【短歌七首】圏外へ
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散り際よコーラ吹き出すぬばたまのびしょ濡れのまま蹴りあげる靴
く れよんの染みべらべらと乾かないく れよん、君の時間と共に
まぶたからひらがなになる 剥き出しの風にさらした虹の呼吸器
たらちねのままごとに飽く子どもたち星座のように大人を植えて
下垂体葉脈に濃く蝶の舞う一滴分の鱗粉を、ください
カラフルな道路工事の点滅とコンクリートに混ぜ込む季節
再生の名残を踏んでささやかに背負う色彩圏外へゆく
/とわさき芽ぐみ 2022.2.15
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