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詩歌

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記事一覧

「すべては引用から始まる」

いつわりの襞、煌びやかに、うみの思い出が、物語の、毒を盛る。
定義できる、と右手から左手へゆける、うみの接触、失敗だ。
鏡のせいだ。甘やかなきみの死が、その度ごとにきみよりおくれる。
鏡、それはエクリチュールのなかに組み込まれた手続きでもあって、
ページのうえに、「すべては引用から始まる」、あの切先のせいだ。
きみの右手からぼくの左手がうみへ行ける、といつもきみから遅れる。
「ぼくはこのうみ(この

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回転運動

(音読しては)侵略され増殖するテクスト、へ「々(同の字点」(:楔)を打ちこむ

風景と呼ぶそれの、無傷のまま残ったものなどなにひとつもない。テクストも同じではなかったか。万人が一様にイメージを抱くものへと集まるように集団や体系が生まれた。そうした慣習、アスファルト、句読点、マクドナルド、肺臓、傷のあるものを持ち帰り、津波のように押し流し浄化する必要があった。句読点や引き抜かれたテクストが毒を持ちは

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流れから抜け出す点、を語る。

ことば、が燃えていた。語られたあとの、燃焼の法則により歪められ、一羽のとり、が投影される、彼女へ手を伸ばそうとしてなにも確かめられない鏡の、歌い終えたあと縁(外、背景)へ戻り、まわりのすべてが重くなってしまう、灰になった、語りえなくなった外面の、貼り付けられていた部屋、いくつかの線や色が見出される、僕たちの「始まらずに済んだであろう増殖*」、そして「比較」により、「無数の精液の計りしれぬカミソリを

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ぼくが生まれる前の生涯に

砂州のなかを、ははのほうへ歩いてゆく。遠く乾いた振動だけを
足もとの性(セックス)に手をかける。うみのなかに浮かび出るため、に
うみ、の腕は吸いとられなにも始められない。まるで布衣のような
余白に ははのぶんのうみ、の死んでしまう死、柔らかく浮き沈む瓶
      *
うみにいる(うみはここにある)、の切りぬかれたぼく。湾曲する岬までの路が、ぼくのぶん、その途切れたところから、ぼくを繋げる。世界が

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僕たちは踊っている。

切断。された、くび 芽 (結び。つ、き、た、い、落、下、)があるのだ。まだ生きている。

まず、発音されるはずのない、綴られることのない、オ、ト。に口を開けたまま、この殺人から、生まれる、はじまり、が。幾つもの枝を揺らして、鳥たちとべつの、オ、ト。を選んでいた。はは、が迂回路とよんでいた、槙の生垣の迷路、に戻ってゆく。勃起スル、切断スル、首ノヤガテ、自己ヲ提示スルタメニ、殺人ハ繰リ返サレル。
分割

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二重の底

ようやく、それぞれの隠しもつ穴、が露わにされ、自ら舞台に入る(電気柵を抜け出し、アスファルトの霧、土はほほえみながら死ぬ、みずは磨かれ、コインをおし黙り、羊蹄の蔓延るシンゾウの、歯間のニラが踊る、きっとははの井戸へと落ちるのだ。午後はいつも袋詰めされた衣服の山に遊んだ。粉砕されるまえの衣服は人間の腐った匂いがした。演劇は、複製されたわたしやもうひとりのわたし、わたしに与えられ、過ぎ去ったように一度

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見せかけ(シミュラークル)のエクリチュール

毛糸を編む針で子を刺した。この手が未来形を、過去形を、演ずる。
鏡を破ることはなく、時間の合わさる場所に(合わさる代わりに)テクストを書く。
「夜 毛糸と森が入れかわるー現在と半過去のねじれーを縫いつける。
この黙劇ー循環するエクリチュールーは邪なイデア(観念)がいそがしい。

付け加えられた蝶番、はむなしく揺れうごき、抱えては乳房がもうない。動かない(動けない)母の順番を数えては、部屋、反復する

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始動

偽りーと、言えるのかどうかーの繰り返しの外見、いつもひと<離>、をさびしがり、テクストを呈示スルふりをする、左側からはじめて、右側へと丁寧にたたんでは、待ち受ける床へと、間違わぬよう、新たな森を再ー呈示する、自らをひっそりと差し引くのだ、窓際の、わたしがおかれる新たな日差しー「あの」午後、男たちの賭けのなか、やわらかく狙っては、テクストに森を真似ている
この黙劇、循環するエクリチュールは邪なイデア

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始動

袋のなかの死んだわたしは、いつか袋の外に落ちる代わりに、落ちながら、つま爪楊枝くらいの分枝を予感している。わたしは死者のなかに混ざった、ひとりの死者であり、死は地上に刻み込まれ、地上から芽生え切り取られた肉体に、切り花を予感しているのかもしれない。
未来へは、一本の針、とりわけ耳から口を貫き、鈍いひかり、が峠をこえた頃に、問題なのは罪に直結しているのかのように振る舞いながら、ひかりを重ね過去を迂回

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円柱(アペイロン)、ことばによってつくられた、うみのように

高さにおいて食べきれず、拡がりにおいて泳げない。唯一の数えきれない現在が目であるように、反復されず単位をもたない。 
ありがとう。
おお、いくつかの道よ、いくつかの扉よ、わたしは、あなたがたを産んだ。そして、あなたがたはわたしを産んだ。けれども、何の役にもたたないテクストに、限りない時の流れは、限りない恥辱をあらわした。同一の数が、お互いを数えるのとは異なり、刃先同士をあわせてはこぼれてしまう。些

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あめ、をしつつ、終える

分割されない瞬間、ひとつのトポスに、あめ、を見聞きし、た。ひとつの尖鋭な瞬間の、あめ、を生きたのであり、あめ、を、分割不可能な瞬間を物語る。あめ、と発語する<とき>、「あめ」は分割されない、と思われた。しかし、「あめ」の発語を可能する瞬間に、「あめ」の発語によって「あめ」が破壊されたのだ。「あめ」、「あめ」、「あめ」、、、、と反復する。反復によって「あめ」は「あめ」の外へと引き出され、「あめ」は「

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し の はまな の 虚構

〜の可能性が構造化を促すという脱構造化によって、その「断裂」によって、断裂が不明瞭となる。書くことなく書き続ける、存在することなく存在する、つまり、〜ことなしに、でもなくでもない、署名しない署名に、もしかしたら、到達しえない(しうる)湖面への一歩、キルゲゴールの質的弁証法の彼方の、乗り越えられない思いが、生なき生が、は、ま、な、の法にの則り、中和するために、その中和のなかで始まったりしなかった終わ

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う、み、の、レ、シ、列、死

う、うみ、は、うみのシニフィアンは、死ぬしかないはは、は、は、が、死ぬのではなく、ふたりが死ぬ、う、み、の、う、み、へ、死ぬ瞬間、に、死な、ず、死は死ぬことを妨げ、は、は、は死なず、テクスト、の、なかへ、回帰死、翻訳不能の、ま、ま、うみ、が、うみ、であるまま、の、(虚偽の、うみ、のように、反響する、その、軽さ、の、感情、が、未だに待機しては、

時間のしるし、が繁殖、スル、ことば、の、持続、非ー持

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ことば、が発語されうる

いま発語されようとすることばが、いま発語されたことばと出逢う、、、、
先取りとしてのことば、それは発語されようとすることば、が発語されたばかりのことばと出会う。そのわずかな時間わずかな差異に、発語されうる、されなければならない、予想される、必要とされる、限りにおいて、ともに出会うのです。ことばは、発語されようとする瞬間に、発語されるのです。発語されるうる限りにおいて発語されたばかりなのです。そうし

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