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「店と客」ではなく「人と人」。今、あの店に通い続けるワケ。

どうも10YCです。

今回は10/4に配信した10YC Podcast#11の書き起こしを公開。
第10回に引き続き、シーシャカフェいわしくらぶ店主の磯川 大地さんをゲストに呼んでの開催です。

10YC Podcast #11  「店と客」ではなく「人と人」。今、あの店に通い続けるワケ。
話し手:磯川 大地(いわしくらぶ)、下田将太(10YC)、岡山史興(70seeds)

聴きながら読んでもいいし、聴けない人は書き起こしだけ読んでもいいね。
それではどうぞ!

過去の回はこちら >
#1「10年選手になる洋服とは?
#2「わかりやすいだけがデザインなのか?
#3「束縛しない。自由でいい。人見知り10YCのユーザーとの付き合い方。
#4 「作っているのは「服」じゃなくて「生活」。10YCが考える洋服の価値。
#5「キラープロダクトはなぜ生まれたか?
#6「“お金”と“暮らし”のはなし
#7「10年後、あの角のたばこ屋さんになりたい。
#8「『好み』の違う僕らが、ひとつのモノを作るまで
#9「『まずは自分たち』をブラさない、10YCのものづくり
#10「『なぜ10YCを着続けちゃうのか』ユーザーから見る『ブランドの愛され方』


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下田「はい、10YCのポッドキャストを始めていきます。パーソナリティーの岡山さんです。よろしくお願いしまーす。」

岡山「よろしくお願いします。」

下田「前回ね、いわしくらぶの磯川さんを呼んでの回でした。場づくりの話、面白いですねぇ。」

岡山「やっぱり『場も服も人ありき』ってところがお二人ともつながってて面白かったですね。」

下田「引き続き場づくりやコミュニティの話を磯川さんに聞けたらいいなと思います。いわしくらぶの磯川さんです。よろしくお願いします。」

磯川「はい、よろしくお願いします。」

岡山「この間の続きになるんですけど、自分が物を買うときの理由とか、下田さんが1ユーザーとしてどういうお金の使い方をするのかとか、なんのファンになるのかって話を聞いてみたいなと思ってます。」

下田「僕、物を買うときは分かれますね。人から買うことと、その場で一番便利な物を買っちゃうことの2つがあって。大切な物はなるべく誰かから買いたいかなとは考えながらやっている気はしますけどね。このコロナ禍で、食品とか洋服とか、色々なブランドがBASEとか、STORES.jpとかを使って自分たちのEC(Electronic commerce, 電子商取引)を立ち上げたりしたじゃないですか。それにクラウドファンディングをやってる人も多かった。今まで『地域のこだわりのお店』みたいな感じでやってたけど、こういう状況で難しくなっちゃったから、できるだけECで販売して、みたいな。非対面で物を売っていこうよって流れのときに、『あぁ、こういうの面白いなぁ』って結構ポチポチしちゃいましたね。

岡山「なるほど。例えばなにを買ったんですか?」

下田「例えばラーメンとか。すごくおいしいけどリアルでしかやってなかったラーメン屋さんが、麺とスープを『BASEで売り始めました』みたいな。めっちゃうまそうじゃんって買ったりとか。あとチーズケーキ。『北海道でおいしいチーズケーキ作りました』っていう。僕チーズケーキめちゃくちゃ好きなんですけど、それをたまたまTwitterで見かけて買っちゃうとか。」

岡山「あぁ、GOZO (ゴソ)。」

下田「そうです、そうです。」

磯川「バスク風チーズケーキ。」

下田「今まではコンビニとかコージーコーナーとか、近場で買っていたわけですけど。でも今回のコロナの間に色々な情報がどんどん出てくるからそこで買うようになっていきましたね。流れ的に。」

岡山「確かに。コロナで物を介した人と人の関係の在り方っていうのがいろいろ変わったように思いますね。それこそ店舗でビジネスをやっていた方のふるまいとかいろいろ試されてる方も多かったし。いわしくらぶもいろいろ大変だったと思うんですけど。」

磯川「うん、そうですね。」

岡山「お客さんとの関係性とか、関わり方って変わりました?」

磯川「そうですね。本当にありがたいことに、いわしくらぶを使ってくれている人たちがどんどん『どうですか、大丈夫ですか?』みたいな感じで連絡をくれたり。あとはうちで『未来チケット』を販売させてもらったときに購入していただけたり。それこそ、コミュニティの中にいる人たちからすごく助けてもらったんですよね。でもこうなる前からも何回か助けてもらったことはあって。それってやっぱり僕らがある種、お客さんたちと匿名じゃない付き合いというか、お互いの名前と顔が一致した商売を続けてきたからなのかなってなんとなく思ったんですけどね。いやぁ、ありがたいですよほんとに。」

下田「緊急事態宣言が明けてから一応ごはん食べに行けるようになったじゃないですか、前よりは。僕らとしても、たまの外食だったらいつも行ってる場所に行きたいし。ただ食べるとか、ただ安いとかじゃない。なんかすごくそういう感じになってるような気がするなぁ。」

磯川「そうですねぇ、出かけることの特別感がより上がった感じはありますよね。わざわざ出かけるみたいな。」

下田「そうそう。わざわざ出かけるんだったらやっぱりいつものところに行きたい、みたいな。常連さんを囲い込んでるっていう言い方でいいかわからないですけど、常連さんがいるようなお店の方が、我慢できてるのかなっていう気はすごくしましたけどね。街とか歩いている限りはですけどね。ラーメン二郎とかめちゃくちゃ混んでるんですよ。」

磯川「へー。すごいな、そうなんだ。」

下田「愛してくれている人が多ければ多いほど、やっぱり行っちゃうみたいな。どうせ行くんだったらここに行く、みたいなのをすごく感じましたけどね。」

岡山「なるほど。仕方なくとか、なんとなくで選ばれていた物じゃなくって、ちゃんと理由があって繋がっているところの方がやっぱり強くなってるっていうことなんですかね。」

下田「そうそう、だから磯川さんもそれを意識したりするのかなと思って。選ばれる店舗になるためになにかやっていることとかあるんですか?」

磯川「なんか、選ばれる店舗になるためにとは思ってなくて。自分が社会のレールから外れたときに、街のいわゆる商業的な店舗が僕自身を受け入れて育ててくれたんですよね。街の色々なお店の店主から色々教わって育ったみたいな。だから自分たちの店もそうありたいなっていう風に思ってて。そうなるとお客さんと店側の関係性も、自然に客と店じゃなくて、人と人っていうことになるんですよね。そういう原体験から、僕たちは匿名的な関係性での商売ももちろんやるけど、できれば名前も知ってるような感じの間柄になっていきたいなっていうか。本来はそれが商売なんじゃないかなって僕は思うんですよね。」

下田「ほうほう。」

磯川「要するに交換するわけじゃないですか。でも、価値の交換って言ってみれば別に必要ないんですよ。」

下田「必要ないんだ…。」

磯川「だって基本的には自分で取りにいけばいい話で。だけど交換するってことは、なにかしらその人と交換したい理由があるわけで。そうなるともう、誰から買いたいか、みたいなことで。僕らは好きな人に対して接客したいし、僕らを好きな人に来てほしいっていう。」

下田「『お客様』ってイメージではないってことだよね。たぶんね。」

磯川「そうね、そうね。あんまり『お客様』っていう感じはないかもね。」

下田「そんな感じするよね。ちゃんと話しかけるもんな。」

磯川「『最近どうすか』みたいなね。」

下田「『なにやってんすか』とか。よく聞きますもんね。」

岡山「なんでお二人はそういう関係性になっているんですか?お客さんと名前、ちゃんと顔が分かって向き合う、みたいな関係に。磯川さんの場合は場のビジネスだし、お客さんと直に触れることが多いからまだ分かるとして。10YCの場合ってネットで、しかも着る物を売ってるっていう状態で、どうやってお客さんと顔が見える関係になっていくのかなって。」

下田「どうなんですかね。でもたぶん顔が見えてない関係の方が10YCは多いですよね。もちろんポップアップに来てくれるお客さんもいるけど、ウェブサイトで買ってくれる人の方が全然多いので。でもその中でも、見えてなくても、見えるようにしてもらえるような関係性にはなれるような気はしていて。すごく人がいないイメージあるじゃないですか、ウェブサイトで買うって。機械で梱包されて、ただ送られてきて商品が届いて、着る、みたいな。たぶんどこのアパレルもそんな感じだと思うんですけど、うちはできるだけ『人がいるよ』っていうことをアピールするかな。

磯川「あの手書きのね、しおりとかね。」

下田「そうそう。送るときはちゃんと手書きで書いて送るとかも。ウェブサイトで販売するとどうしても無味無臭になっちゃうんですよね。それってすごく嫌だなって。送る側も送る側でちゃんといるのに。うちはウェブ100%からで、そのあとにポップアップを始めているので、ウェブのコミュニケーションをポップアップに持っていったみたいな感じですね。」

岡山「そうか。それが面白いところなのかも。例えば場だったら、1回行って満足して終わり。服だったら1回買って満足して終わり、みたいなことじゃなくって、そのあとやっている人とつながりたいと思うお客さんが出るっていうのは、どういうところにあるんでしょうね。お互いのブランドに対してどうして『この人とつながりたい』とか、『この人と仲良くなりたい』とか思ったんですか?磯川さんは下田さんと仲良くなりたいと思ったし。下田さんは磯川さんと仲良くなりたいと思ったし。」

磯川「や、あんまりね、仲良くなりたいと思ったことはないんですよね(笑)」

岡山「(笑)」

下田「そうだよねぇ。結構難しいですよね。」

磯川「難しいですね。僕自身は単純に10YCの商品に惚れ込んだっていうのはあるんですよね。でね、なるべく目立つように買うっていうか、知られるように買う、みたいな。『僕10YC買いまーす!』みたいな。わざとデカい声で言う。そうすることによって、ブランドの人に認知されるわけじゃないですか。『こいつまた買ってんな』みたいな。自分が惚れ込んだ物に対しては結構自分から相手に突っ込んでいっちゃう感じはありますね。単純に下田さんと仲良くなりたいというよりかはもう、完全に10YCの商品が好きっていうことなんじゃないかなと思うんですけどね。やっぱりね。」

下田「今となってはね、いつの間にか仲良くなってしまいました、みたいな感じがあるからね。なんでそうなったかにヒントがあるような気もするんですよ。」

磯川「共通のなにかがあるんじゃないかなと。思いみたいなもの。」

下田「うんうん。ゆるさっていうか。この間話した『余白』みたいな、知りたくなるところがある気がするんだよなぁ。もう1回行きたくなるとか。1回で全部知れないとか。」

磯川「なるほど。分かりにくさ、みたいなやつ?」

下田「ある種分かりにくさみたいなところ。うまく言語化できないんですけど。」

岡山「分かりにくさ。」

下田「うちはポップアップに来ると、すごく10YCを知れるってところあると思うんですよ。ウェブサイトにももちろん書いてあるけど、それ以外のもっと奥のところまで10YCのことを知れる場だと思うんです。だからポップアップに来たいと思える人が多かったりするのかな、とか。でもそうすると、ウェブサイトが分かりにくくてポップアップが分かりやすいっていう話になっちゃうんだけど、そういうわけでもなくて。色々なことについて知りたいからその場所に行くっていうのがあるのかな。僕が磯川さんに会いたいときって、自分が考え事してるときに話したいからなんですよ。」

磯川「あぁ、なるほど。」

下田「そう。『俺はこういう風に思うんだけど、磯川さんにちょっと話をしてみようかな』みたいな。」

磯川「いわしくらぶ的には割とそういう人って多いかもしれないですね。」

岡山「スタッフとお客さんとの話の中で、いわしくらぶを舞台にホットドック屋をオープンすることになった、みたいな話があったじゃないですか。それもそうですもんね。」

磯川「確かに。」

岡山「そうか。ただ単純に物を買うとか、サービスを受けるっていう関係性じゃなくって、お互いに一緒に生み出せる関係なのかもしれないですね。さっき下田さんが『磯川さんと話してるとこういうことが生まれる』と言ったみたいに。」

下田「うんうん。」

磯川「やっぱり余白があるが故に、堀り甲斐があるっていうか、関わりしろが大きいので、そこでまた色々生まれてくるっていうのがあるんじゃないかな。広場。

下田「そうなんですよね。『余白なくして分かりやすくしろよ』って言われることもあるんだけど、全部ツラツラと説明されてるとそれはそれでまた違ったりするんだよね。分かりにくくしようとしてしてるわけじゃないんだけど、やっぱ掘り甲斐があるみたいなのが面白いよね。」

磯川「そうねぇ。」

岡山「分かりにくいが故に、相手に対してとか、商品に対して興味を持ち続けられるっていう側面。」

下田「そう。言葉にすると平易になっちゃうことってあるじゃないですか。このポッドキャストもまとめると、これ、これ、これ、で終わっちゃうかもしれないけど、こういう風に色々なことを喋っていくから納得いくことってあると思うんですよ。それが価値なのかなって思ったりします。」

岡山「ある意味『こうです』っていうのがバシ!バシ!と伝わってこないからこそ、ブランドとしてやってく意味があるってことなのかもしれないですね。」

下田「俺らもそもそも定まってないしね。自分たちでも自分たちが分かり切っていないところがあるかもしれない。ユーザーさんと話していく中でちょっとずつ自分たちも言語化できていく、みたいな。」

岡山「まさに今日の収録がすごくいい例というか。この場で話しながら答えが形になっていくようなところがありますもんね。」

下田「形になりましたかね、大丈夫かな(笑)」

岡山「今回、磯川さんとお話させてもらって、気付かされること多かったですね。もうちょっと掘りたいですね。」

下田「もう1回次回、呼びますか。」

岡山「呼びましょう。」

下田「結局ね、『ここまで行きたい』ってところまで行かないですよね。このポッドキャストって。」

磯川「(笑)」

下田「結局、前打ち合わせで『ここに着地するといいよね』と言っていたところまで行かないっていう。また次回ね、来ていただきましょう。」

岡山「そうですね、リターンズ。」

下田「場づくりのところ、結局、分かんねぇなで終わっちゃった気がする(笑)」

磯川・岡山「(笑)」

岡山「それがまたこのメンバーらしいっちゃらしくていいですけどね。」

下田「パッパッパッていかないっていうね。紆余曲折あってね。それがポッドキャストのいいところかなって思います。本日は、いわしくらぶ磯川さんに来ていただきまして収録してきました。また次回来ていただけますかね?」

磯川「はい、もちろんです、いいとも!」

下田「はい、いいともー!今回も、楽しくお話させていただきました。10YCポッドキャストでした。お二方ともありがとうございました!」

磯川・岡山「ありがとうございました!」

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