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文章の色合い

わたしの書く文章はどんな色彩を放っているのだろう。

言葉には色がない。声が持つ柔らかさ、あたたかさ。表情から醸し出されるその人の人となり。
そういったものは、文章だけでは、わからないことの方が多いのかもしれない。それなのに、いろいろな人の文章を拝読させていただいていると、その人の書く文章の色合いというのを感じられる。

読んでいるだけでエネルギーをもらえるようなパワフルで明るい、太陽のような色彩を放つ文章もあれば、読んでいると心がしぃんと鎮まり心地の良い距離感で寄り沿ってくれるような夜の濃紺の色を予感させる文章もある。

そんなことを考えていると、この前、たまたま見ていたテレビの中で、はっとさせられた言葉を思い出した。

それは、お笑い芸人の笑い飯の西田さんの言葉で、今年「M-1グランプリ」に挑戦するスリムクラブの真栄田さんに向けた言葉だった。「M-1グランプリ」は、結成から満15年以内が出場資格とされているようで、スリムクラブは今年挑戦できるのが最後となる。

詳しく覚え切れておらず、伝えたい意図と異なる部分もあるかもしれないが、こんな言葉だったと記憶している。

M-1の舞台に立った芸人は、もうそれだけでほんまにすごいことで、優劣のつけようがない。
何が一番なのかなんてつけること自体がほんまに難しいことで、本来できないこと。
でも、舞台に立つ芸人が、その芸人の色を思い切り出せるかどうか。青なら、「思いっ切り青」 赤なら、「思いっ切り赤」そんな風に全力で自分たちの色を出し切ることが大事なのではないだろうか。

この言葉の中で、色のことを例にあげて話されているところにものすごく納得させられたし、芸人だけの話じゃないと大きな気づきがあった。
(余談です。まさか、笑い飯の西田さんに深い気づきをもたらされるなんて思ってもみなかった。いや、誤解のないように、大ファンでした。めっちゃおもろいと思ってました。大学生の頃、大阪のbase吉本にも舞台を観に行かせてもらってました!こんな深い話をされるなんて思ってなかっただけです)

文章の話に戻ると、自分の軸がはっきりあって、その人の色合いが滲み出ているような文章を読むと、読んでいる人も「この人の文章は何か違うな、好きだな」とか、「自分にしっくり合うな」とか惹きつけられるだろうし、その逆で、「なんか合わないな」と自然と遠ざかっていくこともあるだろう。
ただ、それはその方がよくて、自分が心から伝えたい人や、自分の心と惹き合う人と繋がるためには、自分の文章の色合いがはっきりしている方が繋がりやすいのかなと思う。

はじめに戻ると、わたしの書く文章はどんな色彩を放っているのだろう。

まだ迷いながら、はっきりとわからないまま文章を書いているわけだが、そんなプロセスも自分の色を作っていくのだとしたら、今の自分そのままを大切にしていこうと、そう思いながら文章を綴っている。

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自分は他の誰かになろうとしなくていい

自分が自分で在ればいい

それこそがその人の色を創るエッセンス

それが人を惹きつける魅力になっていく

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