見出し画像

終わりのとき

ぼくらはしっている

ぼくらはいつだってしっている
必ずいつかは終わりがくることを

ぼくらはしっている

ぼくらは知らないふりしてるだけ
その時を知りたくないだけなんだ


いつかのその終わりのときまで
笑って、泣いて、喜んで、悲しんで、
立ち上がって、ため息ついて、
走って、急いで、休んでそして終わってく

終わりが来るなと願っては
早く終わりが来いと願うぼくら

ずっと行ったり来たり揺れ動くんだ


いざ終わりのときが来てしまえば
何もなかったかのよう

いざ終わりのときが来てしまえば
何度も後ろを振り返る

いざ終わりのときが来てしまえば
前へ進みだす

終わってしまった後の
その場所は
実は何も変わっていなんだ

後ろを向けば変わったようで
前を向けば変わっていない

ぼくは、ぼくの終わりのときが来ても
さみしくないよ

ぼくはずっとそこにいて、
ぼくらはずっとそこにいる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?