不安でたまらない人が不安に立ち向かうために
今日は,小学生のとき不安に苛まれて2年間学校で全く話せなかったわたしが,不安に立ち向かうための考え方を書いてみます。
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何かをやるにつけて不安になる人って多いと思います。
そして,そういう人の気持ちがわたしにはよく分かる。
わたしもそういう傾向があるから。
内向的だったり,人付き合いが苦手だったり。
そういう人にとっては,例えば,インターネットで発信すること自体,すごく勇気がいります。
他の人が当たり前にしていることに,すごく不安を抱えていたりするんですよね。
その不安ってたいていの場合には,本人が自分で作り出したもので,実は「杞憂」だったりすんですけど,本人のなかでは「不安」は頭のなかにびっしりと苔のようにこびりついているから,なかなかとれなかったりするのです。
わたしは小学生の一時期2年間,学校で全く話せませんでした。
専門的には「場面緘黙症」と呼ばれるものかなと思っているんですけど,とにかく学校で話すことに対する不安が強かったのです。
学校で国語の教科書の朗読を求められても音読できませんでしたし,もちろん友人(まあ,そもそも友人がいませんでしたが)とも話せない状況です。
修学旅行で名前を呼ばれても,返事をすることさえできず,指でベッド柵を叩いて返事をするという有様。
でも,家で家族とは話すことができたのですよね。
当時,何に怯えていたのかはわかりません。
でも,とにかく不安だったことは覚えています。自分の声を聞かれることが嫌でした。音楽の時間の合唱。ちょっと小声で歌っていることが他の生徒にばれたとき,「わー,●●が声出してる」ってクラス中が大騒ぎしたんですよね。それで,ますます声が出せなくなりました。
でも,2年間がすぎたあるタイミングで,学校で「えいやっ」ってとりあえず,わりと好意的に接してくれていた一人の生徒と声を出して会話をしました。会話が楽しかったんです。
その後,だんだんと会話が続くようになり,自然にわたしは「話せる人」になったんです。
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森田療法っていう心理学の考え方があります。
ざっくばらんに言えば自分のあるがままを受け入れながら自分を変えていくというものなんですけど,そのなかに,「予期不安」と「恐怖突入」ってキーワードが出てくるんです。
「予期不安」とは自分のなかで作ってしまう不安。
行動を起こせなくなる原因。
そういうときに必要なのが「恐怖突入」
不安であることは認めたうえで,あえてその不安な状況に入ってみること。
あえて「恐怖突入」することで,「予期不安」が杞憂だったと気づくこと。
皆さんもありませんか。
ずっと不安だったことが,やってみたら「あの不安はなんだったんだろう」って感じたことが。
2年間全く話せないところから1歩話した小さなわたしは,確かに「恐怖突入」したんだと思います。
そして,これまで感じていた不安が「予期不安」であることを知ったんです。
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でもわたしは不安な人の気持ちもよくわかるから,「とにかくなんでも恐怖突入しなさいよ」なんてメッセージを発することはできません。
熱いお湯が苦手な人に,いきなり熱いお湯に入れと言うこともできません。
でも,お湯に入ったほうが楽しいときに,いつまでもお湯に入れないのは悲しいことも知っているから,わたしなら,悩んでいる人にこう言う。
「ぬるま湯から入って,だんだん温度を上げていこう」
これならできる気がしませんか。
小学生のわたしが話せるようになるためには,わりと好意的に接してくれていた一人の生徒との会話からはじめるしかありませんでした。
それは,ぬるま湯かもしれません。
でも,ぬるま湯であっても,何もしないよりはいい。そこから温度を上げていくことができるんです。
たとえば,インターネットでの発信に足がすくんでいるなら,自分で発信するのは後回しにして,「いいね!」をおしたり,リツイートしたり。そこからはじめてみる。慣れてきたら,一言二言つぶやいてみる。あるいは,写真だけでもアップしてみる。
noteユーザーの場合,あまり発信に不安を持つってことはなさそうな気がしますけれども,自分のなかで「あれ,不安だな」と思っていること,1つくらいはあると思うんです。そういうときに,いきなり不安の本丸に飛び込んでいく必要はなくて,できることからやっていくだけでいいんだ,という考えを持っておいたほうが楽だと思います。
不安なときは,その感情に罪悪感をもたないようにしてください。
その感情を持つのはあなたの個性です。
感情を認めたうえで,自分にとっての「ぬるま湯」になる行動から試してみる。
「ぬるま湯」に入れたらだんだん温度を上げていきましょう。
世の中には,いきなり高熱風呂に入っちゃえみたいなメッセージもたくさんありますけど,きっと,入れなくて苦しんでいる方も多いと思うのですよね。
そういう人に,わたしは「まずはぬるま湯でもいい」と伝えたいのです。
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