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〈6〉 更年期 明日子、新しい世界の扉をたたく

エストラーナテープでのホルモン補充療法を始めて一週間後、
食事は摂れるようになったものの 自律神失調経症状が治まらず、
日常生活は困るばかり。
ふらふら目眩がして家事ができないし、トイレに行くのも大変、
少しの動きでどっぷり疲れてしまう(一回分の洗濯物を一気に干せない
弱々体力)。
一週間後にまた産婦人科に相談に行き、
自律神経調整薬を処方してもらったのですが・・・。

やはり効かないのです。

一週間ほど様子をみて、
産婦人科が翌日からお盆休みに入ってしまうという日に
電話で薬が効かない旨を相談してみました。

その頃は、新型コロナの流行もピークで、
婦人科内の看護師さんたちもお休みが多く、
その影響で更に混み合っているようだったので、
今行っても、してもらえる治療がこれ以上ないのであれば、
受診しても・・・と思ったわけです。

婦人科からの返答は
「これ以上の薬は産婦人科で出すことができないので、心療内科を受診して、
自律神経失調症の治療薬などを出してもらってください」
とのことでした。

私も別の婦人科の医師が書いた本で
(この本、更年期がすごくわかりやすく明るく説明してあり、オススメなので、
後日紹介記事にしますね!)
婦人科で処方できる薬の範囲が決まっており、
それでも効かない場合は、
自律神経失調症が治療できる心療内科に相談する方がよいと
読んだことがありました。

今の時代、心療内科への受診は当然の感覚なのでしょうが、
昭和生まれの私にとっては、未知の世界に他なりません。

暑さでぼーっとする頭で近所の心療内科やメンタルクリニックを検索すると、
隣の駅近くに 女性の先生が最近開いた心療内科をみつけました。

祈るような気持ちで予約をとり、翌日に受診できることに。

新しい診療所は小さなビルの1階にあり、自動ドアをあけると
そこは美容サロンの待合室のような
白を基調にしたインテリアのおしゃれで清潔な雰囲気でした。

「え?心療内科ってこんな感じだったの?」と、
良い意味で裏切られ、びっくりしながら受付へ。

保険証と予め記入してきたWEB問診票(家でゆっくり考えながらかけるので便利ですね)を出すと、小さなリモコンのような機械を渡されました。

「これが振動して光ったら順番が来たということなので、診察室にお入りください」「体調、大丈夫ですか?なにかあったら遠慮なく声をかけてくださいね」
ふらふらめまいをしている私を気遣って、
受付の女性が私が座っている椅子のところまでやってきて説明してくれます。

数分後、診察室に入ると若い女性の先生がアクリル板ごしに座られていて
「どうぞ」と席をすすめてくださいます。

そこで、いままでの経緯と更年期の症状、今の苦しい状態をどうにか治してほしい事を一気にお話しました。
私の話をひと通り聞いてくださった先生は、
どんな時にそのような症状になるのか?
更年期前はどんな健康状態だったのか?
今ストレスに思っていることは何か?などいくつか質問され、
私の答えを静かにパソコンに打ち込んでいきます。

時に涙を流す私にテッシュをすすめてくれながら、すべての話を聞き終わった後、
目眩止めと、夕食後に飲む錠剤、
症状が酷く感じられた時に飲む頓服薬を処方してくださり、
その薬について詳しく説明してくださいました。
(今後、症状が収まってきた時の減薬の仕方まで説明してくださり、
患者が不安に思っていそうな事を事前に教えておいてくださる気遣いも、
さすが女性の先生だと思いました)

診療所を出ると
こんなにやさしく、安心する世界を想像していなかった私は心底ほっとし、
「夕日、キレイ・・・」と久々に感じられ、
少しだけ元気になった夏の夕暮れでした。





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