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うだ すいか
2020年3月12日 22:00
破裂しそうな青に、ディーゼルの音と融けてしまいそうだと思った。 厭になってしまうくらいに、よく晴れた日だった。全く校則通りに、横の折り目を識らないスカートの裾が、塩味の少ない海風に微かに翻っていた。こつ、こつ、こつ。3年履いた安物のローファーの踵が、些かひ弱に、けれど確かに乾いたアスファルトを踏む音が、人気の少ない田舎道に響いた。その跡は当然残るはずもなく、歩いた轍はその傍から蒸発してい