創作(1)

風、詠うための、詩のことばをたしかめるためテクストを再読する。疲れたのか、南の窓から、何処へいくというでもなくひかりの揺れによって確認できる。リアリティを得るために触れたら、と幾度か言われたことを、ことばになるまで窓をスライドさせるようにずらしてゆくと、区別は曖昧になり静かに落ちていることが伺える。それを以前、伝えたことがあって、かれと前後左右のはじめもおわりもなくわたしへと話しかけていた。

鳥、異なる区域の枝枝を占める葉陰にどちらからともなく時間を促すよう動く。ふたつのうちのひとつを確かめようとするときの連続の交雑や区別が曖昧になり、到達するときの何故という思いが薄れ、硬い書見台の文字だけが有限に到達する。枝枝の背後の風を書き記したあと、自らの解答をすこし傾けて、溢れるように広げてみる。ふたつのうちのひとつづつが何故なのだと思う。

#詩

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