【ツイッター短歌まとめ11首連作】音階を踏む
サイレント・モードに落ちる夜がありだから震える死にかけの翅
とぐろ巻くホースのざら、と蛇に似て水の影すらぬらりと暮れる
あんぶれら (快晴のよる) あんぶれら 迷迭香の乾いた響き
磨り減って削る、削って塗り潰す、心拍数の寄り道として
しなやかに乗り越えてゆく大げさな涙のマークにそっと寄り添う
冷えたまま歯ブラシに置く3色のどこへも行けぬ外国の色
生きている臭いを消すためかけている化学の飛沫 またひとりしぬ
ゆらゆらと希釈する朝閉じ込めてミストはきっと大きく笑う
あからひく朝のポストにしんしんと君はいたってまっすぐに立つ
クレヨンを頬張るひとの口に合う約束だから苦かったのだ
みもざみもざ 音階を踏むようにしてあかるい風にさらわれてみる
/ とわさき芽ぐみ 2022.3
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