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白井健康
2019年11月26日 12:50
脳内震盪(1) ゆく人の影で寂しくなる影があなたの影と区別されないその影に日輪を隠し爆発を身体のなかに閉じ込めているひかりを知らない臓器の関係性をスクランブル交差点が語りはじめる真ん中ほどから増殖してゆく鳴きはじめの動物臭縫合糸の煩悶チェロの傾斜の譲歩ベクトルは下方修正され凹んだ部分の体液が恥ずかしい風により不気味に消される黒板とまちがいやすい犬サフランの眼チョークのなか
2019年11月19日 10:34
記憶 更地になったそらの手前に雲がある朝 かたちをかえてゆくのにここに居たことの偶然はいっしょで必然は小さなリードの長さほどの範囲の 本当 犬のここが玄関に違いなかった 足を温めながら 父も踏みしめただろう、かつてのいくつかの箇所で体幹をずらしながら鳥に転化している植えてあった日々の 柿の木の高さほどに想起してみる全体の配置をおさらいすれば、居間へと続く倉庫の通路を繰り返し移
2019年11月14日 11:45
風、詠うための、詩のことばをたしかめるためテクストを再読する。疲れたのか、南の窓から、何処へいくというでもなくひかりの揺れによって確認できる。リアリティを得るために触れたら、と幾度か言われたことを、ことばになるまで窓をスライドさせるようにずらしてゆくと、区別は曖昧になり静かに落ちていることが伺える。それを以前、伝えたことがあって、かれと前後左右のはじめもおわりもなくわたしへと話しかけていた。鳥
2019年11月1日 22:39
音葬 標がちがうから深爪をして確かめたくなるうみはうみのみうの音に口腔が産道となる春の儀式の雨の日の呻きは永久(とこしえ)のうみがうみを崩壊するみうにもどる前日のうみと呼んだひとのみうだけが明るい *ことばはうみのおおきさの遺書かたりつづける水平線の罪息遣いの擦れ雨を呑み干すとき悲しくもないのに吐き出してしまう鎖骨とかひかがみとか内水の羞恥だ