見出し画像

日本代表の強化について

2023年はW杯イヤーとなります。短期的、中長期的な観点からも男子日本代表(以下、代表)の強化は、バスケ界にとって最重要事項であることは言うまでもありません。JBAとしてだけではなく、Bリーグとしてどのように代表強化に貢献していくかの手段はともかく、重要性を前回のB1.B2実行委員会、理事会でもあらためて熱く語らせていただきました。

Bリーグとして代表強化に貢献する手段や各論、クラブ経営に対してどのような影響が出るかの詳細な検証はこれからですが、方向性については合意をいただいています。2026年将来構想に向けて、リーグの制度設計の構築の際に、「代表強化に資するのか、本質的なクラブ経営力の向上に資するのか」をブレない判断軸として決めていくことを確認させていただきました。

明らかなことは、中長期的に代表強化は、クラブ経営を助けることになります。代表が強くなり注目をあびることになればバスケ界のプレゼンスの向上になり、その恩恵を間違いなく各クラブは受けるからです。しかし、代表強化にフォーカスし過ぎると短期的にクラブ経営を圧迫する可能性もあります。例えば、代表強化合宿やテストマッチなどを確保しようとすればシーズンの試合数問題も議論の対象になるでしょう。また、試合数を確保しようとすれば主力を欠いてリーグ戦を継続せざるを得ないクラブがでてきます。こうなると公平性の課題も浮上してくると思います。

なかなかシビアな問題です。渋沢栄一氏の「論語と算盤」ではありませんが、共に重要で業界発展のための「鶏たまご」なところはありますが、共存させることで解決していかなくてはなりません。

どのように解決していくか。まずは強化のための理想、クラブ経営のための理想を極端なアイデアになっても構わないので全て浮き彫りにします。その上で理想を追求した場合にネガティブな影響を与えるものと、そうでないものを区分しながら実現可能性の難易度を整理していく必要があると考えています。また、利害の不一致する部分を顕在化させて、全体感を鑑みて整えていく。このようなプロセスでこの難題にBリーグとして立ち向かいたいと思っています。

まずは、事務局で整理していきますが、私も有識者の話を聴きながらリアリティを持つようにしています。しかし、短期的、中長期的に利害の不一致は必ずあるので、最後はリーダーシップしかないかなと思っています。Bリーグの制度設計だけでなくJBAとの協議、調整も必要不可欠です。団体ごとの個別最適の議論にならず、バスケ界全体で日本代表を強くする!という強い決意をもって実行に移していかなくてはなりません。

代表強化をすすめるためには、資金も時間も必要なのも事実です。今、海外やBリーグで活躍している選手を強化することのみならず、普及、育成、強化という次世代含めたロングスパンの仕組みも重要です。本件は、短期的、中長期的の両面併せ持ってすすめていくことも大切です。

短期的には、2023年のW杯、出場が約束されていないパリ五輪出場は最重要事項です。ここでの結果が、中長期的にバスケ界に大きな影響を与えることは間違いありません。Bリーグの未来、クラブ経営にも直結するでしょう。同時に短期のみならず中長期なバスケ界の強化プラン、ビジネスプランへBリーグとしてどのように貢献していくのかの具体策の構築、実行を進めなくてはなりません。難易度は高いですが、2022-24は、Bリーグのみならずバスケ界にとっても勝負となります。

バスケ界を未来に繋いでいくためにも大局観を持って決断していく重要性を感じています。Bリーグの立場から代表強化に貢献する、JBAの立場でも両団体のバランスをとる上でも責任を果たしていきたいと思います。代表の強化に関わる素晴らしい人材はたくさんいます。その人材を生かすも殺すもバスケ界の経営力に他なりません。強くすること、強くするためのサポート体制を充実させるビジネスの成長にも尽力しなくてはなりません。代表スタッフ、選手たちをサポートして世界ランキングをどんどん上げていきましょう。

お読みいただきありがとうございます。記事を良いと感じていただけたら、ツイッターなどで記事を紹介していただけると嬉しいです!