みんなの旋毛(つむじ)
いつだろうか。
自分がちょっと周りと違って特別なのかと思う時があった。
幼いながらの勘違いのひとつだけど
あれは1度や2度の経験ではなかった。
あなたが何を思っているのか分かる。
あの人が言いたいこと、言われたくないことに気づく。
君が必要な言葉と物が伝わってくる。
「あぁ、そんなこと言ったら彼が傷付くじゃないか、なんで気付かないんだ?」
気にしているのがわからないのかな。
先生が、友達が。
必要な物。必要な言葉。聞きたくない言葉。言われたくない事。
いつからか分かるようになって。
それを気にせず口にする彼と私は違うと感じることがあった。
ちょっと特別で、みんなよりちょっと大人な気がした。いやそうだった。
会話はキャッチボールじゃなくて
明らかにバッテリーだった。
キャッチャーとピッチャーが居て。
キャッチャーの要求した球を投げる物だと思ってた。
無造作に、好きに投げられるのは練習のキャッチボール。
そう。 みんなは練習。練習。練習。
自分はいつも試合をしてるのだと。
だからボールがバッターに当たったときはすかざすフォローを入れるのも忘れなかった。
けど、年を重ねると、それを見張る審判も現れた。 試合をしてる人もたくさん現れた。
ときにキャッチボールの方が評価されることも増えた。
あの頃見えたみんなのつむじは
自分の背が高いわけじゃなくて、背伸びしてただけだと気がついて。
背伸びをやめたとき。 本当は真ん中より少し前だったな
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?