なな

大人の階段のぼるわたしはもうシンデレラではない

なな

大人の階段のぼるわたしはもうシンデレラではない

マガジン

  • 30daysongchallenge

最近の記事

お湯を入れすぎたココア

したいことよりすべきことに取られる時間が増えるほど、あらゆる出来事に新鮮味がなくなる。 「特別」悲しいことも「特別」嬉しいこともない。 既視感のある寂しさと型の決まった楽しさが日常にほんの少し色をつけるだけだ。感情の振れ幅が狭くなる、とでも言おうか。 そうやって喜びにも悲しみにも感情が振れにくくなったとき、ひとは幸福を掴もうとするより不幸に飛び込もうとするのかもしれない。 マイナスの感情はプラスの感情よりも予測しやすく、かつ実感しやすいから。 「あ、このまま進むと傷つく

    • 「音楽の趣味が合う」

      全ての表現は自分の手元から離れた瞬間に自分のものではなくなる。 どれだけ注意深く言葉や態度を選んでも、心の中が完璧に伝わることはない。 だから、自分の気持ちを表すことが苦手だ。 齟齬なく伝える術を持たない感情は隠してしまいたくなる。 伝えたいことが格納されている脳の中のフォルダをまるっとコピペできればいいのに、と思う。 音楽はそんなぼやけた思考にピントを合わせて、言葉にしたかったアレコレを代弁してくれる。 夜中にぽつぽつ語る哲学よりも、「自分のこと歌ってる」と思った曲を集め

      • 30DaySongChallenge #13

        2020.5.26 DAY13 A song you like from the 70s しんしんしん / はっぴいえんどあまり年代を気にして曲を聴いたことはない。 が、70年代と言われてまず思い浮かぶのは、はっぴいえんどだ。 大学生の頃、ポピュラー音楽についての講義があり、そこで"日本語ロックの誕生"としてはっぴいえんどが取り上げられていた。 「はっぴいえんど=風街ろまん(1971)」がパッと思い浮かぶのは、その講義の試験勉強の賜物である。 ありがとう、小川先生。

        • 30DaySongChallenge #12

          2020.5.25 DAY12 A song from your preteen years ローリンガール / 現実逃避P(wowaka)preteenとは9〜12歳の頃を指すという。 3月生まれのため、中学一年生はほぼ12歳で過ごした。 ニコニコ動画を教えてくれたのは、この時同じクラスだった友人だ。 その友人は、中学から今でも仲良くしているたった2人の友人のうちの1人で、彼女から受けた影響は今のわたしの文化を作る上でかなりのウエイトを占めている。 ニコニコ動画には

        お湯を入れすぎたココア

        マガジン

        • 30daysongchallenge
          12本

        記事

          30DaySongChallenge #11

          2020.5.24 DAY11 A song you nerer get tired of 山手線 / 平手友梨奈(欅坂46)世界に音楽があってよかったなあと思った一曲。 Twitterで「ファボした人のイメージに合う曲をリプする」ハッシュタグが流行っていた頃、長年の友人に「この曲っぽい」と教えてもらった。 どこか抜粋しようと思うのに気づけば全文抜粋してしまうくらい、1から10まで歌詞がいい。 下世話な曲から純文学風味の哲学的な歌詞まで、すべて秋元康から生み出されたも

          30DaySongChallenge #11

          30DaySongChallenge #10

          2020.5.22 DAY10 A song that makes you sad KYOTO / JUDY AND MARY 例によって、曲を聴くだけで悲しみが蘇るような情熱的な出来事がいまのところなく。 ただ、悲しくさせるとは少し違うが、この曲を聴くと感傷的な気持ちになる。 * 恋が終わるとき、失恋ソングは聴かない。 むしろ恋愛中に聴くような、だれかへの愛情や優しさが染み込んだ曲を選んでしまう。 愛惜の念を手放すための儀式のようなものだ。 情緒もへった

          30DaySongChallenge #10

          30DaySongChallenge #9

          2020.5.21 DAY9 A song that makes you happy 私の好きなもの / らぶりーさまーちゃん音楽なんてほぼハッピーになるために聴いているからプレイリスト全曲が該当するんだが??と思いながら選んだ一曲。 辻利の抹茶 辻利の抹茶 辻利の抹茶 いつでもどこでも 飲みたい抹茶 飲みたい抹茶 Yeah 蟹のお雑炊 蟹のお雑炊 蟹のお雑炊 年中無休で 食べたい雑炊 食べたい蟹 Yeah 実に欲望に真っ直ぐでキャッチーな歌詞。 しかし、幸せを

          30DaySongChallenge #9

          30DaySongChallenge #8

          2020.5.19 DAY8 A song about drugs or alcohol カルアミルク / 岡村靖幸ドラッグと酒といえば洋楽のイメージが強いが、詳しくないので邦楽から。 あともう一回あなたから またもう一回の電話で僕らは出直せる でもこういったことばっかり続けたら あの思い出がダメになってゆく まだお酒も飲んだことない高校生の頃、切ない曲だな、と思っていた。 素直になれないが故に空回りし続ける二人の曲だと。 カルアミルクくらいじゃ酔えなくなった今、

          30DaySongChallenge #8

          30DaySongChallenge #7

          2020.5.18 DAY7 A song to drive to サヨナラバス / ゆずこの曲はわたしにとって夜行バスのテーマソングだ。 (広義で車ということで許してほしい) 中学1年で初めて乗って以来10年間、夜行バスはいつも好きな人へ会いに行くための乗り物だった。 高速を流れるヘッドライトを眺めながらサービスエリアでコーヒーを飲んだり、明け方カーテンに潜り込んで街が起き始めるのを見下ろしたりする非日常感が、「好きな人に会いに行く」という事実の特別さを加速させる

          30DaySongChallenge #7

          30DaySongChallenge #6

          2020.5.17 DAY6 A song that makes you want to dance BOTTLE ROCKET / ナードマグネット忘れらんねえよが高校時代に出会った印象的なバンドだとすれば、ナードマグネットは大学時代のそれだ。 サウンドクラウドでインディーズを聴き漁っていたとき、「恋は呪い」にたどり着いた。 この恋は呪い ああきっと死ぬまで解けない あの日君が殺しそこねた 僕がここにいる ゴリゴリギターで弾くポップなメロディで、ちょっと情け

          30DaySongChallenge #6

          30DaySongChallenge #5

          2020.5.15 DAY5 A song that needs to be played loud 忘れらんねえよ / CからはじまるABC 部活に入っていない高校2年の夏の過ごし方は、バイトかYouTubeの二択だった。 ちょうどその頃、RADWIMPS発アジカン経由で邦ロックに興味を持ちはじめていたこともあり、YouTubeの関連動画には様々なバンドが並んでいた。 忘れらんねえよはその中のひとつだった。 今でも覚えているが、最初に聞いた曲は「ばかばっか」だった

          30DaySongChallenge #5

          30DaySongChallenge #4

          2020.5.14 DAY4 A song that reminds you of someone you'd rather forget また今日と同じ明日が来る / 二宮和也 わたしは「絶対に忘れてやるもんか」と思いながら何かや誰かを憎んだり愛したりしてきたから、今回のテーマに合う曲が思い浮かばなかった。 そもそも「忘れたい人を思い起こさせる曲」に、安易に「君を忘れたい」と歌うような曲は選べない。 「君を忘れたい」と歌う歌は、忘れたい人ではなく忘れたくな

          30DaySongChallenge #4

          30DaySongChallenge #3

          2020.5.13 DAY3 A song that reminds you of summertime GOING UNDER GROUND / グラフティー 「夏になると聴きたくなる」曲はたくさんある。 Summer song、サマージャム'95、よる⭐︎かぜ、(各種バンドの)江ノ島、黄昏サラウンド、夏の扉、渚にまつわるエトセトラ…… 2時間分程度のプレイリストならすぐ作れそうなくらいすらすら出てくる。 一方で「夏を思い起こさせる」曲はそう多くない。曲が流れ

          30DaySongChallenge #3

          30DaySongChallenge #2

          2020.5.12 DAY2 A song you like with a number in the song 2065 / ザ・コレクターズ 2日目にしてなかなか選ぶのが難しいお題が来た…… この曲は1988年のセカンドアルバム「虹色サーカス団」のラストに収録されている。 スピッツの草野マサムネが「パンク路線を脱するきっかけとなった一枚」として紹介していたのがこのアルバムだ。 マサムネさんのラジオ「草野正宗のロック大陸漫遊記」でコレクターズ特集回を放送した際

          30DaySongChallenge #2

          30DaySongChallenge #1

          2020.5.11 DAY1 A song you like with a color in the title Our blue / Balloon at dawn 色が入った曲と聞かれると、真っ先に青色が思い浮かぶ。 物心つく前から実家の車でかかっていた「青い車」、バンドに興味を持ちはじめた高校生の頃に毎日のように聴いていた「君と羊と青」の影響だと思う。 今回は大学生のときに出会った「Our blue」という曲について書きたい。 大学で所属していた部活には、

          30DaySongChallenge #1