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作っているのは「服」じゃなくて「生活」。10YCが考える洋服の価値。

どうも10YCです。
今回は5/10に配信した10YC Podcast#4の書き起こしを公開。

聴きながら読んでもいいし、聴けない人は書き起こしだけ読んでもいいね。
それではどうぞ!

過去の回はこちら >
#1「10年選手になる洋服とは?」
#2「わかりやすいだけがデザインなのか?」
#3「束縛しない。自由でいい。人見知り10YCのユーザーとの付き合い方。」

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下田「10YC Podcast第4回を収録していきたいなと思います!10YCの下田です。第4回、ゲストは変わらず70seeds編集長の岡山さんです。」

岡山「よろしくお願いします。」

下田「第3回はユーザーとの関わり合い方みたいなところについて喋ってきましたけれど、第4回はどんな話をしましょう?」

岡山「この間の話の中で、ユーザーさんと10YCってブランドとの関わり方が凄く自然体だよねみたいな話をしていたと思うんですけど。そこから、なんで10YCのユーザーさん達って、10YCを買っているんだろうみたいな話を聞きたいなと思って。世の中に色んなブランドがある中で、なぜユーザーさんたちは10YCというブランドを選ぶのか。そんな話を聞きたいなと思ってます。下田さんから見てユーザーさんたちが買う理由みたいなところって何か考えていることありますか?」

下田「そうですね…。何ですかね?もちろん自分たちがいいものを作っているっていう気持ちはあるので、品質って言いたいところもあるんですけど、品質ももちろんありながらも、多分僕らが思い描いている理念みたいなところがすごく共感していただいたり、応援していただけているのかなっていう気はしますね。」

岡山「理念って言うと、例えばどういうところが特に支持されているというか、興味を引いてるなって思いますか?」

下田「人によってだとは思うんですけど、10年着続けたいと思える服を作るみたいなところのスタンス。10YCは2年何か月くらいしか経っていないから実際10年着られるかどうかはまだ分からないですけど、そこを目指すんだっていうスタンスだったりとか。そのスタンスを貫いていけばもっと着る人も作る人も豊かになっていくみたいな、そういうところに共感してもらっているのかなっていう気はしますけどね。」

岡山「なるほど。確かに普通の服を買う感覚でいうよりは、値段を見て買っていない感じってありますよね。10YCのユーザーさんって。」

下田「そうですね。もちろん、『6,500円くらいのTシャツが10年着られたら1年650円じゃん』みたいな方もたまにいらっしゃるんですけど、そういうよりも、そうですね…、何がいくらかっていうよりも、『Tシャツ』というものを買うっていう感じじゃないですよね。もちろんモノとしてTシャツは届くけど、Tシャツを買うっていうよりも、もっと大きいものを買っているっていうイメージは結構あったりしますね。

岡山「そうなんですよね。買う理由みたいなことを考えていった時に、ユニクロの服とか、機能性が高くてそれなりにデザインが良い服って、コスパがいいという言葉をよく使われると思うんですよね。これがあれば他にいらなくなるからコスパいいよねみたいなこととか。だけど、10YCのユーザーさんからコスパっていう言葉は聞かないなっていうのは気になっていたんですよね。」

下田「あー…コスパ悪いもんね(笑)」

岡山「悪いですか?(笑)」

下田「いや、まあ悪いとは言わないですけど、何かそうではない気がするよな。なんかこう…例えば10YCがコスパを定義するとしたら、価格とモノのコスパではない気がするんですよね。10YCの洋服を届けた先の生活にいろんな影響が出ていて、それを価格と割り算した時のパフォーマンスがいい気がするんですよ。」

岡山「うんうん。」

下田「だから、商品が1,000円だからコスパよくて、着るだけでいいよね、みたいな話ではないから、目に見える金額ではめちゃくちゃコスパ悪いと思うんですけど、10YCの洋服が与える体験とか生活に対するコスパっていうのはいいのかもしれないなとたまに思いますけどね。」

岡山「なるほどね。生活とか体験のコスパって面白いですね。商品単体で見ない感じというか。」

下田「商品単体というか、購買としては見てないですよね。もともと10YCが『売ることよりも使い続けてもらうことを大切にしよう』っていうプロダクトコンセプトを持ってやってるので、買ってもらうことももちろん大切ではあるんだけれども、使い続けていく上でお客さんが感じる体験とかっていうのをもっと大切にしたいよねみたいな感じで作っているので。そういうところを比べてパフォーマンスがいいって言うんだったらそういう言葉が使えるかなと思ったりするんですけどね。」

岡山「面白いですね。生活に対するパフォーマンスっていう話、次の5分で掘り下げていきましょうか。」

下田「そうですね。」

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下田「生活とパフォーマンスってなかなか見えにくいですよね。僕らも売っていて思いますけど。」

岡山「うんうん。」

下田「目に見えないっていうか、目の前にはないじゃないですか。実際買ってもらわないと分からないところなので難しいなと思いながらやってますけどね。」

岡山「その買ってみないと分からないみたいな話って、ちょうど最近ビデオ相談とか、10YCで始めたじゃないですか。返品送料無料とか。あの辺の話も結構通じるんだろうなと思ってて。例えば、価格で勝負してる、要は安くて買ってもらえる、安いわりに品質が良いブランドってそこで勝負できないと言うか。一個一個の商品に対して、時間をかけていられないんじゃないかなと思っていて。」

下田「はいはい。」

岡山「そこの商品から得られる利益もどんどん小さくなっていくし、注文も全部オートにして、レジに人員を割かないようにしてとか、徹底的に合理化に走ると思うんですけど、そういう意味で10YCがお客さんに対して生み出している価値って、結構その逆を行っているなって今話してて思いましたね。」

下田「なるほどな。確かにそういうのはあんまり考えないですね。それはそれで経営としてはあんまりよくないんでしょうが(笑)とりあえず、おもてなそうよみたいな。やっぱり後悔はしてほしくないなっていう。買い物で良くないところって、僕が一消費者として感じるのが、期待値と合わないみたいなのが一番良くないなと思っていて。こういう触れ込みだったのに買ってみたら全然違うじゃんとか、画像で見たのは凄く格好良さそうだったけど買ってみたら意外と貧相だったみたいな。結構通販ではあると思うですけど。そういう体験ってあんまりよくないよねって思って。そんなに安くもない買い物ではあるので、もう少しこう納得感って言うか、納得して買ってもらうためにはそういう仕組みが大事なのかなと思って始めたんですけどね。」

岡山「なるほど。反応っていかがですか?結構試してみるお客さん多いですか?」

下田「そうですね。返品送料無料の方は多いですね。やっぱり人って試したいんですね。今店舗には行けない状況だから、実際に見るところがないからそういう風になるんでしょうけど。違うサイズ買って両方を試してみてどっちかを返すみたいな人もいますし、いろんな商品の同じサイズを買って、自分が好きな商品を買って返すみたいな人もいます。結構お使いになられる方多いですね。」

岡山「そう考えると、やっぱり10YCがやっていることって、価格を下げたりだとか、セールしたりだとかクーポン出したりとか、そういうことの対極にあるんじゃないかな?っていうのは、聞くほど思いますね。」

下田「そうですね。」

岡山「お客さんも別にそれで喜ぶ訳じゃないと言うか。」

下田「喜ばないんじゃないかな?特に10YCのお客さんは。」

岡山「僕自身、別にクーポン出てるからとか、値下げしてるから買おうっていうのはあんまりないですもんね。」

下田「しかもなんかこう…例えば『着る人も作る人も豊かに』っていう理念に共感してくれているんだったら、値下げすることで作る人にも影響が出るっていうのは間違いないので、そういうところも含めて応援してくれている人たちにとっては多分値下げとかそういう問題じゃないと思うんですよね。

岡山「うんうん。」

下田「だから前も話しましたけど、自分たちが伝えきれてないっていうところが一番大きいのかな。あとは不安で買えないとか。値段が高いからじゃなくて。10YCもちろんいいブランドでいい理念を持っていると思うんだけど、実際自分の生活に落とし込めるかって一回触ってみなきゃ分からないよね、不安だよね、みたいなところが大きいので、そういうところを解決してあげる方がより10YCに触れてもらうのにはいいのかなと思いますけどね。」

岡山「なんでしょう。Tシャツも年によって形が変わったりとか、製品の改良ってずっとやってきているじゃないですか。やっぱりそうやって10YCがずっと同じというよりは、どんどん進化していく姿っていうのがユーザーさんにとって嬉しいんだろうなっていうのは、僕も1ユーザーとして思うところではありますね。」

下田「面白いですね。それはプロダクトの回でもまた話したいですね。こういうところがあるよみたいなこと結構あったりするので。」

岡山「確かに。じゃあ続きもそのような話をしていきましょうか。」

下田「いきましょう。」

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岡山「今ちょくちょく言葉として出てきていた『応援』ってあるじゃないですか。」

下田「はい。」

岡山「10YCのことを応援したりとか共感してって話だと思うんですけど。なんとなくですけど、10YCってあんまり応援っていう言葉が似合わないというか、応援っていう言葉が買う理由に使われるとちょっと違和感あるなっていうのもあるんですよね。」

下田「そうだなー、確かに。何なんですかね?『応援』ではないような気がしますよね。その未来へに対して応援してるけど、普段洋服を買うっていうことが応援の連続なのか?っていうと、何かそうじゃないよなって気もしますね。」

岡山「そうですよね。」

下田「それ自体が自分の生活を変えるみたいなのが結構あるんじゃないのかなと思っていて。こう何も対価がない状態だとそれが応援という形になると思うんですけど、応援しながらも、しっかりとプロダクトという対価って言うのかな、ものをもらっているみたいな状態で言うと、ただ単に応援してるっていうのとは違うんでしょうね。多分。」

岡山「なるほど。今の話すごく分かりやすいような気がしていて。10YCの理念が目指している先に対してすごく共感していたり、こうなるといいよねっていう応援はあるんだけど、それ以上に、商品自体からはむしろ自分が応援されているみたいな。着ている側が応援されているみたいな感覚があるのかもしれないですね。

下田「面白いですね。言ってみるとそんな感じがしますね。」

岡山「Tシャツひとつ取っても、これまで10年着続けたくなるようなTシャツってなかったし、着てみたらすごくいい感じですよね。着なきゃいけないから着るっていうよりは、何かこれいいよねと思って手放せなくなる感じがあるというか。」

下田「そう言ってもらえると思惑通りなので(笑)」

岡山「良かったです(笑)それがさっき話していた『プロダクトがどんどん良くなっていくことが、顧客にとっても嬉しいこと』だし、お客さんがお金を払う理由になっているんじゃないかな?っていう気がします。」

下田「そうですね。確かにめっちゃ改善してますね。終わりがないですからね。そうそう、だから10YC自体あんまりバリエーションがないから、ちょっと話それちゃうかもしれないですけど、本当はアパレル企業って色んなデザインを開発してそこに結構力を注ぐみたいな感じですけど、うちのプロダクトって同じ商品をアップグレードしていくとかそういうイメージですもんね。プロダクトの改善っていうと。」

岡山「そうですよね。確かに。」

下田「だからTシャツとかももう3代目になっていたりするので。」

岡山「もう3代目ですか。それって例えば、もしセールとかクーポンで買っていたら、その分10YCや作り手さんの利益が減って、改善する余力がなかったりとか、新しいものを生み出していくのが遅れていったりとかする訳じゃないですか。」

下田「しますね。絶対。」

岡山「だから本当はそこで値下げしてもらうことっていうのは、自分の生活をちょっと豊かにしないことなんですよね。」

下田「そうですね。本当にそうだと思います。」

岡山「そういう意味で自分の生活が豊かになるために、定価で買うっていう行動が生まれているとすごくいいなと。」

下田「なるほどね。そういうことか。一解決案というか、ユーザーさんもね。」

岡山「そう。値下げしてあると得した気分になるじゃないですか。セールとか。その得よりも、もっとこう、作り手さんと一緒に、より自分が豊かになっていくための購買活動をしているっていうか。そういうことなんだろうなって思いました。」

下田「結局は自分のためであると。面白いですねその話。利他的でありながら利己的であるっていう。」

岡山「今、コロナで行きつけのお店が無くならないように何らかの支援をしようみたいな動きも近いような気がしていて。それを『非常時だから』っていうよりも、普通に自分の好きなものとか、自分の好きな生活を支えるためにちゃんといいものを適正な価格で買っていくっていうことなんだろうな。」

下田「一番ベストの状態ですよね。それができていないからこういうことになっているんだと思いますけど。」

岡山「それを作っていく時に10YCみたいなあり方ってのは一個、もう信念持ってやっていくのが大事なんだろうなって思いますね。」

下田「信念ね。もう信念がプロダクトに通じるみたいなところはあると思いますよね。」

岡山「確かに。長くなっちゃいましたけど、第4回はこんな感じですかね。」

下田「こんな感じで喋ってきましたね。第5回は?」

岡山「そうですね。信念のこもったプロダクトみたいな話で、ひとつキラープロダクトがある、10YCのTシャツみたいな感じでやっている他のブランドの話も聞いてみたいなと。」

下田「お、第5回にしてついにゲストが登場ですか。」

岡山「はい、やっていきましょう。呼べたら(笑)」

下田「呼べたらですね。このPodcastには来ないっていう可能性もありますからね(笑)」

岡山「呼べなかったら二人でやりましょう。」

下田「やりましょう。第四回もありがとうございました。」

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