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出張!SLやまぐち,錦帯橋,湯田温泉,回天記念館

出張の隠れミッションは観光である。目的地は自分で選べないため、思わぬ景色と出会うことができる。2021年に行った山口についてもミッション遂行に励んだ。

山口県に行ってきた

仕事の合間に出かけたためルートは飛び飛びだが、どこもすてきな景色であった。
このときの拠点は徳山で、東京から新幹線で4時間半。仕事するにも飽きる長さのため、グランスタで買ったケーキと、おいでよどうぶつの森を楽しんだ。
以下の移動は、徒歩や電車の圏内は一人、車移動は先輩社員にご一緒していただいた。

徳山駅

徳山駅周辺は大きな工場地帯で、昼夜問わず煙突から白い煙を吐いている。到着の頃、新幹線の車窓から工場の規模の大きさが伝わる。

きらきらとした工場が流れてくる
夜も絶え間なく煙突もくもく

徳山駅は南側(海側)と北側に分かれており、工場が見えるのは南側である。北側は蔦屋書店と図書館とスタバがくっついた建物がおしゃれだった。図書館で石井好子の『バタをひとさじ、玉子を3コ』が面白かったので後日購入した。

北側の蔦屋書店のエスカレーターから
南側の大きな窓から

近くの商店街
ちょっと休憩
憩いのスポット

この時の出張は夜間勤務だったので、日中は寝ていることになっていた。夜間をそこそこに切り上げ適当に寝て、日中出かければよい。電話は折り返しが遅れても寝てましたで通せる。また、期間に土日を挟むことでまとまった時間を確保した。わざとである。

笠戸島

徳山から車で。これといった特徴はないが、海がきらきらしていた。「笠戸ヒラメ発祥の地」であるらしい。笠戸ヒラメ…?

きらきらの海
シーグラスとシー陶器
笠戸ヒラメ発祥の地
隣町のゆめタウンで買ったカワイイくまちゃん。猫をかぶって笠戸ヒラメを抱いている。

錦帯橋

徳山から車で45分~1時間くらい。夕方だったのでじっくりは見られなかったが、お土産屋さんもたくさんあった。橋の上も渡れるし、間近で橋の構造を見られるので楽しかった。

水面にうつる錦帯橋
結構近寄れる
静かな夕暮れ。ロープウェーで。
岩国城。弘前城みたいなサイズ感。

いろり山賊(玖珂店)

岩国に行った時にはぜひいろり山賊を訪れてほしい。暗い山を車で登ると、明るく飾り付けられたお祭りのような、妖怪に騙されているような雰囲気の大きな飲食店がある。店の入り口の方は出店っぽく、中に入ると高低差のある地形に川が流れていて、野外にあるこたつで食事ができる。寒い季節でも足元は暖かいし、雰囲気が良いので断然夜をお勧めする。メニューは少なめだがエンタメが勝つし、おにぎりがめちゃでかい。支払いは現金のみで、ATMなど近くにないので注意。

初詣っぽい
お土産も買える
山の中にぽつぽつと提灯がつづく
山賊焼(鶏肉)と山賊おにぎり
いろり…じゃなくてかまど
志村うしろ

獺祭ストア本社蔵

こちらも岩国で、そこそこ山の方。道沿いに醸造所らしき建物があって「ここで人気の日本酒が…!」と思う。ストアの中はミュージアムショップのようにモダンで、米の精米歩合によるサンプルなども見ることができる。日本酒をはじめとして獺祭を仕込んだ酒粕で作った甘酒もあった。甘酒アイスが個人的大ヒット!あまりない味だし、かなりおいしかったので行かれた方はぜひ食べてほしい。

川沿いにストア。水が豊富。
これ!めちゃうま!

湯田温泉

この日は休みで、事前準備した徳山から電車の旅。湯田温泉に行った後、SLやまぐちに乗ってきた。徳山からは山陽本線で新山口、乗り継いで山口線で計1時間20分。特急も使えるが値段の割に時間は大差ないので普通列車で向かった。
湯田温泉は、昔白狐がここ掘れコンコンとしたところに温泉が沸いたそうだ。また、中原中也の故郷でもあり、最近は「常磐」という旅館の女将さんのショーが有名である。

巨大白狐
夜見たら怖そう
「常磐」のショー入り口。

常磐では日帰り温泉でお世話になった。露天と、神殿のような造りのお風呂がありロマンティックで大変すてきなお風呂だった。おすすめ。

Mr.Greenというお店でランチ。サラダがとても美味しかった!
きつねプリン
プリティ・きつね
中原中也記念館。

中原中也記念館に行った時は人が少なく、ゆっくり見ることができた。直筆の詩、周囲の作家のエピソード、映像の展示もあって良かった。破天荒なエピソードは展示していなかった。

きつね親子
よくみたら駅前のと似た顔してる
温泉とお酒
骨にされた狐
ポストにされた狐

このときはそこかしこに金木犀がたくさん咲いており、静かで香りよい町だった。

SLやまぐち

湯田温泉から山口線で長門峡に移動して、そこからSLやまぐちに乗車した。SLやまぐち号は指定席なので、出張の前にチケットを購入しておいた。(津和野〜新山口間で購入していたが、途中乗車OKだった。)当時は居住地の最寄駅にもみどりの窓口があったが、今はもうない。

改札は手押しスタンプ
扇風機
うやきんもうやち
なんの電車かは知らない

長門峡駅には改札はおろか、切符も売っていなかった。ここから普通の電車に乗りたい人はどうするんだろうか。謎が解けないままSLやまぐち号が来た。初めて見るSLは本当にグワッシュグワッシュいっていて、すごくワクワクした。
スピードはそこそこで、窓の外を景色と一緒に蒸気が流れていった。畑や住居があるところに差し掛かると、地元の人が手を振ってくれた。

デゴイチというらしい
力強かった
蒸気がフワフワと流れる
ふるめかしい地図
木目調
新山口駅が終点
切り離された車両部分
機関車部分が去ってゆく

回天記念館

徳山駅から歩いて行けるフェリー乗り場から、大津島巡航船にて馬島へ。チケットは券売機で買うが、行けば迷わないと思う。

なんとなく歩いてゆけば着く
途中で切符確認がある。
遠くなる工場

大津島は人間魚雷「回天」の元訓練基地があり、現在は記念館がある小さな島である。回天。「天を回らし、戦局を逆転させる」という願いをこめて太平洋戦争の末期に開発された人間魚雷とその作戦。結果は知っての通りだ。私は戦争について詳しくないが、現場があるなら見ておこうと思った。

島に住む人が200人余りと少ないせいか、すれ違う人は殆どなかった。この日は歩いて行けそうな所に食事をするところがなかったので、何か食べてからくる方がよいかもしれない。

記念館への道。うららかな日差しでなければこわい。
記念館入り口にある模型。
エンジンの一部

回天記念館は入場料310円。実機の一部、乗組委員や整備員の訓練のようす、戦後に関係者が語るビデオ映像、遺影、遺品などが展示されていた。また、玄関からのアプローチには戦没者の名前が刻まれた石が並んでおり、出身地を見ると全国から志願者がいた。
何もなければあと何十年も生きて行ける人たちが、作戦に参加して亡くなっていった。展示の中では家族に宛てた手紙や遺書があり、どんな思いで参加したのか記されている(音読した音声もあった)。多くを理解できたわけではないが、漠然と「わからない」ものが「人のかたち」として像を結んだ気がした。
気持ちが動くが、ここにある物を感傷に浸る装置にしてはいけないと思った。ただ昔起きたことの事実がある。みんな生きていた。うまく言葉を見つけられないが、本当に、二度とないほうがよい。

次は海側の訓練場へ。

訓練場へ向かうトンネル
絵のような横道
キャプションを見てウゥとなる。
海を自分だと思ってくれ、という言葉は他にも見受けられた。家族は会えずとも、海ならば近くに感じられたかもしれない。
のどかすぎる日差しにどんな気持ちでいていいかわからなくなる。
本当に静かな景色
うまく映らなかったが、魚がたくさんいた。

訓練場は静かで、日差しが暖かくて、見るだけならきれいなよい景色だった。

見張り台は高いところにあり、軽い山登りに近かった。運動不足で息が上がる。あまりにも人がおらず若干怖かった。(動物とか遭難的な意味で)

鳥がキェーなどと言うので怖い
見張り台
空っぽで使い方はわからなかった
煉瓦造り
ここも静かだった
結構高いところまで登ったと思う

高台から海を見た時、高屋窓秋の「ちるさくら海あをければ海へちる」という俳句を思い出した。過去について私にできることはないし、是非を問えるとも思わない。本当に勝手な気持ちで、ただ一人一人に幸せなことが少しでも多くあってほしいと思った。

帰りのフェリーのため港の方にいくと、猫がたんまりいた。


ネコチャン
そういう色の猫じゃなくて、転がって砂だらけの2色猫
並走猫
寄ってきて油断してると噛まれる
ネコチャン…
夕日どき、魅力的な色の船内

忘れてしまいそうだが出張なので、このあとは仕事だった。気持ちがいっぱいで、むしろ人に会えるのがありがたかった。

おしまい。

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