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ぶっ飛んだ神様いっぱい!貴方も好きになる!インド神話!

インド神話を簡単に理解しよう!楽しい神々がたくさん!インド神話はギリシャ神話と比べると、それほど有名ではありません。そのため、インド神話の主要な神々であるシヴァやヴィシュヌについても、「誰?」という人が多いでしょう。しかし、実はインド神話は日本人にとって非常に親しみ深いものです。七福神として知られる大黒天や弁財天、そして奈良の興福寺にある阿修羅像で有名な阿修羅など、これらはすべて元々インド神話の神々です。

インド神話は、かつてインドで信仰されていたバラモン教や、現在も信仰されているヒンドゥー教の神々を中心としています。これらの神々は仏教に取り入れられ、仏教が日本に伝わることをきっかけに、日本にも広まりました。知らず知らずのうちに、私たちはインド生まれの神様に手を合わせていたかもしれません。

それでは、インド神話はどのような神話なのでしょうか?今回の記事では、インド神話を簡単に解説していきます。


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インド神話の歴史

インド神話は、インドで信仰されていた神々の物語を総称していますが、インドの長い歴史に伴い、神話も変化してきました。もともとインドには、黒っぽい肌の民族が住んでいましたが、西からアーリア人と呼ばれる白人が移住してきました。インドに定住したアーリア人は先住民を征服し、バラモン教という宗教を創設しました。バラモンとは、神々の言葉を聞くことができるとされる聖職者の階級で、彼らは自分たちが最も優れているとする階級制度を作りました。これが現代インドにも残るカースト制度の起源です。最も優れたのは聖職者のバラモン、次に王族や戦士階級のクシャトリヤ、その次が平民のヴァイシャ、最下位が奴隷階級のシュードラです。

インドを征服したアーリア人は、自分たちが支配者であり続けるために、自分たちをバラモンとし、異なるカースト間の結婚を禁じ、アーリア人が先住民よりも優位に立ち続けられるような仕組みを作りました。インド神話の始まりはこのバラモン教です。バラモンたちは神々を称えるための複雑な儀式を行い、その方法が記された聖典をヴェーダと言います。ヴェーダには、雷や炎、風など自然の力を象徴する神々が多く登場します。一方で、バラモンたちは宗教と政治を担当していたため、契約の神や司法の神など抽象的な概念を表す神々も登場します。ヴェーダは特権階級であるバラモンのためのものであり、一般庶民には親しまれているとは言えませんでした。

そのため、バラモン教が創設されて数百年後には、徐々に庶民からの反発が強まりました。庶民はバラモン教の神々ではなく、アーリア人が来る前から先住民族が信仰していた古来の神々を信仰するように

なりました。これにより、バラモン教の影響力が次第に弱まり、庶民の信仰がより多様化しました。このことが、後にヒンドゥー教の発展につながります。

ヒンドゥー教は、バラモン教の神々と先住民族の信仰する神々が融合し、さらに新たな神々が加わることで成立しました。ヒンドゥー教の神々は数が多く、多様性が特徴です。主要な神々には、創造神ブラフマー、維持神ヴィシュヌ、破壊神シヴァなどがいます。また、それぞれの神々は様々な形態や化身を持ち、信仰の対象とされています。

ヒンドゥー教が発展する中で、バラモン教のカースト制度は続いていましたが、その厳格さは徐々に緩和されました。インドの宗教や哲学が発展するにつれ、カースト制度を超越する教えが生まれました。たとえば、仏教やジャイナ教は、カースト制度を否定し、すべての人が平等であるという教えを説いています。

インド神話は、インドの歴史や文化の発展と密接に関わっており、その変遷はインドの多様性と寛容さを物語っています。古代インドから現代インドまで、インド神話は人々の信仰や生活に影響を与え続けており、その豊かな神話世界は世界中で魅了される人々が多くいます。

数百年後、バラモン教の力が弱まり、庶民の信仰を取り入れた新しい宗教であるヒンドゥー教が誕生しました。ヒンドゥー教の神々は、バラモン教の神々と比べてより英雄的で、庶民にとって理解しやすい存在となりました。また、聖典としてヴェーダだけでなく、英雄たちの活躍が描かれた叙事詩も加わりました。

ヒンドゥー教はキリスト教のような明確な戒律を持つ宗教ではなく、多くの神々の中から個々に信仰する神を選び、それぞれが信仰する宗教です。そのため、自然と多数の派閥が生まれました。各派閥は、自分たちが信仰する神が最も尊いと主張し、神々のエピソードがたくさん作られました。

インド神話は、バラモン教の時代、ヒンドゥー教が誕生した時代、そして様々な派閥が生まれた時代を経て、ヴェーダや叙事詩に登場する神々の物語となりました。神々の性格やエピソードは時代ごとに変化し、後から追加されることもありました。

インド神話の特徴は、その矛盾に満ちていることです。例えば、古い神々の神話が後から別の神様のおかげだとされたり、世界を創造した神々が複数いたり、人気の神々には複数の父親がいたりします。このような矛盾は、しばしばそのままにされることもあれば、強引な方法で解決されることもあります。その方法の一つが、化身、すなわちアバターラです。アバターラはインドの言葉で、現代のインターネット上でよく使われる「アバター」の語源となっています。

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インド神話の神様ってどんなの?

異なる神様や別の人物のエピソードを、実はその人は私の推しの神様の化身であったと強引に主張し、その功績を横取りすることがあります。実際、インド神話で人気を争う神様であるヴィシュヌは、非常に多くの化身を持っていることで有名です。ヴィシュヌは、様々な化身を通じて人々の人気を獲得しています。

インド神話の神様はどのような存在でしょうか?キリスト教やイスラム教のような一神教と異なり、インド神話は多くの神様が存在する多神教です。そのため、神様は必ずしも全知全能の絶対的な存在ではありません。非常に強力な神様もいれば、人間に毛が生えた程度の神様もおり、まさに千差万別と言えます。

インド神話では、神様の他にアスラと呼ばれる存在がいます。アスラは、神様と同様に特別な力を持ち、人間や神様と敵対することも多いため、魔神と呼ぶのがふさわしいかもしれません。

仏教では、阿修羅は仏教を守るために戦う鬼のような存在として知られています。奈良の興福寺にある、顔が3つ、腕が6本ある阿修羅像は有名ですが、この元ネタはインド神話のアスラです。インド神話においてアスラは、もともと悪とされるわけではなく、神様たちとは別の種族とされていました。しかし、次第にヴィシュヌなどの神様と対立する悪魔として扱われるようになりました。

また、インド神話には元々人間であったが、激しい修行の末に神様に近い力を身につけた仙人も登場します。時には神様以上の力を持ち、神様を懲らしめたり、呪いをかけたりすることさえあります。神様が阿修羅に勝てずに悩んだり、八つ当たりで人間に呪いをかけたり、仙人に敗れたりと、全知全能ではないがゆえに、人間らしいエピソードが数多く存在するのがインド神話の特徴です。

さて、ここでインド神話で最も重要な3柱の神様をご紹介します。

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インドの神様3柱

インド神話において最も重要な3柱の神様は、世界を創造するブラフマー、世界を維持するヴィシュヌ、そして世界を破壊して再生するシヴァです。ブラフマーは古い時代から存在するインド神話における創造神で、世界の始まりを説明するためのいくつかの神話が存在します。そのうちの一つでは、すべての始まりである水の中から最初にブラフマーが生まれたとされています。この神話によると、始まりの水の中に黄金の卵が出現し、その卵からブラフマーが誕生しました。ブラフマーは卵の殻の上半分を天に、下半分を地にして世界を創造し、あらゆる生命を生み出したとされています。

ブラフマーは、4つの顔と4つの腕を持ち、白鳥またはガチョウに乗った老人の姿で描かれることが多いです。バラモン教の時代には重要な神様でしたが、地味で理解しにくい存在だったため、次第に人気を失いました。その結果、ブラフマーは他の神様たちにアドバイスをする知恵袋のおじいちゃん的な扱いになっていきました。

重要な時期に神々の中心となるのはヴィシュヌとシヴァです。ヴィシュヌは世界を維持する神様で、維持というと地味に感じるかもしれませんが、地上に危機が訪れると様々な化身に姿を変えて地上を救いに来るのが彼の役割です。この活躍ぶりが人気を呼び、いい時代にはあまり重要視されていなかったヴィシュヌは、様々な化身が活躍する英雄物語のおかげでヒンドゥー教における主要な地位を獲得しました。ヴィシュヌは、4本の腕を持つ美しい男性の姿で描かれ、青い肌で表現されることもあります。その場合は、彼の化身の一つであるクリシュナを示しています。

さらに、ヴィシュヌ以上の人気を誇るのが破壊を司る神シヴァです。破壊の神様と聞くと恐ろしいイメージがありますが、シヴァは確かに恐ろしい外見の神様です。額に第3の目を持ち、手には三叉の槍を携え、毒蛇を首に巻き、上半身は裸でトラの皮を腰巻きにしています。肌は青白く、外見は荒々しいですが、敵対するアスラや人間、そして時には神様でさえも容赦なく滅ぼすと伝えられています。

シヴァはただ破壊するだけでなく、破壊の後の再生を象徴し、これまでの仕組みを打破するために欠かせない神様でした。また、戦いの神として信仰されることも多かったようです。ここまで男性の神様ばかり紹介してきましたが、インド神話にはもちろん女性の神様もいます。

先ほどの3柱の神様たちには、それぞれ妻である女神がおり、人気の女神様たちです。ブラフマーの妻として知られるのはサラスヴァーティで、元々は川の名前であり、川の女神様でもあります。学問と芸術を司る神様で、4本の腕のうち2本は琵琶と呼ばれるギターに似た弦楽器を抱えています。仏教にも取り入れられ、日本に伝わり、七福神の一人である弁財天として知られています。弁財天も琵琶を手に持っていますね。

七福神には、日本の神様だけでなく、インドや中国出身の神様や実在したお坊さんまでも含む非常に国際的なチームがいます。特に、七福神のリーダー的な存在である大黒天の経歴は非常に複雑です。もともとはシヴァの別名である「偉大な黒」を意味するマハーカーラが仏教に取り入れられ、中国で大黒天と訳され、それがさらに日本に伝わった時に、名前が似ているからという理由で日本古来の神様大国主命と同一視され、現在の大黒様が誕生しました。大国主の御言の影響を多大に受け、現代に伝わる大黒様は、優しい笑顔を浮かべた小太りのおじさんになりました。もはや、元の破壊神シヴァの面影はどこにもありません。

女神様に話を戻しましょう。

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インド神話の女神

ヴィシュヌの妻はラクシュミーで、蓮の花に乗っているのが特徴で、幸運と富の女神とされています。彼女は仏教を通じて日本に伝わり、吉祥天として知られています。日本でも幸運の神様とされており、色々なお寺で祀られています。

シヴァの妻がパールヴァーティーであり、彼女は単なる美しくて優しい女神だけではありませんでした。戦いとなると、彼女はドゥルガーという名前の女神に姿を変えます。ドゥルガーは10本の腕にそれぞれ別の武器を持ち、トラまたはライオンに乗って魔人アシュラと戦います。その戦いぶりは凄まじく、夫である破壊神シヴァを凌ぐと言われます。

さらに、ドゥルガーの怒りが頂点に達すると肌が真っ黒に染まり、髪が逆立ち、カーリーという名前の女神になります。カーリーの姿の恐ろしさはヒンドゥー教の神様の中でもトップレベルで、真っ黒な肌はいつも血まみれで首には殺した敵の首をつないで作った首飾りをかけています。ほとんど裸で腰には敵から切り落としたたくさんの腕で作った腰巻きをしており、血と殺戮を好み、顔に笑みを浮かべながら楽しそうに殺戮します。表向きは美しく優しい女神であるパールヴァティですが、こんなに恐ろしい顔を隠し持っているとは驚きです。

次に紹介するのは月の神ソーマです。ソーマとは、飲むと不老不死になるというインド神話に伝わる神のお酒です。神様が戦う前に飲んだとされており、古代のインドでは儀式の時に人間たちも飲んでいたようです。飲むと幻覚が見えるなどと言われ、いわゆる麻薬の一種だったようですが、現代では作り方がわからなくなっています。

古代インドでは、月はソーマが満たされた杯であると考えられていました。月がだんだん欠けていくのは、神様がどんどんソーマを飲んでしまうからだと考えられていました。月は元々チャンドラという神様だと考えられていたのですが、ソーマが重要視されていくにつれて、月の神自体もソーマと呼ばれるようになっていきました。

インド神話の中で、月の神ソーマは神々に力を与える存在として特別な役割を果たしています。また、彼は植物や動物の生長を司る神様でもあり、人間にとっても重要な存在でした。ソーマは神々や人間たちに喜びと活力をもたらす神様であり、その力はインド神話において幅広い影響を持っていました。

インド神話には、多くの神様が登場し、それぞれ独自の性格や力を持っています。彼らは人間たちにさまざまな教えや示唆を与え、物語を通じて生活や精神面での悩みを解決する手助けをします。インド神話は古代インドの文化や宗教に深く根ざしており、現代にもその影響が色濃く残っています。


悲劇の神様ガネーシャ

もう一つ、インド神話に欠かせない象徴的な神様をご紹介します。それは、象の顔をした神様ガネーシャです。ガネーシャはシヴァとパールヴァティーの息子であり、彼がどうして象の頭を持っているのかには次のような物語があります。

ある時、母であるパールヴァティーはお風呂に入っていました。その間、息子であるガネーシャに、誰かが訪ねてきても家に入れないようにと言いつけました。しかし、父であるシヴァが帰宅すると、ガネーシャは言いつけを守るため、シヴァを家に入れませんでした。これに怒ったシヴァは、ガネーシャの首を切り落として遠くに投げ捨ててしまいました。

風呂から出てきたパールヴァティーは、この光景に愕然とし、シヴァに頭を探してくるよう命じました。シヴァは探し回りますが、どうしてもガネーシャの頭を見つけることができませんでした。そこで、旅先で出会った象の頭を切り落として持ち帰り、首なしのガネーシャにくっつけました。それ以降、ガネーシャは象の頭を持つ神様となったのです。

不憫なガネーシャではありますが、彼は富をもたらす神様として信仰されており、現代でも非常に人気があります。また、知恵と学問の神様であり、商業の神様とも考えられています。インドのお店には、ほとんどの場合ガネーシャの像が飾られています。さらに、ガネーシャは甘いものが大好きであり、甘いお菓子を捧げ物にするという可愛らしい一面も持っています。

ここまでインド神話の主要な神様について解説してきましたが、インド神話は時代や宗派によってさまざまなエピソードが存在し、物語は複雑に絡み合っています。それでも、神様や英雄たちの魅力的なエピソードは何千年も語り継がれ、現在も信仰されています。

まとめ

さて最近はライトノベルや、アニメ、漫画などにキャラクターやワードとしてよくインド神話や神様の名前が出てきました。

このインドの神話は、色々の文化や神話、宗教が組み合わさったりして複雑でインドらしいユーモアがあり面白いです。

この機会にインド神話に興味を持っていただければと思います。

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