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ダンサーがホットドック屋を開店しました。

SEIJU

この度、秋葉原で、お店をオープンすることになりました。
名前は「SPELL's」ホットドッグ屋です。

秋葉原から徒歩8分、末広町駅から徒歩2分、湯島駅から徒歩4分、御茶ノ水駅から徒歩8分

世の中の情勢がこんな最中ではありますが、様々な方々の協力があり、オープンまで至ることができました。本当に有難うございます。

-僕にとっての仕事-

高校生でダンスと出会い、大学生になってからはダンスを通して地方や海外にも行くようになり、今ではレッスンを持ち、ショーやダンスバトルのジャッジまで呼んでもらえるようになりました。

僕はダンサー以外の人に対して自己紹介する際に、分かりやすく「ダンサーです」と話すのですが、大学生の後半頃からこの自己紹介に少々違和感を感じていました。
その違和感とはダンスをすることでお金を稼ぐことだけがダンサーなのかということです。
そして「ダンサーとしてHIPHOPにお金を稼ぐには」ということをずっと考えていました。

昔から仕事というのは「やりたくなくても仕方なくやるもの」というイメージはありました。お金を稼ぐ為、生活する為、養う為と仕方なくやるものだと。

でも僕はなんとなく、仕事を「仕方なく」ではやりたくないと思っていました。
大学生になった時、就職活動は自分にはできないなと直感で思ってしまったんです。
自分の気持ちに嘘をつくことになるだろう。とか思っていたのかな。

誤解しないで欲しいのですが、一概に就職活動に励んでいる皆さんがそうでないということは今なら分かります。しかし大学生の頃の僕はそれを根本から否定してしまっていました。

もちろん「就職」すること自体に嫌悪感があった訳ではないです。
僕もそのタイミングが来ていたら就職を考えていたと思います。
でも自分でそのタイミングを掴みにいかなかったんだと思います。

そんな考え方のまま、大学卒業間際になりました。
その頃、当時からダンスで同じチームだったメンバーに誘われ、新しいバイトを始めました。
その新しいバイト先こそが僕の人生のターニングポイントでもある場所。
シーシャカフェ「いわしくらぶ」でした。

-アメリカ留学といわしくらぶ-

いわしくらぶでの仕事に段々と慣れて来たタイミングではあったのですが、働き始めてから二ヶ月たったあたりで、卒業後にすぐに行く予定であったアメリカ留学に数ヶ月行きました。高校生の頃にテレビでマイアミビーチを見て、行きたい!と思ったのがきっかけで、それが一番の理由です。笑

向こうでは半分以上の期間を居候で寝泊まりさせてもらったり、持ち合わせのお金も大した金額はなく、さほどの贅沢はできなかったですが、それでもその生活に幸福感はすごくありました。我慢しているというような感覚はほとんどなかったんです。

そこで気づいたんです。環境が変われば、その環境に応じて満足感や幸福を感じるラインも変わっていくものなんだと。

そんなことを考えながら生活していくうちに、段々と考えに変化が起こり始めました。
それはモノの有り難みや身の周りに対する愛でした。
日本にいる時には考えたことがあまりなかったことだったので、自分自身すごく新鮮でした。

さらに、アメリカで出会った人たちの仕事に対する向き合い方は、僕の仕事への考え方を大きく変えるきっかけにもなりました。
特に、居候させてもらっていた家に住んでるダンサーは、自分の名刺を何種類か持っていて、ダンスレッスンはもちろん、料理教室やカポエラ教室、人の髪の毛まで切っていると言っていました。その楽しそうにしている姿を見ていると、これまで僕が抱いていた仕事への固定概念が崩れていきました。

帰国する頃には、仕事に対する考え方はアメリカに渡る前と大きく変わっていました。
元々あった「仕事=仕方なくやるもの」という固定概念を向こうでの生活の中で、なくすことができたからです。

それを感じたのは、帰国後にまたいわしくらぶで働き始めた時でした。
久しぶりに出勤したその場所が、アメリカに行く前とは全く違う景色に見えるようになっていたんです。
それは、アメリカで出会った人たちと同じように、楽しそうにワクワクしながら仕事の話をする大人たちでした。
その光景を見た時、僕もワクワクしながら仕事をしたいと思いましたし、「ダンサー」でありながら、『カッコよく飯を食うぞ』ということを決意しました。

-NAMEとの出会い-

僕がワクワクできることで、即座に浮かんだものは「ダンスをもっと広め、ダンサーやストリートカルチャーをもっと社会に認めてもらう」というものでした。
僕一人ではなかなか実現できないと思い、メンバーを6人集めました。
それが現在のホットドッグショップにも関わっている「NAME」です。


まず、このメンバーで最初に始めたことは、大学生ダンサーの団体を作ることでした。
大学生ダンサーをよりクリエイティブに、そして大学生活では学べない知識を学ぶことができれば、きっと社会からダンサーが認めてもらえるようになっていくだろうと思っていました。

しかしながら、僕らNAME自身が社会的に認めてもらえるようなスキルや経験もないのに、ダンサーを社会に認められるようにするなんて当然できることではありませんでした。

今考えると、とても身勝手でした。
目的の為とはいえ、自分たちでもできないようなことを大学生に押し付けていたのかもしれません。

そしてその後、僕らは一旦その学生団体作りを断念しました。

-遠回りかもしれないけれど-

まず僕らが社会に認めてもらうことが大切なのではないかと思い、いわしくらぶに出勤しながら色んな常連さんに話を聞いてもらいまくっていました。

そんなある日、いつも通り出勤中、いわしくらぶのオーナーの磯川大地さんと、常連客のたくみくんの会話を盗み聞きしていた僕は、その話の内容に対して、「あのー僕らそのスキームでホットドック屋出せないですか?」と聞いたのを今でも覚えています。
その一言からSPELL'sプロジェクトが一気にスタートしました。

なぜホットドックショップなのかと言われると、そこに深い理由は特にありません。
強いて言うなら、NAMEメンバーの一人が薄っすらとやりたいと話していた記憶と、僕がアメリカに行った時によく食べていた、くらいのものです。

でも僕は思うんです。新しいことを始める時に深い理由だったり原体験が絶対に必要な訳ではないと思うんですよね。僕がノートを書き始めた理由をこの前書いたのですが、これもまた「なんとなく」ってやつなんですかね。でも、なんとなくダンサーがやってるホットドック屋ってイケてるなって直感で思ったっていうのはあります。

でもそれ以上に自分たちが何かを始めることで、それが誰かの価値につながって、そしてそれでお金をいただいて飯を食っていく、ということを自分たち自身が体現することが何より大切なのではないかと思ったんですよね。

-こんなお店にしたい-

僕たちがホットドック屋さんを開こうと思った時と同じような気持ちで、SPELL'sに来るお客さんたちも、「なんとなく」で新しいことを始められる環境にしていきたいなと思っています。
それがお客さん同士や僕らとお客さんとのコミュニケーションの中から突然始まるかもしれないなんて、想像するだけでワクワクします。
その為に僕たちがすることは、無意識にアイディアやコミュニケーションが生まれてしまうような環境を日々作っていくことだと思っています。

その環境とは、間違いなく美味い「ホットドック」。人のクリエイティブを刺激する「デザイン」。自然に体に溶け込んで来る「音楽」。そして面白い「人」。

一般的に言う、良いお店からすれば、これって当たり前に気にしていることかもしれないですが、これを実はダンサーがやってますって、本当に面白いなとつくづく思います。

-最後に-

序盤に話しましたが、最終的な目的はもちろんあります。
ですがこのホットドックショップ「SPELL's」をその目的の踏み台にするつもりはなくて、「まじ良い店作りてー!」って気持ちです...笑

ダンサーやBBOYがやってると言われると、なんだか行くハードルが高くなるかなとも思うんですが、そんな方たちでもついお店に入ってしまうような入り口を丁寧に作っていきます。

きっと、「こいつらも同じ人間なんだなー」って思えるはず...
お気になさらず一度いらしてください。

長々と書きましたが、最後まで読んでいただき有難うございます。


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