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Web系フリーランスになって初めての営業をして、得たものと感じたことを雑多にまとめてみた

今回、私ともう一人で組んで始めたWeb制作チーム「Wonder Create」として、北海道で営業をして回りました。

初めてのオフラインの活動で、一週間自分の足で歩いて得たものや感じたことを未熟ながら綴ります。

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事前準備

1ヶ月前から、営業で回る際に必要と思われる材料を準備しました。
・パンフレット
・名刺
・宣伝用のLP
・トークスクリプト
・電話でアポイント取り付け
などなど。

パンフレットは初めてのDTPで知識が足りず、必死にぐぐりながら作成。Webデザインとまた違った難しさと奥深さを感じました。
試行錯誤しながらIllustratorでデザインデータを作成し、相方さんとあーだこーだと修正し、やっと注文して届いた現物。
手にとって読んでみると、改善したいところをいくつも見つけちゃいました。紙になってみないとわからないところも、DTPの難しさですね。

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名刺は相方さんが作成、LPは設計とコンテンツ作成を私が、デザインとコーディングを相方さんが担当し、全てを二人で改善・修正しながら完成。

トークスクリプトについては、営業経験のある私がざっくり作成。電話でアポイントをとる際に使用しました。下記画像はその一部です。

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電話連絡の際に気をつけたのは、「WebやITがわからない方に、ざっくり理解してもらえる表現で平たく説明すること」。初めの説明は迷わないよう流れだけ作り、相手のリテラシーレベルを探りながら都度噛み砕いて説明していきました。
相手が使う言葉をよく聞き、沿って、「Webサイト」を「ホームページ」、「Web」を「ネット」と言い換えたり、ネットショップというワードを「ネットで買い物できる場所」と具体的に表現しつつ、切電後は出た表現をメモして次の架電に再利用。
言い換える能力の不足を痛感しました。本をたくさん読んで言葉のボキャブラリーを増やす必要があると感じました。

電話でのアポイント取り付けは1週間前から開始。
約40件の架電に対し、とれたアポイントは4つ。
中には私の前職の会社の函館支店の知り合いと、母の紹介を含みます。

ここまで準備して、いざ営業へ。

7/13から18まで、函館〜ニセコ〜札幌を回りました。


7/13 - 営業1日目

チームの相方さんを新千歳空港に迎えに行き、その足で函館まで下道5時間半のロングドライブ。
休憩やご飯をはさみつつ、この日は移動のみで終了。

煮干し豚骨中華そば専門店 八四六製麺所の「煮干し豚骨中華そば」を食べました。初めて食べましたが、だしの味が濃くて美味しかったです。

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7/14 - 営業2日目

事前にとれたアポイントは1ヵ所につき1つだけ。なので函館では、1件のアポイント以外に地元の有名企業のホームページをあらいざらい見て、改善提案ができそうな企業を選んで飛び込み訪問することにしました。
飛び込む際には事前の電話アポイントはせず、入店後に商品を買い店員さんに直接話しかけてみました。

「商品の詳細が知りたくてこちらのホームページを見たんですが、ちょっとお話お伺いしたいことがあって…ホームページのご担当者はいらっしゃいますか?」

この方法で2社回りましたが、両社とも店員さんが「ちょっと待っててくださいねー」と言って担当の方に繋げてくれました。

1社目は本社がレジ裏に事務所があり、その場に呼んでくれようとしたものの、おそらく担当者側がNGを出し「今担当者が不在なので、ご用件お預かりします」とのこと。
パンフレットと名刺を渡して活動内容とサービス概要、提供できる改善案をざっくりお話し、地域の状況やコロナの影響についてなど雑談し、終了。

2社目は、本社が別の場所にあり、店員さんに名刺を渡して上記のように取り次ぎをお願いする声かけをすると、その場で担当者に電話してくれ、こちらに直接折り返し連絡をくれるようにしてくれました。

少し経ってから折り返し電話がきて、現在のホームページについてのお話を質問形式でお伺いし、その流れで改善の提案をしたところ、既に改善に取り組む動きをしているとのことでお断りされ終了。

少し休憩しながら函館の街を観光しつつ、明日の動き方をMTGし営業二日目が終了。

ちなみにこの日は朝食に函館朝市の海鮮丼を食べました。

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7/15 - 営業3日目

午前中は函館のコメダで作業。午後から営業回りをすることに。

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アポイント前のお昼に、麺厨房あじさいの「塩ラーメン」を食べました。北海道は函館といえば、塩ラーメン。不動の美味しさでした。

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午後、1ヵ所目は、先週の電話でアポイントをとった函館のとある組合に訪問。電話対応してくれたO氏が外まで出迎えてくれ、1時間ほど函館の観光客や現況、企業情報などについて情報共有、雑談をしました。

電話の時点で少し盛り上がり30分弱お話していたので、初対面でも打ち解けるスピードが早く、込み入ったお話まで深く聞くことができました。

組合のHPをもっとユーザーの使いやすい形に改修したいと考えており今年度は難しいが後2〜3年かけて予算を確保し、改修していきたいとのこと。
(ホテル情報、車椅子情報、費用一覧などユーザーのほしい情報をHPが提供し、組合への直接の問合せは減る寸法)
具体的な計画実行までは、まだまだ時間がかかりそうなのでいったん違うお話へ。

雑談の中でO氏がフリーのカメラマンであることが判明!組合の名刺とは別に個人の名刺もいただき、知り合いの販売店のHPも作成したことがあるとのこと。
組合のお仕事とフリーのお仕事など複数仕事をしているとのことで、やはり複業の時代だと感じました。

ご家族のお話や、お仕事やプライベートで毎週のように道内の長距離を運転していたり、道の駅を回ることもあるといい、他にも楽しくお話をしてくれるO氏。なんとTwitterやInstagramも運用しているとのことで、さっそくその場でフォロー!

組合のHPの中で取り組みたいこと、彼自身が今後やっていきたいことなど、制作者としての心持ちや生き方のお話が大変胸に残りました。

彼のフットワークの軽さを頼りに、函館地区に限らず写真撮影などで依頼できることがあれば依頼したい、と強く思いました。

制作関係に携わっていたO氏が電話対応をしてくれ、電話の段階で話がうまく合い、アポイントをとった前日に連絡し(本当は16日に訪問予定でした)、O氏が事務所にいたという偶然が重なり、今回の出会いに繋がりました。

お互い力になれることがあればまたお話しましょうと締めて終了。


2ヵ所は、函館にある地域産業の振興を支援する団体センターに飛び込み訪問。
昨日のMTG時に、当該財団のHPの一部ページ「頑張っている企業HP」を発見し、掲載されている企業の事業課題など確認し、Webでできる解決案をざっくりまとめて臨みました。

窓口に「頑張っている企業HPを見たのですが、ご担当者の方はいらっしゃいますか?」と声かけ、K課長が対応してくれました。まずは名刺交換と、パンフレットを手渡し。

「相談」のスタンスで目的を話しつつ、函館でのコロナ禍において企業の状況などお伺いしました。
すると、財団から直接企業に一定企業のおすすめや紹介は立場的にできないとのことでした。直接企業に連絡して営業してしてもらうほうがいいかもとのアドバイスも受けました。

この他に、
・地場の生産企業とともに、幕張メッセなど本州の大きな会場で行われる展示会イベントに毎年参加(今年はコロナで中止)。1枠数十万するらしい。全国バージョンと世界バージョンがあり、一般が入れるイベントもあるらしい(行ってみたい!)
・頑張っている企業HPに掲載されている企業はぜんぶ、飛び込み営業しても無下にはしないだろうとのこと。

最後は雑談などして終了。
この時点で夕方16時。


3ヵ所目は「頑張ってる企業HP」に掲載されていたファームOへ。
地図で所在地は確認できたものの、営業時間外で誰もおらず空振りしました。

そのままホテルに帰り、振り返りと明日のスケジュールを確認するMTGを実施し、営業三日目が終了。

ちなみにこの日の晩ご飯は、濱焼北海道 魚萬で海鮮三昧でした。美味しくて口に入れ味わうたびに天を仰ぎました。

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7/16 - 営業4日目

午前中に函館を出発、ニセコを経由し札幌へ。

この日の一つ目のアポイントは、前職の函館支店の知り合いと9時からカフェで待ち合わせ。が、当日朝リスケの連絡があり、移動時間もせまっていたため直接会うのは断念。現在Zoomでのお話を提案中です。

社内事情からHPを作成する必要がある会社をこちらに紹介できるかもしれないとのこと。詳細はnoteでは控えますが、「需要が発生した際は案内します」とのご連絡をいただきました。

そのまま函館を後にして、次はニセコへ。


二つ目のアポイント、ニセコにある観光協会を訪ねました。
先週電話でアポイントと、パンフレットを置いてくれるとの約束を取り付け済み。事務所を訪ねると、事務局長のY氏が対応してくれました。

パンフレットと名刺を渡して活動内容とサービス概要をざっくりお話すると、観光協会のHPの状態やこうしていきたいという考え、地域の状況やコロナの影響、さらにECや観光協会で現在取り組んでいることなど、たくさんのお話をしてくれました。

情報量がすごくて記載するには長くなってしまうので、大まかに重点をまとめると
・Y氏の経歴、経験、業界情報
・ニセコの経済状況、地域としての課題、理想の施策
・観光協会がもつHPの状況(前年度リニューアルし、見た目はおしゃれだが中身のクオリティや情報の把握のしにくさ、広告の置き場所、SEO対策など不満・不安な点がいくつかある)
・ユーザー目線でニセコの観光情報や特産品を提供するための取り組みをしたいが、実質マンパワーが不足気味
・観光協会が今取り組んでいること
・HPのテコ入れに対応できるよう予算組みの際に来年度のWeb経費を数十万入れ込み済み
・ニセコでの仕事はセキュリティが甘すぎるのでその部分も改善していきたい(Y氏の前部署で業界的にも大変厳しいセキュリティ体制を経験済み)
・ニセコ全体の取り組み「ニセココレクション(体験型のお得なチケットCP)」が実施されているが、ネーミングで意図が伝わりにくく検索されず埋もれている

すぐに予算はとれないが、リニューアル済みのHPについて、何かアドバイスやSEO対策などテコ入れできる部分があれば言ってほしいとのことでした。
HPをみて分析し、改善策と見積もりを合わせて7/20の週中に提案予定です。
パンフレットを数部預け、駅構内に置いてくれるとのことでした。

Y氏の地方興しへの熱い考えや明確な課題発見、体制を整え少しずつ行動に移している実行力などを目の当たりにし、とても刺激を受け、お力になれることがあればいいなと強く思いました。また、地方企業のネットショップの好事例を分析し、写真の撮り方やコピー、カートの使いやすさなどについても言及されていたので、今回出会った函館のフリーカメラマンO氏とも連携して近いうちにECショップ作成に携われたら、と熱望せざるを得ません。
ニセコで予期せず出会ったY氏は、それだけこちらの気持ちを動かす熱い信念の持ち主でした。
現在、HPの改善案をチームで検討中です。

その後、お昼にニセコのいちむらで「おろしそば」を食べ、そのまま札幌へ。川のせせらぎを間近に聴きながら、緑を見ながらのシチュエーションがとても心地よいお店でした。

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三つ目のアポイントは、母の紹介でお会いする約束をいただけた札幌の中小機構企業支援部の新事業創出チーフアドバイザーのBさん。
実は、チームにとってこれが最も影響の大きい出会いでした。

母とは、お仕事の一環で知り合い、近い年代ということもあり気さくに付き合っている仲のBさん。
札幌在住のため頻繁に会ってはいないものの、Facebook経由で母から連絡をとってもらい、アポイント取得に至りました。

私たちのチームの当初の目的は、「Bさんのサポートする企業でWebの支援が必要な時にご紹介いただけたら…」というもの。パンフレットと名刺を用意し、待ち合わせのカフェに向かいました。

Bさんは優しくおっとりとした印象で、自己紹介と名刺交換を済ませて本題へ。
チームのサービス内容や、北海道の企業のweb支援をするために営業して回っていること、今後もし何かお力になれることがあればぜひお声掛けいただきたい旨を伝えました。

が、事業サポートのプロフェッショナルで経験豊富なBさんのお眼鏡には到底叶わず、まずチームのコンセプトが弱いこと、未来のビジョンの描きが足りないこと、本質や深みをもっと知った方がいいなど、たくさんのご指摘をいただきました…!

お話が濃く、これまた大まかに重点をまとめると
・やりたいことを広げるバカ会議し、計画をたてて目的達成すべく実行していく
・本を読むといい、稲本さんとか
・なんで?を繰り返すと分析ができ、本質や深みを知れる
・主語が変わっても通用するコンセプト、他社より尖った部分をもつべき
・みんなに好かれなくてもいい時代
・5年後10年後のビジョンを描く
・それを絵にするのもいい
・自分の考え、理想、思考を文字に起こしてまとめる
・目標など、内容は別に途中で変わってもいい
・大きな紙に書いていくと発想が広がりやすい、自由に書く
・ビジネスは教養

この他、チームの深部に触れたご指摘やアドバイス、不足しているところなどもお話いただき、対話をしながら整理をしつつ企業経営についての基本の考えや将来を描く重要性を再認識する機会となり、まだまだ自分たちは足りていないことを、痛感しました。

Bさんがカフェを出られた後、思わずぽーっとしてしまうほど圧倒されていました。
頭が痺れているような感覚。

チームとしてやるべきことや課題は山のように見つかりました。あとはひたすら考え、話し、整理しながら決め、試していく。ビジョンを描いて、常に思考するべきと。

帰り道に大きな白い模造紙とペンを買い、その日は終了。

晩ご飯はhiri hiriの「ベジタブルカリー」というスープカレーを食べました、安定の美味しさと、たっぷり野菜が食べられる幸せを噛み締めました。写真は撮り忘れました。


7/17 - 営業5日目

午前中は、まっすぐ大通り近くのコワーキングへ。
前日に得た大きなものをまとめて落とし込むために模造紙とペンを使ってチームでブレストしました。
大きな紙に消せないペンで、メモ書きのようにひたすら書いて対話。
チームの方向性やコンセプトの深堀り、他社と違う尖った部分を考え、作り、必要な根拠を整理し、言い合い…
オフラインだからこそできる大切な時間でした。

お昼は札幌の有名なラーメン屋 純蓮 で、味噌ラーメンを食べました。昭和39年創業時から守られてきたその味は、神がかった伝説の味でした。

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午後は札幌芸術の森で開催されている蜷川実花展「ーー虚構と現実の間にーー」を観賞。

昨日の「ビジネスは教養」の言葉を思い出しながら厳重にコロナ対策された館内に入り、色鮮やかな作品の数々をじっくり見つつ思考しながら、歩きました。

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その後は、同じ南区にある札幌藻岩山の展望台からの夜景を初めて観に行きました。
写真展でも感じましたが、綺麗なものが全て良いわけではなく、好みだと思うこと、思われることが、人とのやりとりの進行上最も大きなきっかけとなるのではと。
Bさんも仰っていて、Twitterでも常々感じていたことを、夜景を見ながら再認識しました。

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都会の夜景が好みだと感じる人もいれば、田舎で見える満天の星空が好みと感じる人もいる。
全ての人に好かれることを目標にせず、好みだと言ってくれる人、相性の合う人、同じところに向かって進める人にフルコミットする。
自身の初心に刻み、仕事をする上で時折回顧したい考えの一つです。


7/18 - 営業6日目

最終日の午前はブランチがてら、チームの将来やお互いが描くビジョン、やりたいことをMTGしました。

やっぱり、信頼できるチームメンバーを増やして全国でいろんな取り組みをしていきたい。
常に向上心を持ち刺激を受けながら、一度きりの人生を充実した楽しいものにしたい。

ここが私たちの原点であり、ビジョンの種です。

こうして、チームとして初めての営業の旅が終わりました。


感じたこと

感情が揺さぶられる一週間で少しへとへとになりながら、かろうじて自分の中で確かといえることのみをまとめます。

1. 地方はまだまだオフラインが根強いです。人との関わりはオンラインだと薄い、と感じる人が多く、新たな関係を築くには対面が必須。

2. チームとして共同作業するには、オフライン・オンラインどちらがやりやすいかという点において、私の視点で気付きがありました。
<オフライン>
・環境的にモチベーションを保ちやすい
・お互いの考えや言葉、細かなニュアンスが伝わりやすい
・すぐにレスポンスを受け取れる
<オンライン>
・自律が必要
・すぐレスポンスをもらえず焦れる
・相手が処理している作業が見えず、新たに作業を任せたり全体の流れを把握するのが難しい

適切なシステムを導入することで解決できる部分と、自分次第で解決できる部分でもあると思うので、今後の自身の課題として見つめます。

3. 個人的に、オンラインは便利だし、支障ない場合には積極的に使うべきと感じました。
ただ、自分が関わる人とは、定期的に会うなどオフラインでの交流の機会を作りたいと感じました。


さいごに


今回得たものが多すぎて、言葉にするのが難しい概念や考えもあり…雑多に書き殴ってみました。

初めての取り組みの結果として、備忘録として残します。

さいごに、やっぱり北海道の食べ物は美味しい。そして景色は素晴らしい。
この大いなる魅力を伝えていきたいと、改めて強く思っています。

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