回転運動

(音読しては)侵略され増殖するテクスト、へ「々(同の字点」(:楔)を打ちこむ

風景と呼ぶそれの、無傷のまま残ったものなどなにひとつもない。テクストも同じではなかったか。万人が一様にイメージを抱くものへと集まるように集団や体系が生まれた。そうした慣習、アスファルト、句読点、マクドナルド、肺臓、傷のあるものを持ち帰り、津波のように押し流し浄化する必要があった。句読点や引き抜かれたテクストが毒を持ちはじめる。万人の持つイメージが、安全といわれた都市や読まれたテクストに毒が盛られる。そして、わたしの静脈に毒が流れるのだった。いつわりの静けさや、眠りながら消滅してゆくものへ、楔のような省略文字がテクストへ打ち込まれ、都市のまんなかへ数本の白線が引かれた。省略文字や白線の意味など理解できずに、ますます守ろうとする、生きようとする鏡の裏箔へと、身体を伸ばした。都市には真っ直ぐな路がある。やがて、彼女の子宮のなかにぼくは養われる。エーテルのような街が再生されるのだった。

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