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多分、もうあの頃のわたしはいない
今日、道を歩いていて気づいたことがあった。
「人混みが苦でなくなっている!」
わたしは、人混みが大の苦手だった。特に、中高生の頃は苦労した。イライラして人に当たることも多く、迷惑をかけていた。
それからというもの、対処法は見つかった。イヤホンをつけて、音楽を聴く。心を無にする。コーヒーを飲む。それでも消耗は激しいので、帰ってよく休む。
なぜ苦手なのか、その理由は「雑多な音」と「人との距離感」にあると思っていた。
一定な音やリズム、静かな環境が居心地よく安心できる。
自分のパーソナルスペースは、ある程度確保したい。初対面でフレンドリーに話しかけてくる人とは距離を置きたくなる、それ以上近づいてこないでほしいと無意識に思う。
今日、人混みを何のストレスも感じなくなった自分を観察して思ったのは、慣れたわけでも、感覚が鈍くなったわけでもないということ。
きっと、自分の思考は、自分で守ることができると自覚できたことによる。
流されまいと、侵されまいと必死になっていた時期。それから、長い時を経て、自分の感覚を大事に生きるようになった。流されることも、侵されることもないと、実感できる。
この変化って、すごいことだと自分で思う。
日常の中で、見過ごしがちなほど、小さな変化。しかし、これまでの自分はもういない。感じ方も、捉え方も全く変わってしまった。
これまで長かった。
長かった道のりを思い返すと、よくもまあ、やってこれたなと、しみじみ思うと同時に、少しばかり寂しさも入り混じる。
悩んだことも、必死でもがいていたことも、今の自分からすると、同じような感情はもう味わえないのかもしれないから。
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