わることも多々あるかも?)
専門家に相談したからと言って相談者の悩みが解決するとは限りません。
ですが、大してアドバイスができなかったのに・・・私が話を聴いたことで相談者の気分が晴れて「相談して良かったです。ありがとうございました」とお帰りになる方も多いです。
明確な回答をアウトプットできるような相談内容ならば良いのですが・・・そんな相談は少ないし、相談者は何よりも「私の話を聴いて欲しい!」と思っておられるように感じます。(答えを聞くより「オレの話を聴け~!」みたいな?)
いずれにしても、相談者は話をすることで・・・ご自身が問題の整理もできるし、改めて問題や課題の「振り返り」ができます。
個人的に「これが相談対応のキモ!」だと思っています。「相談者の話を真摯に聴くこと」がもっとも大切だと思いますが・・・実は、これって超大変で難しいです。
変にアドバイスすると・・・
相談内容に回答しても、相談者の心に響かない場合(例:「そんなことは分かってるわ!」「確かにそうなんだけど・・・」とお感じになる等)もあります。
そもそも・・・問題解決には当事者双方(全員)が、痛みを伴なう(身を切って骨を断つ!的な)ケースも多いので、迂闊なアドバイスはできないことが多いなと思います。
意外に多い「承認欲求パターン」
「自分の主張や行いに対して(専門家や第三者に)肯定して欲しい!太鼓判を押して欲しい!」と思って来られる相談者は、意外に多いです。
でも「算数」のように答えは1つではないし、お帰りになった後に「マンション管理士にお墨付きをもらった!」と自身の正統性を主張すること等に使われても困りますので、気を遣うことも多いです。
やっと本題(笑)
前述のとおり・・・相談の場はアドバイスするにしても「総論」的なアドバイスに留めます。
基本的に・・・個別具体的な(「各論」的な)アドバイスは行わないし、相談の場で具体的なアクションを取るということ間違ってもないのですが・・・
今回は、間違いを起こしました。(笑)
Nさんのマンション管理組合が置かれている危機的な状況を目の前にして・・・取り敢えず事実確認のため、Nさんの前で管理会社のフロント担当者の上席に電話を入れました。
フロント担当者の上席者との通話内容
Nさんにも音声が聴こえるように、私の携帯電話の通話モードを「スピーカー」にして管理会社に電話をしました。
フロント担当者はご不在で、上席者Tさんがお電話口に出られました。
その時に交わした会話は・・・以下の通りでした。
上席者に私が伝えたこと
御社が管理を受託されているDマンションのN理事長が「エレベーター更新の件」で相談に来られており、現在Nさんは私の目の前におられます。
N理事長のお話を伺っていると・・・1月に開催された「定期総会」が途中散会となり、未決議の議案があるようです。
未決議議案の中には、今年2月末日に契約満了するD管理組合と御社との「管理委託契約の更新に関する議案」も含まれているようなので、確認のために電話連絡をしました。
N理事長は、総会前に実施された(契約する前に実施が法律で義務付けられた)「重要事項説明」終了時に書類に記名押印したので、管理委託契約が更新されたと勘違いされていたようです。
でも現状は、委託契約の更新が無い状態で(少なくとも)「事務管理業務(出納管理を含む)」や「管理員業務」が行われている可能性が極めて高いと思われます。
Dマンションとの委託契約では、支払一任方式(=管理組合の預金口座からの出金を管理会社に一任する方式)による「事務管理業務」になっているので・・・これは異常事態ではないかと思います。(「明らかなマンション管理適正化法違反でっせ!」とは言わんかったけど・・・)
いずれにしても・・・これが事実なら非常にマズイと思います。
もし、そうならば(契約後に総会で認めてもらう)追認決議による「(たぶん期間が3月間の暫定契約締結」や(1月の定期総会をやり直す)「臨時総会再招集」等の手続きを早急に進める等の手続きが必要になると思いますので、ご確認くだいませんでしょうか?
上席者Tさんの返答
それは、ご心配をお掛けして申し訳ございません。フロント担当者(Hさん)からは、何も聞いておらず全くの「寝耳に水」でした。大変にお恥ずかしい限りです。
もし、お話のとおりならば・・・大変申し訳ないことになっていると言わざるを得ません。いずれにしてもHから報告を受けます。
そして管理組合様にご心配やご迷惑をお掛けしないよう善処したいと思います。N理事長には、できる限り早く連絡をいたします。
本日は、わざわざご連絡を頂戴し、誠にありがとうございました。N理事長にもよろしくお伝えください。
それからそれから・・・
まあ、実に丁寧な電話対応でしたが・・・フロント担当者へのマネージメントは、全くダメダメだと思いました。(管理会社の良し悪しとは別問題だけど・・・)
Tさんとの電話を切った時、Nさんからは「うわ~電話していただいて、ありがとうございます!助かります!!私は何も分からなくて・・・でも、少しホッとしました。本当にありがとうございます!」と謝意の言葉をいただきました。
「Nさん(2024年から無くなる部品が出てくる)エレベーター更新よりも優先順位の高い問題があるので、まずは新年度の事業計画と予算、そして管理委託契約の更新の(できる限り早い)総会決議を取ってください。もし何かあったら、電話でもメールでも良いので相談してくださいね」と言って相談を終えたのですが・・・
相談後も「大丈夫かなあ」と心配が尽きない感じがしていました。
そんな気持ちが、何となく拭えない感じが続いていた中・・・相談が終わって、ちょうど1週間後、Nさんから私の携帯に連絡がありました。
(つづく)
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