わんだろうのこころ

ストア派見習い、本業は薬剤師。

わんだろうのこころ

ストア派見習い、本業は薬剤師。

マガジン

  • 推しの哲学者セネカについて、たぶん1000文字前後で語る

    「我々は日々死んでゆく」―セネカ師匠のことばを紹介しつつ、関連することがらについて思いつくままに書いたもの。

  • 夢日記

    あまり夢を見ないので、見たら書き留めておく。

  • 薬局の本棚

    薬局に立ち寄った方に手に取ってもらいたい本を、関連する疾患ごとに紹介します。

  • 仕事とローマとリタイア願望

    週40時間以上、約30年間働いていると、思うことがいろいろあるので書いてみた。

  • 深そうなことを言う選手権

    別に読んでも損はしないけど、そんなに深いことは言っていない(と思う)。

最近の記事

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セネカ読書案内【導入編】

約二千年前に活躍したローマの哲学者、ルキウス・アンナエウス・セネカ師匠の名を広める目的で、noteを書いています。これも推し活? 「シロートのnoteはもういいから、ちゃんとした本でセネカについて読んでみるわ」とお思いの方にも、そうでない方にも… これから、セネカ関係のおすすめ本を、【導入編】【基本編】【応用編】の、三回に分けて、紹介していきます。興が乗ったら、【番外編】とかも書くかも。 セネカ読書案内【導入編】  ◆セネカ推しの人たちの本 三選◆㈠ ローマの哲人 セネカ

    • 『デュルケム「自殺論」を読む』を読む(安楽死考#2)

      デュルケムの自殺論。 現在自分の中でもやもやしているテーマのひとつ、〈安楽死〉について考える材料になればと思い読んでいったところ、♪BINGO♪でした。 (デュルケムに関しても社会学に関しても基本的な知識がないので、訳者の方が書いた本なら間違いないと判断して、岩波セミナーブックス、講義形式のこちらをセレクト。) それにしても、本ってすぐに買えなくなる…(涙) けど図書館にはたいていあるので(ありがとう)、ブックオフオンラインで入荷待ちしつつ、とりあえず市立図書館で借りて読

      • 安楽死についての本を読んだ(安楽死考#1)

        最近こんな本を読みました。 はい、これはドイツの戯曲なんですが。 妻に先立たれ、生きる意味を見出せなくなった78歳の男性。肉体的にも精神的にも健康な状態だが、医師による安楽死を希望している、という設定。 彼の意志を尊重して致死薬を与えるべきか? …っていうけっこうハラハラドキドキの緊迫した内容。 舞台はドイツ倫理委員会の討論会会場。 法学、医学、神学の各分野から参考人が招かれ、主人公のホームドクター、顧問弁護士も交えて活発な議論が交わされる。 ※ for your In

        • 人生の折り返し地点を過ぎて(後編)

          こんな、何者にもなれず、最初から最後までわけのわからない、そして、取り返しのつかない人生。 どうやって生きていけばいいのか? たとえば、ゲーテのこんなことばはいかがでしょう? おおーー。 お偉いゲーテさんみたいな成功者だから言えるセリフやんけ。と思わないでもないけれど。 全部を自分がやる必要はない。 そう思えれば、ずいぶん楽になる気がする。 ゲーテがお嫌いなら、こちらはどうでしょう? そう、自分は目の前に石をひとつ積めばいい。 例えば、遠方にいる自分の親や祖父母に、頻繁

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        セネカ読書案内【導入編】

        マガジン

        • 推しの哲学者セネカについて、たぶん1000文字前後で語る
          8本
        • 夢日記
          21本
        • 薬局の本棚
          6本
        • 仕事とローマとリタイア願望
          8本
        • 深そうなことを言う選手権
          4本
        • 必ずやってくる死について、日々の読書から考える
          6本

        記事

          人生の折り返し地点を過ぎて(中編)

          前編では、〈人生のわけのわからなさ〉を描いたのがカフカだ、と書きましたが… 一方、今年亡くなったポール・オースターは、〈人生のとりかえしのつかなさ〉を描いた作家だと思っている。 オースターの作品で人気No.1は、やっぱり『ムーン・パレス』なのかな。わたしが好きなのは、『最後の物たちの国で』、『偶然の音楽』。 じつは最初に読んだのが『写字室の旅』だったという、不案内すぎる読者で申し訳ない。。 (『写字室の旅』では、いままでオースターの作品に登場した人物が、オースターと思しき

          人生の折り返し地点を過ぎて(中編)

          人生の折り返し地点を過ぎて(前編)

          …というタイトルにしておいて何ですが、「折り返し地点」というのもおこがましいよね。今日人生終わるかもしれないし。 ここは目くじら立てず、平均的な人生の長さの半分くらいということで、しばしお付き合いください。 村上春樹の小説で、主人公が三十歳だか三十五歳だかで、「折り返し」と決めて行動するという話があった。歯医者に行って歯のメンテナンス、ジムで体のメンテナンスを始める、みたいな。いやー、村上春樹っぽすぎる。けど。 まずは身体的な問題に取り組む、というのは実際のところ正しいので

          人生の折り返し地点を過ぎて(前編)

          夢日記#18 仕事のあとで

          こんな夢を見た。 みんな忙しく立ち働いている。うつむいて書類を書いたり、二、三人で固まって意見を交わしていたり。 定時になった。 わたしは「お先に失礼します」と声をかけて帰ろうとするが、事務所が広くて何か所にも人がいるため、何度も挨拶して頭を下げながら出ていかなければならない。 おまけに、階段を下りているとき、早く帰りすぎだとかなんとか、嫌味な男性社員に絡まれた。 どうにか抜け出したわたしは、雑草がぼうぼう生えた空き地で、木のベンチに知らない人と並んで座っている。色白で坊

          夢日記#18 仕事のあとで

          薬局の本棚🔹認知症(2)

          はい、認知症その2です。 この小説は、認知症っていう括りで紹介するのが適切かと言われると、ちょっと違うとは思うんだけど… なんの説明もなく、大きめの病院で診察の順番を待っているらしき女性のひとり語りで、いきなり始まる。 付き添いのヘルパーさんを「みっちゃん」と呼んでいるが、その人がみっちゃんなのかと思って読み進めていくとどうも違うらしい。 よくわからないまま、でも「カケイさん」と呼ばれている主人公のとめどないおしゃべりにつられて、どんどんこの世界に連れて行かれる。 あ

          薬局の本棚🔹認知症(2)

          薬局の本棚🔹認知症(1)

          薬剤師が紹介する、病気に関する本。 今回取りあげたいのは「認知症」です。わりと、なりたくない病気No.1に選ばれがちな疾患。 でも、「認知症」って、いわゆる"病気"ではない、ということをご存知でしたか? そもそもの定義から、 通常の「老化」と、「認知症」の区別、認知症に似た症状をきたす他の疾患との違い、認知症の人の一見異常にみえる行動の理由などなど、しっかりと書かれている本です。 また、漫画のほうも、可愛い絵柄ながらリアルな認知症本人と家族の体験談で、自分ごととして予習

          薬局の本棚🔹認知症(1)

          人は生きてきたように話す。 無意識の偏見を撒き散らして。 無邪気に、 いつか誰かにもらった物差しを取り出して、 安全な場所から。 その薄っぺらい氷片のような言葉は、 ひとを切りつけたあとも溶けて消えはしない。 ひとの心のなかで泥水となる。

          人は生きてきたように話す。 無意識の偏見を撒き散らして。 無邪気に、 いつか誰かにもらった物差しを取り出して、 安全な場所から。 その薄っぺらい氷片のような言葉は、 ひとを切りつけたあとも溶けて消えはしない。 ひとの心のなかで泥水となる。

          息子に教える、人を動かす仕事術

          実話です。 我が子が中学生のときのこと。 グループ学習で、班ごとに調べものやら意見交換をして、成果を模造紙にまとめ、発表する。という授業があった。よくあるやつですね。 めずらしく、わたしに愚痴ってきた。 「ぜんぜんうまくまとまらん」 と、息子。 「いい意見がなかなかでないし、ちゃんと参加せんやつおるし… 一人でやったほうが絶対早いし良いものができる」 あーー、そうだろうね。 アナタが一人でやったほうが完成度は高いだろうとアタシも思うよ。 でもね、その授業では「なるべく良

          息子に教える、人を動かす仕事術

          他人に託す勇気

          お仕事トーク。というかまたまた店長トークです。 最近、おおごとではないんだけどなんか微妙にトラブってるというか、うまくいってない店舗がちらほら。 店長が、仕事できすぎちゃうパターン。あるあるですが。 なんで店長のAさんだけが毎日〈遅番〉なんだろう? とか、 残業が多すぎるらしいけど、Bさんだけ?社員三人いるけど? みたいなね。 三十年弱の社会人経験からしみじみ思うのですが、 『(職場に)私がもう一人いればいいのに』 と思ったら危険信号だよ。 いっぱいいっぱいになってませ

          ナンバープレートを読む 〜たのしいナンバープレート#2

          ついつい、道行く車のナンバープレートを〈読んで〉しまう話。 たとえば、「4649」を「ヨロシク」と読むみたいな、他愛もない遊びです☆ 先日アップした記事はこちらから。 それでは、最近新たにみつけた、たのしいナンバープレートを報告します! まずはこちら。 「16-82」  ↓  ↓  ↓ 「いろはに」 これは、狙ってるのかな〜?「あいうえお」は数字にできないし。 ちなみに、ナンバープレートの数字を加減乗除して合計10にする遊びがありますが、それもできます。  1×6+8

          ナンバープレートを読む 〜たのしいナンバープレート#2

          夢日記#17 未来を生きる人

          こんな夢を見た。 山道を、縦一列に並んで歩いている。 山道といってもアスファルトの舗装道路で、左側に山肌が迫っている。 先導者は登山帽をかぶり、うつむき気味にしっかりした足取りで進んでいく。その後ろにもう一人いてわたしは三人目。さらに何人か後ろにいる気配。 急に、足元にマンホールのような穴があらわれた。先導者は迷いなくそこに入っていく。穴の中は真っ暗だし体がやっと入るくらいの大きさで怖い、でも前の人が手を差し出してくれ、前後の人と手を繋ぐようにして滑り降りた。 すぐに明

          夢日記#17 未来を生きる人

          夢日記#16 白いイチゴ、もしくは親ではない(かもしれない)わたし

          こんな夢を見た。 少し離れたところから、ひとりの小学校低学年くらいの男の子を見守っている。自分の子どものようにも思う。 子どもたちが思い思いに遊んでいる広場。彼は、バスケットゴールに向かってボールを投げている。 ゴールは、広場の一角、れんがを階段状に積み上げたところに設えられている。何段か上ってからシュートするようになっており、うっかりすると転げ落ちてしまいそうだ。 わたしがいるところは高台で、植わっている木の枝や咲いている花が見える。あれは〇〇の花、□□がある、などと

          夢日記#16 白いイチゴ、もしくは親ではない(かもしれない)わたし

          「管理職は感情労働」ってホントです

          はい、来月の勤務シフト、なんとか作ったよ〜。 月に一度のお勤め、完了(ここから文句がでたりイレギュラーなことがなければね…)。 毎月中旬ごろになると、翌月の勤務シフトを作成する仕事がやってくる。だいたいルーチンではあるんだけど、業務量が増えてきている店舗もあれば、逆の店舗もあり。 各スタッフの休み希望(週休、有給休暇)を聴取したあと、適正人員を考えて組んでいく。 ひとことで「適正人員」と言っても、もちろん全員が同じ力量ではない。同じ〈一人〉と言ってもこなせる業務量には個人

          「管理職は感情労働」ってホントです