マガジンのカバー画像

これは小説です。

71
勢いで初めてみました。 短編小説を投稿していく予定です。マガジン名悩み中。
運営しているクリエイター

2021年2月の記事一覧

あちらもどうやら世知辛い

あちらもどうやら世知辛い

 時間帯は夜9時、帰り道に公園を通ったら一人の子どもが遊具で遊んでいた。

そこまでは良かったのだが、周りに親がおらずその子ども自体も異様であった。暗闇の中で分かるほど異様に肌が白く、麻袋のようなワンピースを纏って滑り台を滑っていた。

 こちらを振り向くと目の中が黒く、そこには眼球がなかった。いや、眼球全体、角膜が真っ黒というべきだろうか、黒いガラスが公園の蛍光灯を反射して映っていた。

 そん

もっとみる
彼女の風習

彼女の風習

某日、焼き肉を食いながら友人が話した。
友人の彼女にはある習慣があった。
正月に食うおせちと近くで取れた人間の臓器を入れ替えて、臓器を焼いて食べるらしい。
「最悪だろ?」
と友人は言った。
「最悪だよ。なんでそれを今言うんだよ。」
「誰かに共有したくってさ、お前も俺も最悪だ。」
 肉は焼けて油臭い臭いが鼻を突いた。

画像は下記のものを使用しました。

こちらの作品はしゃくさんしん(@sansan

もっとみる
山に呼ばれた男5 (終)

山に呼ばれた男5 (終)

「なぜここで性行為を?」

 私はぐったりとしてベットに横たわったまま女に質問をした。

「山がそう言うからです。「子を成せ。」と不定期に言うのです。その声が聞こえるとその日に男がやってきます。最初は山で性行為をしていたのですがそれだと不憫でしたのでロッジを建てました。それでは、私はそろそろここを出ます。ここも俗世のものですから長居はできません。なにかほかに聞きたいことはありますか?」

 見ると

もっとみる
山に呼ばれた男4

山に呼ばれた男4

「ちょっと待ってください。いきなり性交だなんて無理です。第一あなたが病気をもっているかもしれない。それに私は今のままではとても性交ができるような準備はできていないです。」

 私の身体はそのままベットに横たわられ、女はまたがる。ベットは高級ホテルのようにふかふかで身体に沈み込んでいった。

「あぁそれに関しては問題ありません。病気はおそらく大丈夫でしょう。太郎さんが性交の準備ができていないというこ

もっとみる