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筋肉を鍛えることで、糖尿病、癌、認知症のリスクをどのように低減できる!?

こんにちは、再びお越しいただきありがとうございます!前回に引き続き、東京大学名誉教授の石井直方先生の著書「命のスクワット」を取り上げます。今回のテーマは、驚くべき事実。筋肉を鍛えることで、糖尿病、癌、認知症のリスクをどのように低減できるのかについて深掘りしていきます。興味深い内容となっておりますので、ぜひ最後までお付き合いください!

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筋肉の重要性

筋肉の重要性とは何か、その質問の答えを探る過程で驚くべき事実が多数明らかになってきました。

多くの人々が普段あまり意識していないかもしれませんが、筋肉は私たちの体を支える土台であり、人間の活動と深く関連しています。筋肉は私たちの体の運動を支配しており、歩く、走る、呼吸するといった基本的な活動から、日常の様々な動きまで、すべて筋肉の収縮と弛緩によって生み出されています。


しかし、筋肉の役割は運動の生成だけではありません。最新の研究により、筋肉の他の多岐にわたる機能が明らかになってきました。筋肉は私たちの体を動かすエンジンとして機能し、重力に逆らって私たちの姿勢を維持する役割も果たしています。そして、筋肉は血液の循環を促進するポンプの役割も持っています。筋肉を動かすことで、その収縮と弛緩が血液を押し出し、心臓と協力して血液循環を助けています。このため、長時間座って作業をする人々には、定期的に立ち上がって歩くことが推奨されています。

さらに筋肉は私たちの体温を一定に保つための熱を作り出す役割も果たしています。体温の約60%は筋肉によって生み出されています。そのため、筋肉量が減少すると体温を維持することが難しくなり、冷えやすくなる可能性が高まります。

また、筋肉は私たちの体のエネルギー源として脂肪や糖を燃焼させる役割も果たしています。筋肉量が多ければ多いほど、基礎代謝が向上し、脂肪や糖の消費が増えることから、痩せやすくなります。その反対に、筋肉量が少ないと、体の中の糖が消費されずに残り、糖尿病のリスクが高まることが分かっています。実際、アメリカ糖尿病学会は、糖尿病の予防や改善のために筋肉を増やすことの重要性を指摘し、患者に筋トレを推奨しています。


糖尿病の患者は、余った糖が体内で悪影響を及ぼすリスクが高まります。これは、動脈硬化や脳卒中、腎疾患、認知症などの様々な合併症を引き起こす可能性があるためです。また、老化も加速するリスクが高まります。

総合的に見て、筋肉を増やし、活発に動かすことで私たちの健康や生活の質を向上させることができると言えるでしょう。


マイオカイン

筋トレを行うことで、筋肉から「マイオカイン」という生理活性物質が放出されることが科学的研究によって明らかになっています。中でも、特に関心を持たれているマイオカインの一つは「イリシン」というものです。この物質は脳に影響を与え、特に「海馬」という脳の部分の活動を活性化させる効果があることが分かっています。その結果として、記憶力の向上や認知症の予防といった効果が期待されています。

事実、運動をすることで記憶力や認知能力が向上するという言説は以前からありましたが、このイリシンがその背後にある主要な要因の一つとして考えられています。アメリカでの大規模な疫学調査によれば、頻繁に体を動かしている高齢者は、活動量が少ない高齢者と比較して、アルツハイマー型認知症になるリスクが約3分の1と大きく低減していることが示されています。

そして、イリシンとは別に、健康の面で注目されているもう一つのマイオカインが「スパーク」という物質です。過去の研究から、頻繁に運動する人々は大腸がんのリスクが低下するという結果が示されてきました。この現象の背後には、運動を通じて分泌されるスパークが関与しているのではないかと推測されています。スパークは、初期段階の大腸がん細胞をアポトーシス(プログラム細胞死)という過程で自らを死滅させる効果があることが明らかにされています。このため、筋肉を頻繁に動かすことでスパークが多量に放出されると、大腸がんのリスクが低下する可能性があるとされています。


まとめ

この二章を終えるにあたり、筋肉の重要性について再確認してみましょう。

ポイント1: 筋肉は私たちの体を支える土台であり、私たちの日常の動きや活動は全て筋肉によって実現されています。だが、筋肉の役割はそれだけに留まらない。最新の研究により、筋肉が持つ多岐にわたる役割が明らかにされてきています。

ポイント2: 筋肉の主要な役割を以下に示します。

  1. 体を動かすエンジンとしての働き: 筋肉は私たちの動きをサポートし、血液のポンプ作用を通じて血液の循環を助けます。

  2. 熱を生み出すストーブとしての働き: 筋肉はカロリーを燃焼し、肥満や糖尿病の予防に役立ちます。

  3. イリシンやスパークなどのマイオカインの分泌: これにより、認知症や大腸がんのリスクを低減する効果が期待されています。

  4. 免疫力の強化と寿命の延長: 筋肉は免疫系を強化し、健康寿命を伸ばす役割も果たしています。

  5. 骨粗鬆症の予防: 筋肉の活動は骨を強化し、骨の健康を維持します。

このように、筋肉は私たちの健康と長寿にとって非常に重要な要素であることが確認できます。日常生活の中で筋肉を適切に使い、鍛えることは、私たちの健康を維持し、さまざまな疾患を予防する上で不可欠です。今後も筋肉の重要性を念頭に置き、健康的な生活を心がけていきましょう。

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