「音楽の趣味が合う」

全ての表現は自分の手元から離れた瞬間に自分のものではなくなる。
どれだけ注意深く言葉や態度を選んでも、心の中が完璧に伝わることはない。
だから、自分の気持ちを表すことが苦手だ。
齟齬なく伝える術を持たない感情は隠してしまいたくなる。
伝えたいことが格納されている脳の中のフォルダをまるっとコピペできればいいのに、と思う。

音楽はそんなぼやけた思考にピントを合わせて、言葉にしたかったアレコレを代弁してくれる。
夜中にぽつぽつ語る哲学よりも、「自分のこと歌ってる」と思った曲を集めたプレイリストの方がよっぽど正しくわたしを伝えている。

わかったような声色でわたしの話を肯定してくれる人より、「あの曲のあの歌詞がいいよね」と何気なく会話した人の方が強烈に記憶に残るのはそういう理由だ。

シャッフルで流れた曲が起爆剤になったので、覚書。

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