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かんなさんの自伝

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#自伝

第12話 初めてのパッケージ撮影 前半

第12話 初めてのパッケージ撮影 前半


現場へ向かう道中は緊張で車酔い

 3月下旬。もうすぐ4月なのにこの日は少し寒かった。今日はついにAVデビュー作のパッケージ撮影である。
 現場へ向かう車の中で、山中さんは「体調どうですか?昨日は寝られましたか?」とたくさん気遣ってくれた。そして撮影について説明してくれた。

「今日はパッケージ撮影だけなので、そんなに遅くまでかかりません。普段の撮影はパケ撮(パッケージ撮影)とV撮(AV撮影)を

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第11話 初めてのAV撮影までの余裕のない日々

第11話 初めてのAV撮影までの余裕のない日々


AV女優の引退後を心配して苦しむ

 マドンナとの契約を済ませると、私の気持ちは少し落ち着き、不安で眠れなくなる夜もだいぶ減った。

 しかし、たまに<AV女優 日常>や<AV女優 引退後>などを検索して、パンドラの箱を自ら開けてしまうことがあった。まだデビューもしていないのに、”AV女優で売れなくなったら、その先どうやって生活していこう”と不安になり、ネットに答えを見つけようとしてしまうのだ。

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第10話 所属メーカー決まる 私は女優になる

第10話 所属メーカー決まる 私は女優になる


藤かんなは『マドンナ』専属女優になる

 2月下旬。夕方、会社から家に帰る途中、電話が鳴った。社長からだった。
「おめでとう!決まったよ!」
社長は開口一番そう言った。”なんのことや?”と私は足を止めた。

「AVのメーカーが決まった!マドンナで専属。・・・」
 どうやら私は『マドンナ』の専属女優としてAVデビューすることが決まったらしい。

 それから社長は電話上で、マドンナが提示した、契約期

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第9話 藤かんな世に出る そして決断する

第9話 藤かんな世に出る そして決断する


藤かんな初の『週刊ポスト』掲載!

 年が明け、1月、私は藤かんなのTwitterを開設することになった。これまでSNSをほとんどやってこなかったので、エイトマンの誰かが動かしてくれないかなと、期待した。
「Twitter、私が動かしていいんですか?」
あくまでも、表向きの自主性をアピールしつつ、社長に聞くと、
「うん!やって!」
期待に反した返事がきた。残念。

 2月7日。ついに私のグラビア

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第8話 奇跡のグラビア撮影 後半

第8話 奇跡のグラビア撮影 後半


奇跡の”白鳥”との出会い

 私は、真っ赤な服を着させてもらい、外に出た。天気は快晴。12月も下旬だったが、その日はあまり寒くなかった。
"私、ついてる"

 洋館近くに小さな湖があり、まずそこで撮ることになった。湖へ行くまでの間、西田さんは色々な角度方向から、私の写真を撮った。昔、家族で出かけると、父があちこち動き回り、写真を撮っていたことを思い出した。

 湖に到着し、私たちはある生き物に遭

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第7話 奇跡のグラビア撮影 前半

第7話 奇跡のグラビア撮影 前半


西田幸樹さんとの出会い

 12月下旬。明日はグラビア撮影だ。仕事を定時で切り上げて、新幹線に乗り、東京へ向かった。緊張のせいか新幹線で酔った。ホテルに着いても、私はちっとも眠れなかった。
 
 グラビア撮影当日、朝4時起床、5時ホテルを出発。"グラビア撮影ってこんなに朝早いんだ。てかまだ夜やな"。
 この日も社長が同行してくれ、集合場所までの道中、カメラマンの『西田幸樹さん』について教えてくれ

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第6話 AV女優への決意揺らぐ そしてグラビア

第6話 AV女優への決意揺らぐ そしてグラビア


 メーカー面接が終わり、日常に戻った。

 朝6時半に起きて、会社へ出勤。8時半に始業のチャイムが鳴り、メールチェック、他会社との面談、会議の資料作り・・・。恐ろしいほどいつも通りの日常だった。しかし、仕事には全く身が入らず、私は終業のチャイムとともに、いや、少しフライング気味で退社した。

父が言う「転職は今じゃないぞ」

 週末、久々に実家へ帰った。特に用事はないが、なんとなく安心できる場所

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第5話 メーカー面接巡り 2日目

第5話 メーカー面接巡り 2日目


 11月中旬、メーカー面接巡り2日目。この日もまず、メイクスタジオでメイクをしてもらい、面接に向かった。

AV女優になることが不安になった1社目

 1社目。年季の入った小さなビルの2階だった。面接官はおそらく食べることが大好きそうな体の大きいおじさんだった。面接は動画を撮りながら行われた。
 序盤はこれまでのように履歴書に沿って、「へー大学院卒の理系なんですね。インテリ理系ってエロいよねー」

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第4話 メーカー面接巡り 1日目

第4話 メーカー面接巡り 1日目


エイトマンマネージャー『山中さん』との出会い

 11月中旬、朝、5時起床。私はキャリーケースを引いて新幹線に乗った。

 10時、東京駅に到着。ここでエイトマンのマネージャーなる人が迎えにきてくれる予定だった。名前は『山中さん』。もちろん初対面なので、私はとても緊張していた。というか怯えていた。
”身長180センチ超え、褐色肌のマッチョで、11月でも白のTシャツ1枚だけ、みたいな男性が来るのか

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第2話 エイトマンの面接、『藤かんな』の誕生

第2話 エイトマンの面接、『藤かんな』の誕生


エイトマン社長との出会い

 9月中旬、14時、面接3社目、エイトマンである。
 場所はエイトマンの大阪事務所だった。面接官とどこかで待ち合わせることはなく、直接、事務所へ行った。この日の私の服装は、ノースリーブのニットセーターに、スキニージーンズ。クールめデート服だ。

 事務所に入ると、男性が出てきた。
「そこ座って、机の上の履歴書、書いて待ってて」
 私は履歴書を書いた。3回目の履歴書なの

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