『朱夏を待て』(3)
パートが開店準備から午前中に2人、午後3人、遅番2人。後ろには山しかない、東京都と名乗るのもおこがましい郊外のロードサイドながら、さすがにこの人数では店のオペレーションはとうてい回らない。トイレットペーパー騒ぎは一段落したものの、マスクと消毒液は相変わらず発注制限で半分も入ってこない。ペットボトルの水も常に不足気味だし、工場が休止して生産が減った栄養食品もベビーフードも棚が空になることが多くなった。品切れをとがめるような客は店頭に立つパートやアルバイトで文句を引っ込めるタチで