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改めてオンラインで売るという事を考える

 今やほとんどの商品がオンライン上で買えるような時代になってきて、一昔から比べれば大分便利になってきたと思います。ですが、実店舗だけの業態や対面を主にしている企業からすると、オンラインに乗り出すことに対して、まだまだ課題が多いように感じることがあります。改めてオンラインで売るという事を考えてみました。

ちょっと前までは

 ちょっと昭和オジサン的な感じになってしまいますが、つい十数年くらい前までは、服をオンラインで売るという事自体が一般的ではなかった時代でしたよね?(それが良かったみたいなことを言うつもりは全くありません)

 ZOZO TOWNのスタートが2004年ということで、その時にまだ店舗で販売していた自分としては、まだまだあまり自分に関係することではなかったと思っていたような気がします。

 以前働いていたアパレル企業が自社オンラインをスタートさせたのが、2008年でした。その頃を振り返ると"オンラインでは明るい色の方が売れるらしい"とか、"とりあえず値段勝負でセール品が売れる"とか素人感丸出しでスタートしていたような気がします。何か新しい時代の波にしっかり飲み込まれていたというのが印象です。

手段であり目的ではない

 そんなバタバタで色々やっていた記憶はありますが、まったく売れない限定カラーを作ったり、結局売れる色は店舗と同じだったりして、意外に商品開発自体は、それほど特別なことをする必要はないのではなかと思った記憶があります。

 オンラインでの販売を始めるとか、ECサイトを作るとか、それ自体が独り歩きしていて、冷静に状況を見られてなかったですね。社内でも、実店舗の一番店よりも売れているとか、実店舗には在庫があるのにECではないとか、結構"点"の議論が多かったように思います。

 普通に考えれば、いつもは店舗にわざわざ来て買っていたお客さんが、時間を気にせずにECで買うことができれば、利便性は上がりますし、買いたいと思っていたけどお店が遠くて行けなかった人にとっては、やっといつでも買えるようになったという喜びがあったと思います。単純に利便性を上げるという目的で取り組んでいれば、もっと違った戦略ができたような気がしますが、まぁそういう経験があっての今という感じでしょうか。

 今では、実店舗とEC双方での購買顧客のLTVが、それぞれ単体の購買顧客のそれを上回るというのはある程度実績で証明されていると思いますが、当時はECで売ったら実店舗の売上が下がるという議論も多かったのを思い出します。

 ECサイトを作るとか、オンラインで販売するということは単なる手段であり、それ自体が目標にはならないということですよね。

では今はどうか

 ちょっと昔話を書きましたが、今はどうかと考えると”ECって結構大変”という印象が強いような気もします。自分が関わってきたファッション関連の小売業での話がメインにはなりますが、まだまだ在庫の問題や集客のところでの課題に直面して、"以外に儲からない"みたいな話題も聞きます。”やっぱり実店舗の方が売り上げが取れる”みたいな話で、ECサイトが何となく運営されていたりすることもありましたね。

 競争が激しくなっているから難しくなっていると言えばそれまでですが、実店舗に於いてもそれは同じような事のような気がします。売れる施設はその分家賃が高いですし、人が来ないようなところに店を出しても家賃は安くても売り上げは期待できないでしょう。

 それと同じで、集客力がある有名サイトに出店すれば売り上げは期待できるかもしれませんが、単に自社サイトを始めただけであれば誰も訪れることはないんだと思います。

自分たちだけではできないのかも

 比較的マーチャンダイザーやディストリビューターの経験が長い中で、私としてもオンラインでの基本的な知見と共に、その中でどう戦略立案をするかという能力が必要になってきていると感じています。

 そこで思うのは、オンラインに関する知見を持っている人たちは、すでに多くいるという事です。オンラインに特化した代理店の人や、大手マーケティング企業の人などと話す機会が時々ありますが、WEB広告やSEOの手法などに関しては、その成長スピードや新たに生み出されるサービスに付いていくのがやっとという感じです。これは、今から勉強してどうこうなるという問題でもないような気がしてしまいます。

 すでにその分野での知識や経験を持っている人たちがいるのであれば、その人たちと一緒に協力してやっていったほうが、俄然スピードは速いと思います。

 とは言え全て外部に丸投げでは、契約が切れた途端何も社内には残らないという事にもなってしまいます。ある代理店の人に聞いたところ、企業によっては月次の数字結果報告だけで、途中の施策の内容とかのレポートはほとんど見ないというところもあるようです。確かに”よう分からん”となってしまうのも分かるような気がしますが、結果どうこうよりも自社の商品やサービスが、どういう施策にマッチするかについては、確実に外部の人よりは自分たちの方が分かっているべきだと思います。

 オンラインにしろ、オフラインにしろ、ちゃんと仕組みを理解したうえで、結局は地道に改善を続けていくことが必要なのではと思います。結局、モノやサービスを作って売るという事自体が、そんなに簡単ではないことなんだと思っています。

余談

 ちょっと余談ですが、ジャルジャルのyoutubeで面白いのがありました。時代についていくのは大変です。
まぁ、どっちも極端だと思いますけどね、、、

https://youtu.be/ypkJWxmKfrM