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退職完全マニュアルnote


このマニュアルは退職に悩むあなたのために書きました  


「もっといい給与のところで働きたい」
「本当に嫌な上司がいてどうしようもない」
「入社してみたけど、自分がやりたいことをやれなかった」

さまざまな思いで退職を希望する方は多いと思います。

ですが、退職したい場合に「なかなか退職できない」という悩みを持たれる方もまた多いのではないでしょうか。

「退職したいと言いにくい」
「正社員なのにそんなに簡単に辞められないでしょ」
「上司が退職を許可してくれない」

このような退職の悩みに対する「処方箋」を書いたのがこのnoteです。

【もくじ】
・軽く自己紹介をさせてください
・大前提として、退職は自由だし一方的でいいんです
・あなたは賃貸借契約を解約するのに悩みますか?
・でも会社に何を思われるか何をされるか
・ちょっと待った!退職代行サービスについて
・退職の意思の伝え方
・会社が退職届を受け取ってくれない場合
・退職届を出したあとの二週間を無断欠勤できるか
・無断欠勤について脅しをかけてくる会社にビビる必要はない
・退職届を出したあとの二週間について給与をもらいながら会社を休む方法
・会社が怒って給与を払ってくれなくなった場合
・離職票の手続きを行なってくれない場合
・嫌な会社に縛られる人生を変えるために

軽く自己紹介をさせてください 

こんにちは。弁護士のかんねこと申します。

弁護士を10年続けてきて、今年になってはじめてオフラインでの仕事以外でも誰かの役に立ちたいと思うようになりました。

そこで、ツイッターで特に労働問題に関する法律情報を発信するようになりました。例えば、このような感じで。



その相談のなかで一番多かったのは労働に関する問題で、とりわけ目立ったのが「退職」に関するトラブルでした。

そこで、退職の知識や考え方を正確に伝えたいと思い、今回のnoteを作成しました。

なお、このnoteでいう労働者は、期間の定めのない労働契約で働く労働者(典型的には「正社員」)を想定しています。

大前提として、退職は自由だし一方的でいいんです

「退職なんて自由にできるの?」
「上司の許可がなかなかおりなくて」

そう思う方もいらっしゃると思います。

ですが、退職は自由にできます。ここで、法律(民法)を確認してみましょう。

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六二七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

ごく一般の会社員の場合には、この規定が適用されます。

ですから、

① いつでも解約の「申し入れ」ができ
② 申し入れをした日から二週間を経過すると契約が終了する

のです。

ポイントは「いつでも」申し入れができるということ。理由は問われませんので、ただ「辞めます」と言えばいいんです。

また、やめるのに会社の許可は必要とされていません。申し入れの日から二週間で契約は自動終了です。

よって、あなたは「上司が辞めさせてくれない」と悩む必要はないのです。

一方的に辞めることができるのですから。
そう、恋人を一方的にふるように。

あなたは賃貸借契約を解約するのに悩みますか?

さて、ここまで書いても次のような反応があるかもしれません。

でも、会社に迷惑をかけちゃうから

ですが、もともと法律上自由に解約できる契約を解約することで悩むべきではありません。例えば、賃貸借契約も自由に解約できます。

(期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ)
第六百十七条 当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。

このときに、あなたは「大家さんに迷惑をかけちゃうから解約できない」って思いますか。思いませんよね。

法律上、労働契約も同じ構造なんですよ。悩む必要はありません。

もし、あなたが「会社に迷惑をかけてはいけない」と強く思っているのであれば、それは学校教育か会社に洗脳されているからです。

辞めると「会社に迷惑」と言いますが、辞めたいと思いながら働き続けるほうが実は会社にとって迷惑です。なにより、そのような会社で働く人生を続けるという選択は「自分に迷惑」をかけていないでしょうか。

ここまで申し上げても「でも…」と思うのであれば、あなたは本当は会社を辞めたくないのかもしれません。もう一度「辞めたいか」どうかを考えてください。

考えてみて「辞めたい」という気持ちに変わりがなければ、どうか「自分に迷惑」をかけない選択をしてください。

でも会社に何を思われるか何をされるか

とはいえ、怖い会社であればあるほど、悩みますよね。「会社が何をしてくるかわからない」という恐怖心もあるでしょう。

ですが、先程申し上げたとおり、退職の意思を伝えてから二週間経過すれば労働契約は自動終了です。

二週間ですよ。「辞めたい」と思いながら仕事を延々と続けるくらいなら多少の「居心地の悪さ」は我慢しましょう。しかも、あとで申し上げますが、条件が整えば、この「二週間」さえ働かなくて済む方法もあります。

また、会社はあなたが退職することになってもあなたを攻撃することはできません。労働法はあなたを守ります。「退職」に関して言えば会社は法律上弱い立場にあります。安心して退職の意思を伝えましょう。

ここから先は「どうやって退職の意思を伝えるか」という具体的な方法から、退職の意思を示したあとに会社から想定される圧力からあなたを守る知識をお教えします。

ちょっと待った!退職代行サービスについて

さて、退職の意思を伝えにくい場合を想定して、最近は「退職代行サービス」というものが話題になっています。

退職代行サービスができるのは、あなたに代わって退職の意思を伝えることだけです。

もちろん、このサービスを使っていただくのは自由ですが(業者側の言い分によれば、このサービスで退職できた方も相当数いるとのことです)、サービスに限界があることを理解しておいてください。

まず、退職代行サービスがあなたに代わって退職の意思を伝えても、会社がそのあとあなたに連絡することは自由です。

そもそも、法律上、会社が退職代行業者と話をする義務はありません。会社が代行業者の担当者に対して「本人としか話さない。何の契約関係もないあなたと話す義務はないはずだ。」と言えば、それで代行業者は手の打ちようがなくなります。

また、文字通り退職の意思を代わって伝えるだけの代行業者は、法律上の紛争についてあなたを代理して交渉することはできません。そのような行為は「非弁行為」として厳しく規制されているのです。

(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

したがって、弁護士ではない代行業者が例えば次のような問題にぶつかった場合にも、代行業者は手を打てなくなります。

①退職の意思を伝えたら会社が「懲戒解雇にする」と言ってきた
②会社が「それまでの給与を払わない」と言ってきた
③会社が離職票を発行しないと言っている

実際に、私は「退職代行業者に頼んだら会社が「懲戒解雇にする」と言ってきた。代行業者は「私たちは対応できませんので他のところに相談しにいってください」とサジを投げた」という相談を受けたことがあります。

利用する場合には、そういう可能性も一応想定はしておきましょう。

そもそも、退職の意思を伝えた場合のあなたの振る舞い方としては2つのパターンがあります。

①退職の意思を伝えたあとにバックレる
②退職の意思を伝えてから2週間は勤務する

②の場合、退職の意思を伝えたあとも2週間は会社の上司と顔を合わせるのですから自分で退職の意思を伝えたほうがよいと思います。

代行サービスを使うことで「あいつ、代行サービスを使ったらしいぞ」という噂が立つと余計に過ごしにくくなるでしょう。

①の場合でも、退職の意思を伝えてバックレるのであれば(バックレるのがいいかどうかは別として)、わざわざ退職代行業者に費用(数万円)を払って退職の意思を伝えてもらう必要はないように思います。

面と向かって退職の意思を伝えるのが難しいという方もいると思いますが、退職の意思は書類で示せば十分です。

退職代行サービスでも退職届はご自身で書いて郵送するものとされています。

前述のとおり、退職の意思を(書類ででも)示してから二週間経過で労働契約は自動終了です。

退職代行サービスを使うことに直ちに異論を唱えるつもりはありませんが、果たしてあえて費用を払ってサービスを利用する意味が本当にあるのかは考えたほうがよいでしょう。

退職の意思の伝え方

退職の意思の伝え方は簡単です。
「退職届」を書き、それを会社に渡すだけです。

書く内容はシンプルでいいです。

                         退職届
◯◯株式会社  人事課 御中
このたび一身上の都合により平成◯年◯月◯日をもって退職することといたしましたので、民法627条1項に基づき、本日、労働契約について解約の申し入れをいたします。
平成×年×月×日
氏名  ◯◯◯◯  (印鑑)

平成×年×月×日にはこれを届け出る日付を、平成◯年◯月◯日には二週間後の日付を入れてください。

「退職したいと思います」という言葉を添えてこれを渡すだけで十分です。二週間経過後には労働契約は終了します。

先程述べたとおり、会社の許可がなくても労働契約は終了しますから、二週間後にはあなたは会社にいく必要がありません。

会社が退職届を受け取ってくれない場合

しかし、ブラック企業では会社が退職届をすんなり受け取ってくれないとか、受け取ったけれども「そんなものはもらっていない」などと開き直られる可能性が否定できません。

そのような場合に確実に退職の意思を示す方法をお伝えします(かなり高い確率で会社の拒否が想定されるなら、はじめからこの方法を使ったほうがいいかもしれません)。

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退職完全マニュアルnote

かんねこ(弁護士、社会福祉士)

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かんねこ(弁護士、社会福祉士)

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