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〈15〉 上手な薬使いに出会えれば

ゲームや魔法界の話ではありません 笑

今回は私の漢方薬遍歴についてお話したいと思います。

結果から言うと、漢方治療で最も大事なのは
「上手な薬使いとの出会い」だと思うのです。

ここで言う「薬使い」とは、
漢方内科のお医者さんであったり、漢方薬局の先生であったり、
地域のホームドクターであったり、
更年期治療であれば産婦人科のお医者さんであったりするのですが、
そのお医者様の漢方薬に対する知識・情熱によって
治り方が大きく違ってしまうことがあるなぁ、という体験をしたので、
今日はそのことについて書きたいと思います。

更年期と漢方薬の相性は良いらしく、
できれば漢方薬で乗り切りたい!と思いますよね?

私が初めて漢方薬と出会ったのは50歳になってすぐの頃。
仕事のハードワークと更年期の始まりが重なって体調不良が出た時でした。
病院で検査をしても特に異常が見つからず、
「酷い夏バテのようなものではないでしょうか。
西洋医学的には治療対象にならないので、
(↑不調はあるのに、こう言われちゃうのって、更年期あるあるですよね・・・)
あとは併設している漢方内科に行ってみてください」
と勧められたのがきっかけです。

併設している漢方内科の先生は、講演会を開くような積極的で押しの強い方で、
当時相当弱っていた私は治りたい一心で、言われるがまま漢方薬の煎じ方を習い、
毎朝煮出し、苦いのを我慢して飲み続けました。

ところが一向に良くならず、さらにどんどん弱ってゆき、
その病院まで通うことができないまでになってしましました。

ほとほと困っていた私にある知人が、
往診をしてくださる中医師(日本の医師の国家資格は無いが、
漢方薬を処方出来る専門家)を紹介してくれ、
その先生との治療がはじまりました。

漢方を飲んで、体調が悪化したということは
体に合っていなかったのだろう、ということで、
まずは飲んでいた漢方薬を抜くことからはじめ
(これがめちゃめちゃ辛かった!)、
先生の指導を受けつつ、漢方薬局で販売している漢方を飲むことになりました。

その漢方は煎じる必要もなく、錠剤だったので、苦労なく飲むことができ、
2ヶ月ぐらいかけて、体調もだんだんに回復してゆきました。
ところが、その先生がご高齢のためご逝去され、再び途方に暮れてしまいました。

この薬を飲み続けても良かったのですが、
休職していた会社の保険関連の書類に医師の診断書が必要だったのと、
漢方薬局の薬は健康保険適用にならないため高かったので、
漢方内科を探しました。

電車利用にはなるけれど、その時の体力でどうにか通えそうな漢方内科を
ネットで見つけ、3人目の医師との治療がはじまりました。

この先生は保険適用内で処方出来る漢方で治療してくださり、
昨年夏、更年期障害悪化のため通えなくなってしまうまで、
月1回の通院で約5年程お世話になりました。

漢方にとても精通された内科の先生だったので、
(↑これ、けっこう大事だと思います)
コレステロール値が高くなった時は西洋薬を、
不調改善(体質改善)は漢方薬を処方してもらい
患者としてはとても有り難いクリニックでした。
更年期もこのまま上手く過ごせるのでは?と思っていたのです。

ところが昨年夏に更年期症状が悪化し
電車で通う体力もなくなってしまったことから、
ホルモン補充療法のために通うことになった近所の婦人科の先生に
引き続き同じ漢方薬を処方してもらいました。

(↓ 更年期症状の沼深く落ちてしまった時の話はこちら)

もちろん婦人科の先生も
薬の内容と私の身体との適性を診てくださったのですが、
漢方の専門医ではないので、過去に使用した漢方薬の範囲内での処方です。

ホルモン補充療法でだいぶ落ち着いてきた更年期症状も、
一進一退の時もあり、
5年前から殆ど変わらないこの漢方薬を続けていて良いものだろうか?
という疑問が湧いてきました。

そんな中、
近くの病院に漢方医の先生が週1回だけ外来診察をされているとの情報を見つけ、
その先生に漢方薬の見直しをしてもらうことにしました。

漢方専門医に初診でかかる時は、とても詳しい問診票を書かされます。
さらに丁寧な問診があり、舌診や脈診、お腹の硬さ等も触診してもらいます。
とても丁寧な診察姿勢とフレンドリーなお人柄に、
初診まで1ヶ月以上待つといわれる人気の理由がわかりました。

結果、3種類飲んでいた漢方薬の中の2つは、今の私には必要がなく、
代わりに今まで飲んだことのない五苓散(ゴレイサン)という漢方薬を追加して、
漢方でいう『水』の巡りを良くしてゆくことになりました。
今まで飲んでいた薬と同じ顆粒状の漢方薬ですが、飲むタイミングや飲み方も細かく指導されます。

すると、更年期の症状だと諦めていた朝のだるさが
少しづつ軽減していったのです!
また、最も苦手に感じていたふわふわ感も軽減され、
不安感が少し取り除かれてゆきました。
このふわふわする感じは、めまいとも違うし、
なんと説明したらよいのかわからない感覚なのですが、
更年期症状を発信しているSNSにはよく書かれているので、
他の方も悩まれている症状のひとつなのだと思います。

朝、顔がパンパンになったり、夕方足がむくんだりする症状が無かったので、
水の巡りについてはそれほど考えていなかったのですが、
今にして思うと、顔に寝跡がついていたり、
コンタクトレンズが乾きやすかったり、汗が出にくかったり・・・。
水の巡りの悪さを疑う症状はたくさんあったんですね。

そんな私の体質をしっかり見出し、適切な薬の処方とその使い方を指導してくれる
『名薬使い』にやっと出会えたような気がしている、今日この頃です。

諦めずに良い先生との出会いを探すのも、更年期治療のひとつかもしれませんね。






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